2009/10/31(土)07:13
暗闇の街 夜明けを信じて 前へ進む
午前5時30分、辺りはとっぷりと闇に覆われて、夜明けの気配は感じられませんでした。
「まぁ、走っているうちに白んでくるさ」
そう高をくくって、ジョギングへと出発しました。
辺りを流れる空気はさほど冷え込んでおらず、手がかじかむことはありません。
おかげで出だしから身体の動きがなめらかで、一歩一歩の足取りも軽快です。
こうして朝一番に走ることによって、その日の体調をうかがい知ることができます。
「身体が重くて、動かしているのが自分の身体じゃないみたいだ」
なんていう時は、良質な睡眠が取れていなかったり疲労がたまっていたりするので、その日の仕事のペース配分を考え直したり、昼食後に目をつむって休養を取ったりします。
一方、今日のように一歩一歩に実感が伴って気持ちよく走ることができる日は、いつもより仕事の負荷を増やしたり、新しい仕事に取りかかったりします。
ジョギングを通して、自分自身の心身と対話することができるというわけです。
「それにしても、いつもこんなに暗かったかなぁ?」
電灯が少ない住宅街の一角に差しかかると、あまりに闇が濃厚なので、向こうから人が現れても気づくことができないだろうと思われました。
いくら明け方とはいえ、これまで身の危険を感じるような暗さを味わったことはありませんでした。
しかし、今朝はちょっと危ないかも知れない・・・。
その証拠に、ふと気づいた時には、道を間違えていたのでした。
「あれ!? なんか違うな、この道・・・」
方向感覚だけを頼りにそのまま進んでいったのですけれど、まもなく行き止まりに行き当たって、引き返すことにしました。
ガシャン!!!
暗闇の中に甲高く響いた不吉な音とともに、なにか硬いものに衝突した鈍い感触が太ももに伝わってきました。
記憶を頼りに手を伸ばしてみると、どうやらそれは自動車が進入してくることを妨げる鉄パイプの置き物だったようです。
「やれやれ。このままジョギングを続けて大丈夫かなぁ・・・」
ためらう思いが湧き起こってきました。
こういう時、前へ進もうとする気持ちをグッと堪え、引き返す勇気も大切です。
しかし、そうは思うのだけど、ジョギングを続けたい衝動をどうしても抑えることができず、誤った道を訂正していつものコースを進んでいきました。
光を遮るもののない河原へやって来ると、やはりこれまで感じたことのない深い闇が横たわり、人間を拒むように映ります。
土手へ駆け上がり、左手から散歩する人が現れたことに気づいてやり過ごしてから、河川敷へと下りようとしました。
次の瞬間、右手から猛烈なスピードでやって来た自転車が鼻先をかすめ、運転手は憤慨した叫び声を残して遠ざかっていきました。
自転車がライトを点灯させていなかったせいか、わたしは気づくことができなかったのです。
こういうこともあるから、暗い道はいくら注意しても注意し過ぎるということはありません。
東の空を見上げると、ところどころほつれた雲間が金色に染まっているのですけれど、大部分はのっぺりと灰色を呈しています。
どうやら低いところに屯する分厚い雲の一群が、太陽を覆い隠してしまっているために光が乏しいようです。
そこに太陽の存在を感じて、いくぶん心強くなりました。
着実に陽が昇っていることを信じ、川沿いの道を駆け続けました。
闇に目が馴れてきたのか、それとも少しずつ明るくなっているのか、混沌としていた視界は刻々と晴れてゆき、すれ違う人の姿も鮮明に見えるようになってきました。
ほんの五分くらいの間に闇は溶け、今では自分がいる空間をちゃんと見て取ることができます。
危ない目に遭うこともあるけれど、闇を肌で感じることで、対処の仕方を学ぶことができます。
とにもかくにも、無事にジョギングを楽しむことができて感謝します。
ありがとうございました!!
【三文日記】
夜、妻と焼き肉へ行きました。
何はともあれ生ビールで乾杯し、カルビやハラミなど焼き上がっては特製コチュジャンと大根おろしソースにつけて頬ばります。
金曜日の夜は、こうでなくっちゃいけません(笑)。
●今日の天気
晴れ。
●今日の運動
ジョギング30分。