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「宇宙空間にメッセージ」という見出しの記事を読んだ。宇宙空間に10万枚の紙を積み込んだプリンターをうちあげ、地球から通信し、結婚のお祝いメッセージなどを印刷、宇宙空間にばら撒く様子をカメラで中継する「ビジネス」の構想だそうだ。これを進める近畿大の教授によれば、「宇宙には膨大なビジネスチャンスがある」そうだ。 いかにビジネスとはいえ、なんと下らないことに宇宙空間を利用しようというのか。ばら撒いた紙は、太陽熱や、大気との摩擦で燃えるという。しかし、使い終わったプリンター衛星はどうする。ビジネスになって、たくさんの業者がこぞってプリンターを打ち上げ、皆でばら撒いたらどうする。 今でさえ、地球の周辺には、人工衛星のかけらや、ロケットの破片で危ない状態にあるという。将来宇宙旅行が可能になって、いざでかけたら、窓の外はくだらないメッセージの紙ゴミだらけ、だったら幻滅だろう。 SF漫画家、星野之宣さんの作品、「2001夜物語」の中の話。意思を持ったロケットを、地球外生命体に出会ったら地球に報告するように発射する。ロケットは地球への報告という目的のためだけに、何百万年も黙ってたびを続ける。そして何百万年もの無言の旅の末、初めて出逢った地球外生命体の乗る宇宙船は、ロケットが打ち上げられた数十年後に開発され、光速を超えて旅をし、ロケットを追い抜いていた地球の宇宙船だった。 技術開発は、あっという間に過去の技術を陳腐化する。そんな物悲しさを宇宙空間という、時間軸をも超越可能な宇宙空間を舞台に描いた作品であった。 人類は地球上での乱開発で失敗している。それは人類の「将来を考える力」が足りなかったからだ。特にビジネスが絡むと「今」しか見えなくなる。その結果、あわてて取り戻そうとしている。 同じ感覚で宇宙まで開発するなら、人間はまた同じ轍を踏むことになる。宇宙開発は人間のロマン。まだまだ膨大な時間がかかるだろう。今しか見ていない技術で、乱開発をすれば、悲しい結果を将来の人類に残すこととなろう。 宇宙空間の開発には、地球上よりはるかに長いスパンでの、開発構想が必要であろう お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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