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そのイベントを知ったのは、本当に偶然だった。
ここ最近、日記や公式のチェックを怠っていたため、世の中からまったく取り残されていた。 初心者講習会に参加しようと思ったのも、たまたまINしていた時間帯に、赤文字の告知が流れたからだ。 18:00。アリ2鯖に飛んだ。すると。 ゲート付近にオークしている赤パラさんがいた。 一瞬「しまった」と思った。 波瀾万丈の人生を送る魔術師が戻ってくる。 しかもそれを出迎えるイベントが開催される。それも今夜。 初心者講習会の期間中、裏で公式掲示板をチェックする。 たった今まで知らなかったことを恥じ、恐れた。 (もし今、アリ2鯖にいなければ・・・。 (もしあの時、赤文字告知を見なければ・・・。 折悪しく、今日はエク鯖のみUWが行われる。何も知らない俺は、のんきにUWを楽しんでいたことだろう。 そして後日イベントの存在を知り、後悔に苛まれたに違いない。 冷や汗を拭きつつ、自分の強運に関心しつつ、赤パラさんに感謝した。 そして時は満ち、約束の地へ。 履歴書に住所と年齢を記入するとき、エクシリスとか87歳とか書きそうになる、そんなクロノス好きをクロノシアンと呼ぼう。 そこには予想通り、数え切れないほどのクロノシアンがいた。 当然のようにイベント好きの知り合いが大勢闊歩する。 PTに入れてもらうと、あたりまえのように日記作家がならんでいる。 おそらく今ここが、クロノスの中心だ。勝手ながらそんなことを想像する。 程なく主催者の説明が始まった。 イベント告知では、うろたえていたせいか、内容を十分把握できなかった。 なるほど、犯人PTをPvPで討伐するものらしい。 そしてすべての犯人PTを討伐すると、彼の魔術師の装備が完成するらしい。 それが彼の魔術師への贈り物となる。 イベント好きの魂に火がついた。 全部の犯人PTを討伐する意気込みだった。 まずは犯人PTを探し出さねばならない。 犯人PTは沙漠~洞窟のどこかに潜んでいるらしい。 今回のイベントは、主催者の心憎いスパイスとして、ゲスク使用が禁じられている。 したがって、手分けして探し、収集した情報を元に行動するという、黄金パターンが使えない。 しかも犯人PTは相当の猛者らしく、単独行動では絶対に討伐することは不可能らしい。 そこでPT全員で行動を共にすることにした。 しかし、この広大なエリアから犯人PTを探し当てるには、バクチに似た読みと運が要求される。 名誉な(困った)ことに、過去の経歴(運)から、パイロット(レミング先頭)を仰せつかってしまった。 真っ先に浮かんだのは、「主催者側は見つけられたいのか否か?」という疑問だった。 早く見つかって、PvPをメインとしたイベントにしたいのか、かくれんぼをメインにしたいのか。 かくれんぼなら、捜索範囲がひろい沙漠が適している。 見つかりたいなら、洞窟だろう。 逡巡のすえ、沙漠を選択。 ときどき我々と同様の討伐隊に出くわすたびに、気が引き締まる。 適当に西方面を探したが、バトルの痕跡すら見当たらなかった。 そこで捜索先をピュリカに変更。 洞窟内にも大勢の討伐隊が走り回っている。 あまりに大勢のオークをチェックするため、だんだん観察力が麻痺してくる。 と、いた!「セイク腰PT」発見! 慌てて操作がおぼつかない間に、どこからかSLWの流れ弾が飛んできて、あっという間にPT全滅。 乱れ飛ぶ阿鼻叫喚。 「強い!」さすが犯人! 妙なところに関心しつつ、サンツスミコからゲートで舞い戻る。 洞窟内で体勢を整え、PTメンバーのマジさんが変身! 関心している間にまた倒され、ゲートで戻ってくると、すでに討伐成功したとのこと。 相変わらずの自分の弱さを心のうちで罵りつつ、サンツスミコに戻る。 そこからは授賞式と称した、盛大なパーティ。 一瞬、主催者がセイクセットを持ち逃げするという余興もあり、パーティはより一層の盛り上がりをみせた。 何万発もの花火と美酒に酔いしれ(少し誇張)、主賓が取り戻された装備に袖を通す。 そして誰もが期待した、喜びの第一声は・・・ 「バケツキター」 そう。クロノスでもっとも価値ある、黄金のバケツ。 クロノシアンの愛がこもった、代替不能のバケツ。 その愛を受け取った彼の魔術師のこの言葉。 その言葉の裏で、感涙にむせぶ姿が目に浮かぶ。 そのバケツを見るたび、俺たちはこの時を思い出すだろう。 そしてそのバケツをかぶる彼の魔術師は、この時を忘れることはないだろう。 そのバケツは、思い出という名のタイムマシーン。 そして彼の魔術師は、そのタイムマシーンで再び未来を築く。 偶然ながら、このイベントに参加できた幸運に感謝する。 いつものように、裏方で事前準備や運営された主催者の方々に深く感謝する。 そしてクロノシアンのみんなに深く深く感謝する。すばらしい時をありがとう。 最後に、碧眼さん、おかえりなさい。 そして俺はまた、クロノスの世界に引きずり込まれてゆく・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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