未来を生きる
認知症の人が過去に避難するのは、未来が無限に広がっている限りの無い世界だからです。限りが無いというのは不安を大きくします。もし、歩いても歩いても木や草も無く、家も人も居ない空間が広がっていたら不安で死にそうになります。絶望して倒れてしまいます。でも、この見方は真実の見方ではありません。本当の見方は無限の可能性が広がっているのです。無限の希望が広がっているのです。そこに気がつかなければいけないと思うのです。もちろん介護者が。最近、介護者という言葉に違和感があります。介護者と言うと、なんだか介護する人と介護される人という感じで、する人とされる人の間に何かとてつもない深い溝が見えてくるのです。その溝は埋めることが出来ない溝です。サポーターも溝があるような感じがして、何か他にしっくり来る言葉は無いかなと考えていました。一番しっくりきたのは「戦友」。2番目は「パートナー」でした。介護する人と介護される人は二分されるような印象があり、共に歩む「戦友」のような一体感が出てこないのです。認知症ケアは、もちろん認知症の人をケアするのですが、認知症の人にだけ利益があり、介護者は利益が無いのかと言えばそうではないと思うのです。介護者は認知症の方の人生をナビゲートするのが仕事ですが、認知症の人だって介護者をナビゲートしてきました。介護保険の前の時代は処置の時代で、利用者が選ぶことが許されませんでした。身体拘束も当たり前のようにされていました。でも介護保険以降、身体拘束は禁止され、選択の自由が当たり前になりました。それは介護者がそちらの道にナビゲートしたというよりも、認知症の人達が介護者をナビゲートしてきたから今の未来があるのだと思うのです。認知症の人と介護者は共に未来の認知症ケアを作り上げていく「戦友」であり「パートナー」でなければならないと思っています。未来を生きる!には目標がいります。目標は何もない空間に目印を置く行為です。目標に向かって努力精進すると道が出来ます。ですからみなさん未来に生きてください。無限の可能性が広がっている未来に目標を持ってください。それはケアプランに反映される目標でもいいのです。そして希望を持って努力精進をしてください。認知症の人は「戦友」です。始めは自分が一歩先を行くナビゲーターになり、認知症の人を導いていかなければなりませんが、でも、自分が目標を持ち、努力精進をしていれば、自然と認知症の人もなんらかの目的意識を持ち歩み始め、いつの間のか横に並んで共に道を切り開く「戦友」となって居ます。目標は小さなものから始め、達成したら多くの人がその道を歩んでこれるような幸福の道標ような目標を立てて、認知症で悩み、苦しみ迷っている人の希望になれるような道を創っていただきたいと思います。多くの人が道を切り開けば、多くの人が出来た道を歩んで認知症を乗り越えいけると思っています。ひかりカフェを通して、たくさんの希望の道を皆さんと共に切り開き、創り上げていきたいと思っています。8月26日僕が代表を務めるひかりカフェ(認知症カフェ)でお話した内容です。ひかりカフェ(認知症カフェ)で毎月第4水曜日に開催されています。どなたでも参加できますのでぜひお越しください。9月23日のひかりカフェはハンドセラピーです。場所は愛知県一色町で行われます。時間は9時半から11時半まで。参加希望の方はコメントでひかりカフェ参加希望とコメントして頂ければ詳細をメールします。