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カテゴリ:読書
久しぶりにミステリー小説読みました。
面白かった!嵌りました! <小学校6年生の秋葉奏子は修学旅行中に父と母、幼い弟二人を父の取引先の都築則夫に殺されてしまう。ハンマーで4人の顔面を陥没せしめるという残酷な殺し方だった。 一人生き残った奏子はたった一人で生き残ってはいけなかったのではないか「生きてていいのか」と自分を責めながら大学生になっていった。家族の恐怖と苦痛、自分の苦しみを全部凶器にして犯人の都築にぶつけたいと思いながら・・・ そして父に恨みを持ち、家族を惨殺した犯人にも同じ年の娘がいると知る。 居場所を突き止め、偽名を使いその娘未歩に近づく。 死刑囚の娘として未歩は生きていた。秋葉によって死んだ妻の保険金をだまされ奪い取られた父の恨みを受け継ぐため・・・ 「法律にお父さんが殺される。私も殺せばいい」 奏子はたくみに未歩に夫殺しを洗脳していく。 その過程の中で二人の間に傷をなめあうような不思議な絆が刻まれていく。> 被害者の娘、一方では加害者の娘、二人が持つ心の傷や深い闇はとても重い。 重いからこそどこかに救いを求めるようにひたすら先を読み続けた、そんな本だった。 ミステリーであるが、リアルな心理描写が巧みで充分ヒューマンドラマになりえる作品だ。 第22回吉川英治文学新人賞に輝いたのもうなづけます。 野沢氏は脚本家として有名だが、さすがにこの小説も視覚的・映像的だなと思いました。 表紙の赤黒い色は殺人現場の血の色「深紅」を表しているのだろう。 今更ですが、野沢尚 プロフィール 1960年、愛知県名古屋市に生まれる。日大芸術学部映画学科卒業。 1985年、「殺してあなた」で脚本家デビュー。 1997年 小説「破線のマリス」で第43回江戸川乱歩賞を受賞。 1997年 小説「恋愛時代」で第4回島清恋愛文学賞を受賞。 1999年 脚本「結婚前夜」・「眠れる森」で第17回向田邦子賞を最年少で受賞。 2001年 小説「深紅」で第22回吉川英治文学新人賞を受賞。 2002年 「反乱のボヤージュ」で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。 NHKテレビ50年記念ドラマ「川、いつか海へ」執筆 2004年「砦なき者」執筆 2004年6月28日未明、事務所マンションで自殺。享年44歳 野沢尚さん、私の中では「眠れる森」が秀逸ですが、私の大好きな俳優吉岡秀隆さん、出演の作品もあります。 1994年映画「ラストソング」原作、脚本 (主演:本木雅弘) 2000年NHKドラマ「喪服のランデブー」(原作:コーネル・ウールリッチ) このドラマはささやかだけどかけがえのない幸せを手にしようとしていた恋人達の日常からはじまります。 主人公は挙式直前の恋人を失った青年(藤木直人)が、恋人を見殺しにした4人に復讐をするという話でした。彼らが最も愛する家族や愛人を、毎年一人ずつ恋人の命日に殺害していくのです。 その犯人を追う刑事が吉岡さんでした。 このドラマ傑作だと自負しています。 藤木さんは多分、デビュー直後だったと思いますが、出番やセリフこそ少ないですが、けっこうこの頃は好きでした。 野沢氏のミステリー、しばらくはまりそうです。 次は「魔笛」を読もうと既に買ってあります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年04月13日 14時13分27秒
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