2008/05/28(水)21:23
『ラフマニノフ ある愛の調べ』
『ラフマニノフ ある愛の調べ』を観に京都へ。
天才的ピアニストとしてピアノを弾くことに専心をのぞむ教師と、作曲をしたい彼自身との葛藤、酔っぱらい指揮者のために初演の「交響曲第1番」の大失敗、3人の女性、子供時代の懐かしいライラックの花の咲く庭、両親の不和、亡命後のピアニストとしての成功しながらももう弾きたくないという気持ちと、10年作曲したいのに作曲できない葛藤など。。
ラフマニノフの曲をともにライラックの花の場面がたくさん描かれる。
ラフマニノフはド~ソまでとどくほどの大きな手の持ち主であることは知っていたけど、体格はそれほど大きくなく、精神的にデリケートな印象。
あまり多くは描かれてはいなかったけれど、亡命するということがどういうことなのか、想像以上に重いものを引きずっているのだと思った。
でも亡命して成功してもその地で新たに生きていくことの困難。
「交響曲第1番」の大失敗でしばらく作曲できなかったエピソードは知っていたけれど、心理療法で精神科医にかかるほどまでとは知らなかった。失敗と同時に失恋も大きな要因だったのだろう。
この映画でおもしろいのは、3人の女性と彼との関係。1人目はラフマニノフから積極的に求め、作曲の源のような存在だったが、交響曲の失敗とともに失恋。2人目は幼なじみで従姉妹の女性。その失敗と失恋を知り、自分の婚約を取りやめてまで彼を守ろうとし、結婚し亡命し子供3人をもうける。3人目は革命家の女性。音楽の教師として学校で出会い、仲間に誘われ逃げるが、亡命の手助けをしてくれる存在に。
これからラフマニノフを弾く時に、この重い引きずった印象をどこかに刻んでおこう。
「ライラック」というきれいな曲が以前から気になっていた。
この花の場面が幸せな頃の象徴としてたくさんでてきた。
楽譜、探そ~っと!