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丁寧な暮らし

丁寧な暮らし

2019.09.04
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カテゴリ:おしん
ああ、おしんがつらい、、でも、こういう歴史があって今の私たちがあるのだということを
肝に銘じなければなりませんので、書きます、、。


たてかけられた材木の下で不安そうに中を眺めるおしん。
光石研扮する 定次  がおしんに、声をかける

おしんは、自分が学校に行って授業を覗いてしまったこと。
そして先生にはそのことは言わないで下さいとたのんだことを定次に話した。
  
「おれ、ただ、二度とこねえから誰にも言わねえでけろ、と謝ったのに。」
といって、泣きそうになるおしん。

材木問屋の茶の間では、松田先生と旦那様とおかみさんが話している。

「おしんが教室ば、覗いてたって、、あのおぼこがほだなことを、
 それはえらいご迷惑をおかけもうしましたがなっす。
 あのおぼこにはよおくいいきかせとくっす。」
おかみさんが、先生に頭を下げて話した。
 
「いや、私は何ももんくをいいにきたんではないっす。七歳といえば、就学年齢だす。
 そこんところをご理解いただいて、なんとかあの子を学校さあげてもらえるように。
 そこをお願いに、、。」
松田先生が二人に話した。

「おしんば学校さ?」

「小学校は、義務教育と国で決められてます。どだな家の子でも等しく教育を受ける、権利があります。
 又、保護者は、それを受けさせる義務があります。」
「でも、奉公人ば、、」

「いや、奉公人でも同じ日本の子でもです。そこをなんとかご理解いただいて。それにあの子には
 向学心があります。教室を覗いている目はただの好奇心ではない。私にはそれが一目でわかりました。」と、松田先生が話す。
おかみさんの横で、旦那様は、キセルをあやつって下を向いて二人の話をただ、聞いている。

「ん、でも、うちでも子守にきてもらってんだから肝心なときにいねえんでは、こまるんだなっす」

「子守しながらでもかまわねっす。私も家が農家で、下に弟や妹が大勢いてよぐ背中に背負って学校へ通ったもんだす、それでも授業はうけられました。そこんとこは私が何とかしますから。」

「なんぼ、義務教育だって言われても、ほだなこと、、。」

「そこんとこをなんとか、、せっかく向学心のある子どもをこのまま見殺しにするのは惜しくて、、。」

旦那様がキセルをたたいた。
今まで黙っていた旦那様が口を開いた。
「わかりました、」

「あんた、、。」と奥様。

奥様の声をきかず、松田先生の方を向いて、旦那様が話した。
「おしんにその気があって、先生が子守奉公を承知で、
おしんにもうちのたけしにも責任をもって面倒を見てくださるというのなら、
おまかせするっす。」

びっくりする奥様。
その奥さまに向かって
「どうせ、子守の間、遊んでるようなもんだ、何をしようとたいしてかわりはねえべ。」

「ほだな、ばかなことを、、」と奥様。
旦那様が続ける。
「うちであずかったおぼこだ、学校さ行く年になったら、学校さ行かせてやるのがうちの務めだ。」

松田先生は満面の笑顔で旦那様に向かって
「ほたら、、、」といった。



「おしんちゃん、」と若い衆が呼びに来た。
「おしんに何の用だ?」定次が聞いた。

「だんながよんでんだけど、みかけねべか?」

子守をしているおしんが、材木の陰で震えている。
定次がおしんのところにきて話しかける
「おしんちゃん、おらがついていってやるか?」

おしんは、
「ええ、おれが悪いんだから」

「黙って頭下げてろ、それが一番だ、わかってるな」と定次。

おしんは材木の陰から出て、旦那様たちのいる部屋に向かった。

「なんだ、学校さ遊びいったくらいで、かわいそうに。なんぼこさげたら、気が済むんだ!」
おしんの後ろ姿を見送りながら、定次がつぶやいた。

部屋には入るとおしんは、
「ごめんしてくらっさい。もう学校さ行かねえから、堪忍してくらっさい。」と頭を下げた。

旦那様が微笑みながら
「何言ってる、ほだなことで呼んだじゃねんだ。」

松田先生が
「旦那さんが、学校さあがってもいいっていってくれたんだぞ」と。
びっくりするおしん。
「明日から学校さ、こい、私が担任の松田だ。」
そういっておしんの肩に手を置いた。
「教科書は上級生が使ったおいてあるやつをもらっておいてやる、せきばんも石筆も用意してあるから
 なんも心配しなくていいんだぞ。」

きょとんとするおしんに旦那様が、
「先生の言うことをよおおく聞いで、しっかりと勉強しろよ」と話す。
見る間に、笑顔になるおしん。
旦那様の顔を見て、にこにこしてただただうなづくおしん。

おしんが外に走り出てきた。定次が大八車に藁を積んでいる。
定次をたたいて、振り向かせる。
「あんちゃん、おれ、がっこうさいくんだぞ、一年生だぞ!教室で勉強するんだぞ!」

「ごしゃがれたんではねえのか?」

「旦那様は優しい人だ、おれここさ、奉公きて、えがった。」
そういうと、おしんは、少しばかり高くなっているところに上って
「かあちゃーん、おら、学校さ、いくんだぞー」と大きな声で叫んだ。
そして走って奥の方に入っていった。


台所で、薪をくべるおしん。

「おれは反対だす。」つねの声だ。

振り向くおしん。

つねが大根を切っている。切りながら、
「子守しながら学校さ行くなんて、こだなことができる道理がねえでがっす。」
と奥様に話している。

「旦那がきめ出したんだ、言い出したらあとさひかねえお人だから」
と奥様がたけぼうをだっこしながら話す。

「おしんの仕事は子守だけではねえっす」と、つね。

「おれ、ちゃんと掃除も台所の手伝いもする。おしめ洗うのも、水切りも学校終わったらするから」
と、おしんが、つねと奥様の間に割って入った。

「生意気言うな!おめ、なんのためにここさ、きてんだ。学校などいくためでねえべ、
 奉公きてること、忘れたのか」

「おつねさん、もうやめろ!」
奥様がつねの暴言を制しした。

「わかったっす。どうしてもいくっていうんなら、昼飯は食わねえでいいんだな。」

「おつねさん!」

「んでねえがす。おしんは、奉公人の分際をこえたことをするんですうよ。しごとばおろそかにするんならめしぬくぐらいあたりまえのことだす。んでねえか?」

うなづくおしん。

「それでもいくっていうのか?」

「へえ」とおしん。

「ほだら、その覚悟があるんなら好きにしたらええ、、。」そういって水くみのたるをおしんに
渡すつね。
おしんの後ろ姿に向かって
「めんこくない、ひなこだこと、、」と吐き捨てるようにいうつね。

奥様
「つねさん、決まったことだ、気持ちよく出してやればええでねえか」
つね
「おれがあずかってるこだっす、旦那様にも奥様にも指図はうけねえっす。」

「おしんは、学校いけば遊んで楽できると思って、怠け根性からほだなこといってるだけでっす。
なんぼ旦那様がお優しくていい人だからってどだい奉公人ば、甘やかしたら「けじめ」っつうものが
つかねえだす。それにおしんのためにもならねっす。だから、だからおれはきびしくしてるんだっす。
おしんが憎くていじめてるんではねっす。」

奥様が困った顔をしてつねをみている。

井戸で水くみをするおしん。
「昼飯などくわねえでもええ。ほだらことでこたえるおれでねえんだから」

そういって水をもって台所に向かった。

次の朝、、。

おしんが子守の恰好で、学校に行く用意をしている。
奥様が「気いつけてな」と荷物を渡す。
その横で不愉快そうに見つめるつね。

「いってまいります。」
奥様に挨拶、そして、
帳場に座る旦那様にも挨拶、
定次のところにいくと
「あんちゃん、いってくるよ!」
そういって駆け出して行った。
仕事中の若い衆にも「いってまいります!」声をかけるおしん、
そのおしんの姿を驚いてみる若い衆たち。

学校で

先生がおしんを皆に紹介している。
「おしんちゃんは、えらい子供なんだぞ。子守をしながら勉強するんだ。
 だからいつも学校さ、赤ん坊せおってくるけど、みんな助けてやって、よく学び、
 よく遊ぶんだぞ」

「よろしくお願いします。赤ん坊は、たけしです、武ぼうのこともよろしくお願いします。」
おしんがあいさつをした。

「席は一番後ろだ。ここさ、御座しいといてやったから、おしめかえるときはここでやれ」
先生が指さした先には御座が敷かれていた。
松田先生がたけぼうをみて、
「めんこいかおして、ここさ、ねせといたらどうだ、このままじゃ重たいべ。」
おしん「いいっす、なぐといけねえから。」

席に座っていよいよ授業がはじまる。風呂敷から勉強道具を出すおしん。

5⁺6と黒板に書かれた。
「はい、この答えは、おしん!」
「へえ」
教室の皆が笑う
先生「学校でへぇはおかしいな、元気に「はい」と答えるんだぞ!」
おしん「はい!」
前にいって、答えをしようとするおしん。
お手玉を出し始めたとき、
「あ、やったー」とおしん。
松田先生は、「ん?どうした、大のほうか?」と。
急いで後ろに行き、坊を下ろそうとするおしん。
先生「先生が手伝ってやる」
おしん「おれの仕事だ、おれ、ほだなことはいつでもやってるから」
そういっておしめをかえようとしたそのとき、

「くっせー」と前に座る男の子が騒ぎ出した。
それを合図に教室中の子供たちが「くせーくせー」と騒ぎ出す。
「みんな、静かに!」
松田先生が皆に言うが、騒ぎはおさまらない。

おしんは、かえのおしめをかかえて急いで廊下に向かった。
廊下で、おしめをかえるおしん。
教室の声が聞こえる。
「5⁺6は、、」と先生
「11」と生徒たち。
その声に合わせておしんも廊下から「11」と叫ぶ。

一方、中川材木店の茶の間、、。
つねが機嫌悪く座っている
入口のほうをちらちらとみて、
「ごうじょっぱりめが!」とつぶやく。

おしんが川でおしめを洗っている。
菜の花が咲いているのでもう春なのだ。
家に戻り、今度は、おしめを干す。

定次がおしんの姿を目にとめる
「おめえ、昼飯くわしてもらってねえってほんとうか?」
振り返るおしん
「ほだらことしたら、体もたねえぞ」

「いいんだ、おれ、奉公人なのに、勝手な事させてもらってるから仕方ねえんだ」

「ほだなおもいまでしてがっこうさいきてえんだか?」
うなづくおしん。
「いいかげんにしろ!病気にでもなったらどうすんだ」
心配をする定次。


「おしん!奥様お昼おわられたぞ!」と、そこへ、つねの声。
おしん「はい!」
定次「おれが、おつねさん、頼んでやる」
おしん「あんちゃんはだまっててけろ。あんちゃんが、またこしゃがれる。おれ、こしゃがれるんだから
    おれ、がっこうさいけるんだったらどんなことでも辛抱する。それでいいんだから。」
複雑な顔をする定次。
「さ、子守りだ、子守りだ、 昼からも松田先生が字、おしえてくれるって。また、学校さ、いくんだ。」
そういうとおしめのかごをもって元気に走ってゆくおしん。

黒板に、50音がカタカナで書かれている。
それを、声を出して読むおしん。

松田先生が授業をしてくれているのだ。
「あ、い、う、え、お、か、き、く、け、こ。。
先生、寝たよ、たけぼう、子守り歌と、間違えてる。」
先生がたけぼうを見に来た、
眠っているたけぼうをみて、先生が笑った。
「はは、。よし、も一回やってみろ」
松田先生は、放課後、学科の遅れを取り戻すためにおしんを、学校へよんでくれた。
おしんは、いそいそとやってきては、懸命に学んだ。
それが終わると夕飯までの時間がおしんには長かった。
昼飯を抜いた空腹でおしんは、目が周りそうだった。
駄菓子屋の前にきたおしん。
ばっちゃんにもらった50践をみつめる。
何か買おうかとするが、店の人がきたら、逃げ出すおしん。

再び川に来たおしん。
ばっちゃんにもらった50践を、もう一度、みつめる。

「ばっちゃん、ばっちゃんが、大事に大事にしてたもの、腹へったからってつかったら、バチあたるものな、」
そういうと、おしんは、手にあった50践を巾着袋に戻した。

おしんは、気を取り直し、
川に立ち、今日習った50音を復唱した。
「あ、い、う、え、お、か、き、く、け、
こ、さ、し、す、せ、そ、、、、」

おしんの声が川辺に、響いていた。

※ 今回は大変複雑な感じです。
  松田先生が、中川材木店にきてしまったときにはおしんは、本当におびえてしまっていました。
  その怯えは、中川材木店の旦那様や奥様に怒られる以上に、勉強をのぞき見してしまったという
  ことに対して恥じているようでした。
  その恥からくるおびえのように見受けられました。

  以外にも旦那様が、OKを出してくださりました。キセルをぽんとたたいての演出はいかしています
  旦那様役は「平泉 成さん」です。
  発声が素晴らしいです。
  ただの旦那様ではなく、自分が裸一貫で作った材木店って感じの風情です。

  おつねさんは、相変わらずおしんに強くあたります。

  しかし、今回私はいろいろ気づきました。
  若かった私には見えなかったものが見えてきたのです。
  それは、小憎らしいと思っていたつねさんです。
  彼女は、よく「憎くていじめてるわけではねんだっす、」と言います。
  おしんのために言ってるようなことを言います。
  昔はそれさえもが言い訳のように思っていましたが、
  もしかすると、つねさんは、本当におしんのため、と思いこんでいたのかもしれません。
  それは、つねさんも奉公人だということです。
  彼女がここまで来るのに、もしかすると、相当の苦労があったのかもしれません。
  そしてそれに耐えて今の地位を築いた。
  おしんをしっかりさせて、一人前の奉公人にする、と本当に思っていたのかもしれません。
  つねさんは、「奉公人の分」とよくいいます、今の私達にはわかりませんが、奉公人が奉公人として
  生きていくためには、その「分」を守ることが奉公人としての最初のけじめと思っており、それを
  初めての奉公のおしんに無理やりにでも叩き込もうとしていたようです。
  
  奥様が無能だと思っていましたが、奥様も奥様なりに思案しています。
  おつねさんは、長く奉公にきてくれていて、自分も頼っている人です。
  奉公人といえども、一目おかねばなりません。
  ですから、つねさんがおしんに対して強い態度に出たとしても、つねさんをきつく
  叱ることはできないのです。
  奥様に代わって家事をしきっているのはつねさんだからです。

  それが、今回の奥様の表情に出ていました。
  「つねさん、やめろ!」とつねさんに言った後に、つねが、自分はおしんを一人前にしたいからだと
  ぶつぶつ言った後の表情です。

  光石研さん扮する「定次」は、おしんの身体を心配します。本当にいいあんちゃん役で、
  彼がいるとほっとします。
  
  奉公をしながら学校に行くいうのは、当時としては画期的なことだったのでしょう。
  松田先生の情熱もそうですが、旦那様の決断も嬉しい回でした。
  おしんが川で50音を、そらんじる姿は、胸に迫ります。私も頑張らねばと思わせてくれます。





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最終更新日  2019.09.05 09:20:39
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