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2018/07/15(日)04:52

水害・家屋修繕で起こる初期のこと。

常総市水害(138)

水害の被災地で起こる初期のこと。 2015年常総市水害の経験を元に書きます。 たとえ笑顔でいたとしても、無理をしています。 無理をしなければ、これらを乗り越えられません。 本心は、一部の人にしか言えません。 被災した方々の状況を想像していただき、心無い言動で被災地を苦しめる事のないように願います。 【泥棒が多発】 まず、詐欺や盗難が発生します。 避難所に居たくても心配で電気水道ガスが使えない 悪臭立ち込める家に父は寝泊まりしてました。 夜間、防犯用に小さい灯りを灯す家が増えます。 停電の為、夜は真っ暗闇。一目で在宅か不在か分かり、空き巣の餌食に。 車や重機の盗難も相次ぎます。 家屋修繕の詐欺も多発します。身元のよくわからない業者とは契約しないこと。 また募金詐欺も多発。 使用用途のはっきりしない募金は、被災地に本当に届くのか、なんの為の募金なのかよく考えてください。 支援金は、ボランティアさんなどの支援活動の資金としてつかわれるもの。 義援金は、被災した世帯主の口座に被害の大きさに応じて振り込まれるもの。 私の推薦は、義援金です。 しかし、募金を呼びかける側も「支援金・義援金」の区別がついていない事があります。 都道府県、市町村のHPで公開される 義援金振込口の口座へ直接振込をするのが確実。 【避難所】 プライベートは勿論ありません。体育館などの硬い床の上に、防災用の毛布を敷いて寝ますが、敷いているのか分からないくらいクッション性は皆無。身体が痛くなります。 また、食事も食中毒を防ぐ意味合いもあり避難所で生もの(生野菜・果物含む)などは暫く口にできません。 徐々に体調を崩す方が増え、咳をする方が多くなります。 家の泥だし(不衛生)→悪い睡眠環境→限られた食事 体力・精神・気力の持続は容易ではありません。 マスコミにも許可無くさらされます。 【埃・カビ・食中毒】 水害が運んできた泥が水が引き乾燥すると街全体が埃だらけになります。 作業中、休憩をとるのも食事するのもこの埃の中。 さらに、汚水・下水を含む水は、様々なカビを発生させます。白、緑、オレンジ、黒、斑点、もこもこ、ネバネバ…そして悪臭。 気温が高く暑くても、マスク着用は必須。 またあらゆる病原菌が潜み、傷口から破傷風にかかれば命の危険があるので素肌は露出禁止。 洗濯物は数カ月外に干せません。 そして、 頼みの綱の井戸水も被災した土地の水は飲んではいけません。常総市では井戸水からO-157が検出され暫く使えませんでした。 また、水道水が出るようになっても防災無線で処理がきちんとなされていないため「飲まないで」と警告されました。 掃除用の水としての使用になります。 【石灰】 殺菌のため石灰が行政で配られます。しかし、目に入ると大変なことから、子供たちは暫く外で遊ぶ事に制限が増えます。 【ゴミ】 街がゴミで溢れかえります。 水没した家具は殆どが使えなくなり棚など、特に合版でできたものは一見きれいになったと思っても、後からカビが生えてきます。 公園がゴミ捨て場になり、ガラス片なども散在する為、年単位で使えなくなることも。 道路にゴミが山積みになります。 また、ゴミを捨てるのに4時間待ちなど。 ゴミ捨て場として開放された場所に車列ができます。 ゴミ捨て場が解放されなくなると家の敷地内に貯めておくことになります。それらには当然のことながら泥・カビ・悪臭がついています。私の家の庭から水害のゴミが消えたのは水害発生から7カ月13日後です。不法投棄も残念ながらあり、田んぼや畑の復興の妨げになります。 【支援金・保証・期限との戦い】 激甚災害に指定されると行政からあらゆる支援が施されますが、それには期限があります。 家の掃除をしながら、説明会に参加し、修繕・復旧の為の見積書の要請・役場への提出、納税証明書や被害を把握する為の写真や領収書など、必要な書類も集めなければなりません。 掃除・手続き・自分の仕事とやるべき事が重なります。 行政の支援を受ける際にマイペースでの復興は叶いません。 早すぎても支援制度が適応されず損をし、遅すぎても支援制度が期限を迎え損をします。 建物の修繕に加え、家具一式の金額は相当なものです。 我が家は1階床上110cm浸水で再建費として200万7000円、市からお見舞金3万円が支給されました。(被害の度合い、建て替えか修繕かで金額は変わります。)プラス、皆様からの義援金で約15万円。(※常総市は忘れられた水害と言われ義援金の集まりが悪かったと言われています。) 実際にかかった再建の費用は節約してもこの約2.5倍。建物の保険に入っていなかったので自己負担です。 【騒音・振動】 重機・トラックが動き回り、特に建物を解体する際はストーブの地震感知器が作動するほど家が揺れます。 発生後1年以上はあちこちで発生するこの振動や騒音にも耐えなければなりません。 【家屋の修繕作業】 浸水した家屋は修繕する場合約2ヶ月、乾燥の期間が必要です。よって、別の住まいを確保するか、避難所や親戚を頼る事になり、自宅で家族揃って寝泊まりするには半年くらい先になる事も。 水害で被災した家屋の修繕は通常のリフォームと異なります。施工業者やボランティアがそれを知らない場合もあります。「洗浄・消毒・乾燥」を十分に行わないと、カビや臭いが収まらず再び壁や床を壊すことになります。 私も自宅の修繕で、何度も説明し「大丈夫だ!」「大丈夫じゃない!」と説得するのに時間と気を使いました。 水害の専門家の意見をしっかり身につけ、また行政の支援制度をしっかり活用し、自宅と財産を自分自身で守らなくてはなりません。 また、大変でも、家屋の施工をする際は数社に相見積もりをお願いします。業者によって、工程や金額は様々です。詐欺に騙されないためにも相見積もりをとり、比べて下さい。 そして、大工さんは中々つかまりません。待ちます。 冬場、工事が始まっておらず、1階の床・内壁・断熱材がなかった我が家は極寒でした。 新しい床の下地がついたのは被災から3カ月以上経った2015年12月15日です。 【被災地の経済】 外食すれば「不謹慎」と言われ、被害を免れた飲食店も経営が困難になります。 泥・カビなどの影響で風評被害もあります。 また、避難していたり、再建を諦め別の地域に移り住んだりと人口流出が起こります。 被災地に入るボランティアと支援物資とのバランスもあり、暫くの間、食事・消耗品・初期修繕などに関する経済が回らなくなります。 (※ボランティアが悪いわけではなく、引き際のタイミングが重要です。) しかし、徐々にテレビで報道されなくなり、人々の支援の関心が薄まれば、被災地の経済循環が復興の要となっていきます。 被災者の反対があっても購入できる店舗があるなら支援物資を打ち切らなければ、被災地の店舗は経営が成り立たなくなります。 だからこそ、被災者が受け取る義援金は街の再生にとても重要な役割を果たします。支援物資をもらうから買うに変更することで街の機能を取り戻します。 積極的に被災地の物産品購入、店舗利用などしてください。 2015年9月に被災した常総市で田植えが再開されたのは2017年4・5月です。 【心理】 ボランティアの格好をした泥棒も現れ、疑心暗鬼になります。良い人も悪い人も野次馬も街にやってきて警戒心が高まります。 だからこそ、きちんとボランティアセンターなどでの登録をしてからの活動をお願いします。 修繕にどのくらいお金がかかるのか見通しがつかないうちはとにかく節約。そして、不安が続きます。 泣く、笑うなどは人目を気にしたり、周りを思いやり控える傾向にあり、感情表現に不自由を感じます。 たとえ笑顔でいたとしても、無理をしています。 無理をしなければ、これらを乗り越えられません。 本心は、一部の人にしか言えません。 周りの人の感情に敏感になり、心労が溜まります。 涙も愚痴も、弱音も本音もひた隠し、耐えています。 被災した方も、被災しなかった近隣の方も 長い長い戦いになります。 被災した方々の状況を想像していただき、心無い言動で被災地を苦しめる事のないように願います。 復旧と自立的復興を目指した 長期的支援をお願いいたします。 【被災された方はこちらも参考に】 水害の備えと対策~避難から家屋修繕まで~ 被災者の方向けにまとめた記事です。 https://plaza.rakuten.co.jp/misaki0121/diary/201608240000/

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