団地模型化資料「建築設計資料集成1(1960年版)」
ネット上で公開されている団地資料、今回は「建築設計資料集成1(1960年版)」近年、旧い図書、文献等がデジタルアーカイブ化され、一般人でもネット上で閲覧できるようになってきている。デジタルアーカイブ化は著作権等の問題もあるため、古い文献が優先されているようだが、1950~60年代の建築関係の文献は団地の模型化や研究に大いに役に立つ。今回紹介するのは、日本建築学会図書館デジタルアーカイブスより、「建築設計資料集成」これは我が国における建築設計資料の集大成ともいうべきもので、当時の建築設計の実情を知るだけでなく、1940~50年代当時の生活様式や文化、娯楽の片鱗を見ることができる大変興味深い資料であり、私も含め建築に関係のない素人が見ても面白いものであろう。団地の資料として参考になるのはこの中から、「建築設計資料集成1(1960年版)」PDFデータは63MBもありかなり重いですが、それだけボリュームが大きく見応えがあります。団地の資料として参考になるのはこの中の「共同住宅」の項目。共同住宅のその設計について、計画から考えかた、国内や海外の事例に及ぶ平面資料、設備、工事費等々・・・専門的な部分が多いのですが、私Mishizawa的に注目したのは平面図集より129ページ20番のスターハウス。公団型の2DKや3DKの間取りと一緒に、名古屋市営住宅のスターハウスの平面図が載っている。角が丸くなったバルコニーを各ウィングの先端に配置する独特な設計は、すでに現存しない名古屋市営住宅初期?のスターハウスを今に伝えている。かつては千種区の自由が丘あたりにあったスターハウスはこのタイプと思われます。共同住宅の項目の他にも、デパートや病院、コンサートホール等の様々な建物の設計が良くわかり、特に建築模型や鉄道模型のストラクチャーの参考に、大いに活用できる資料としておすすめです。