C100カブ レストア記 ---ウレタンクリアーと組み立て前作業---
C100型スーパーカブのレストア。今回は塗装の最終工程、ウレタンクリアーの塗装と、組み立て前にやっておく作業です。まずは、ウレタンクリアー。原付といえども、耐候性や対ガソリン性、その他の塗膜強度を考えるとやはりウレタン塗装を行いたいものです。しかし、2液型のウレタン塗料は素人には手が出しにくく、コンプレッサーやハンドガン等の設備も必要となってきます。コンプレッサーやエアブラシは小型のものは持っているのですが、バイクの塗装を行うにはちょっと小さすぎます。そこで、今回は缶スプレー型のウレタン塗料、「エアーウレタン」を使用します。エアーウレタン。これは2液ウレタン塗料のスプレー缶です。値段は2000円前後と高価ですが、化学反応で塗膜を形成するためかなり強靭な仕上がりになります。また、ウレタン塗料自体は粘度が低いため、平滑性や艶に優れています。大きいホームセンターで取り扱っています。(ちなみに大きいホームセンターって、どのくらいの規模が大きいと言えるのか疑問ですね。個人的にはこのエアーウレタンを扱っているくらいの品揃えの規模が「大きい」基準だと思っています。)欠点としては、色数が少ないこと。エアーウレタンのラインナップには今回のレストアに使用したい色はありませんでした。そこで、塗装は自動車用のボデーペンで行った上に、ウレタンのクリアーを塗装して、ボデーペン部分を保護することにしました。また、この缶スプレー型ウレタン塗料は2液型なので使用を開始してから1日程度で固化してしまい、それ以降は使用できなくなってしまいます。塗りたいものをまとめて塗装すると良いでしょう。ちなみに、ソフト99のボデーペンにも同様のウレタンクリアーが出ており、こちらの方が入手し易いと思います。今回はこの「エアーウレタン」と「ボデーペン」のウレタンクリアーを1本ずつ使用しています。塗装するとき、小物パーツは一部を針金に掛けて持ち手を作り、ぶら下げて乾燥させました。充分に乾燥させないで触ってしまうと指紋が永遠に残ってしまうので注意。ラッカー塗料の乾燥の速さに慣れていると、このウレタンの乾燥がやけに長く感じます。また、基本的には乾燥後の塗り重ねは出来ないものと思った方が良いでしょう。今回も1発で塗る方法を取っています。ウレタンクリアーが乾燥したら、いよいよ楽しい組み立てです。・・・その前に、やっておくことがあります。塗装した後、そのまま組み立てに入ると不具合が生じるからです。ネジ穴のタップ立てを必ず行っておきましょう。塗料でネジ山が埋まってしまい、ネジが入りにくくなっているからです。特に電装系の部品が付くところはネジ穴がアースになっていることがあるので、ここが塗料で塞がっているとうまく機能しないことがあります。カギの付くメインスイッチや、ウィンカー部分等は特に注意が必要です。C100カブでは、リアフェンダー内側に配線が入る部分がプレスでトンネル状になっていますが、今回の車輌ではここの錆がひどく、元の配線が抜けなかったため切断してしまいました。新しい配線はこのトンネルに通すことができないため、フェンダーの内側に新たに配線を通す部分を取り付けます。今回使用したのは配線用のチューブ、汎用品です。これを元々のトンネルの上側にホットメルト系接着剤で固定します。チューブ自体は接着しにくい素材なので、接着剤をチューブを覆うように多めに塗って保持しています。配線を通すチューブには金属管を使用しても良いのですが、万が一走行中に外れた場合、タイヤに刺さってバーストする恐れがあるため、柔らかい樹脂製のチューブを使用しました。今回のレストア用に入手した新品の純正部品です。スーパーカブはC100型から現在まで基本設計が変わっていない部分が多く、現行のパーツがそのまま流用しやすいのが特長です。上からステムベアリング、各種グロメット類、そしてスタンド受けのゴムです。スタンド受け以外は現行車種からの流用です。今回はここまで、つづきはまた今度。 ←他の方の珍しい趣味のブログはこちらから