出産のご報告
今朝の札幌はよいお天気ですが、最低気温が10度を下回り、冷え込んでいます。街路樹も色づき始め、秋だなあという感じです。 以前、妊娠のご報告をして以来、こちらのブログでは妊娠中のことを書くことは控えていたのですが、先日、無事に出産をしましたので、ちょっとご報告です。先日、9月26日0時44分に無事、元気な女の子が生まれてきました。私は38週で突然、息子を亡くしているので(解剖はしておらず、はっきりした死因はわかりません)、主治医の先生の判断で、37週の正期産の時期に入ったら入院し、誘発分娩をすることになっていました。死産後の出産において、私のような状況(妊娠経過は順調)では、自然に陣痛がくるのを待つ場合が多いとは思います。自分としても、お腹の子を信じて、自然に分娩する方がよいのではないかという気持ちもありました。でも、どんなに少ない確率でも、特にリスクを抱えていなくても、臨月での死産が起こりうることを実体験しているだけに、出産時期が近づくにつれ、「また同じことが起きたら」という不安が強まりましたし、先生の判断にお任せして、管理分娩することにしてよかったと思います。実際には、入院後の内診の刺激だけで陣痛が始まったので(思ったより早かったね〜、経産婦さんだからね〜と言われました)、子宮口を開く処置や陣痛誘発剤を使うことなく、自然なお産になりました。分娩中も、お腹の子は盛んに動いていて、「お産の途中で何かあったら」という不安をもつ私たちに、「私は元気だよ〜」と教えてくれているようでした。入院中、新生児黄疸のため、NICUに1泊入院したりはありましたが、10月1日に母子共に退院でき、自宅での新しい生活が始まりました。 産後の体の大変さはありますが、ミルクを飲んで(母乳が足らず、追加しています)、満足げな顔でスヤスヤと眠る小さな娘を見ていると、とても幸せだなあと思います。一方で、亡くなった息子が元気に生まれていたら、こんな感じだったのかなあと思うと、改めて、息子をこの腕に抱くことができない悲しみ、寂しさがこみ上げてきて、泣けてくることもあります。産後のマタニティーブルーというわけではないのですが、感情の振れ幅がいつもより大きくなっているように感じます。死産後の妊娠・出産には、新しい命を授かった喜びと、新しい命を前にして蘇る、亡くなった子への想い・悲しみが混在して同居するという、複雑な心境があるのだなあと実感しています。新しい命を授かることは、とても大きな喜びをもたらしてくれますが、失った命への喪失感・悲しみを消し去ってくれるものではなく、やはり、十分に喪失の悲しみに向き合う時間・作業が必要なんだと思います。私自身は、息子の死をある程度受け止めた状態(息子が亡くなって1年が過ぎた時期でした)で、次の妊娠・出産に臨むことができたように感じているのですが、それでも時々、悲しみや不安、様々な気持ちで揺れることがありました(これからもあるのでしょう)。天使ママさんの多くは、次の妊娠に関して、なかなか授かれないと悩んで焦ったり、帝王切開後で時間を置かなくてはならなかったり、また同じ悲しみがあったらという不安でなかなか決心がつかなかったり、 色々と悩まれていることと思います。私の場合、「また同じ悲しみがあったら、自分が壊れずにいられるだろうか」という不安や、「上の子の世話をしながらの妊娠・出産そしてその後の育児をするだけの体力・気力があるだろうか」という不安があり、次の妊娠を望む決心をするまでには1年程の時間が必要でした。年齢のことがあり(現在39歳です)、躊躇している時間はあまりないことはわかっているのに、なかなか次に進めない自分に苛立つこともありました。でも、今振り返ってみると、私にとって、息子の死を受け止め、いるはずの息子がいないという現実に適応するためには、1年という時間は必要な時間だったんだと思います。苦しい日々を送っている天使ママさんにとって、 それぞれのペース、タイミングで、新しい命が舞い降りてきてくれるようにと、心から願っています。