☆たー☆のヒトリゴト

「じゃ、またな」



笑顔で手を振って別れた心友



誰一人としてそれが永遠の別れになるなんて思っていなかった。


もし知っていたら？
その先の歴史を知っていたらボクは彼に何を話していたのだろうか？
何を話していたのだろうか？


もう何も語りかけること無く20年の月日が流れて行く


あの時、ボクは葬儀に行けなかった。
心が痛くて悲しくて悔しくて信じる事を拒んでた。


皆が最後の別れをしている時
ボクは遠征中だった


随分と後悔をしたっけ...
ボクがどんな状況に陥っても決して変わること無く付き合ってくれた



心優しき友の死はボクの心に光と影を残したんだ。





「それって冗談だよー　あはは」


キミは心の底から笑っていた。
ボクも心の底から笑っていた。
その瞳の奥にあった悲しい影に気付く事が出来なくて...すまなかったな...



「また話聞いて下さいね」


笑顔で去って行ったキミの訃報を聞いたのはそれから4日後の事
バカやろうが...どうして電話してこなかったんだ





誰かが黄泉の国へ旅立つ時に生まれる光と影





いつまでも...
いつまでも...
残されたボクたちにまとわりつく光と影


消し去る事の出来ない現実


　


「死」というものはいずれ自分も身をもって経験する事
その先はどうなっているのか未知の世界








少し前の事、また悲しい現実を聞いたんだ。





そして深く深く考えた。
ボクは随分と疎遠になっていたけど
キミを知る者として何も出来なかった事
やっぱり...悔しくて悲しいよ。






今を生きているから...
それぞれがそれぞれの理由で苦しんでる


そう、それぞれの理由があるのだから
キミと他の人を同じ天秤に乗せる事は出来ないよね








だけど...死ぬ事に理由をつけたらダメだよ





悲しいけど...それって負けだよ
悔しいけど...それって逃げだよ



そんなんじゃ
ボクたちどうすればいいんだい？



精神的な苦痛からの解放
肉体的な苦痛からの解放
それはキミの命を無くしてしまう事。



もう、夢の中でしか会えない人たち


もどかしくて
懐かしくて
そこに残るのは空虚感



哀しみの海の中を泳ぐボクたち
見失ったキミの影を追う
見つかる事のないキミの影を追い泳いで生きて行く



考えるな
考え出したら溺れるぞ




身体中に警告を走らせろ




こうして生きていく
こうして悪夢と闘うのは今を生きているボクたち



みんな、自分勝手に命の期限を決めるなよ



神様でもないくせに
残酷な運命を招き入れるなよ





風が散らした花びらが1つ
清らかな小川の水面に落ちて流れて行く


その先はきっとキミがいる場所
ボクの手を小川の中へ入れて
キミの手を握れればいいのに


残されたボクたちはそんな思いに苛まれる
"救えなかった"とかそんな安っぽいコトバじゃ伝わる事のない思いにね







冬が始まった明け方4:30
ボクは精一杯腕をソラヘ伸ばした


風になったキミを感じたい
ボクはいつまでもキミの味方だと....そう伝えたくて腕を伸ばした






みんな、生きようよ。