カテゴリ:政治
◇ 家族が安心できる体制に
鳩山政権は介護保険制度の現状をどう考えているのか。高齢者政策を担う山井和則・厚生労働政務官(民主)に聞いた。 --介護保険が掲げた理念は実現したか。 ◆ 点数をつければ落第点ではないけれど60点。介護を社会が担い、要介護状態になっても在宅生活が送れるよう目指してきたが、まだまだ頼りない。理想は在宅か施設かを本人・家族が選べるようになること。在宅でも困った時には施設で預かってくれたり、夜でもヘルパーや看護師が自宅に来てくれるなど、家族が安心できる体制にしないといけない。 --特養の整備は進めるのか。 ◆ 06~08年度に整備された介護施設は8万人分。09~11年度はその3倍の速さで施設と高齢者住宅計24万人分を整備したい。要介護5や4で重度にもかかわらず在宅で特養入所を待つ人が約7万人。心中や虐待も多く、家族の負担は限界に来ている。最も切実な人のため早急に対応する。 --介護している家族への支援も必要で、手当を給付すべきだとの声もあるが。 ◆ 現時点では検討していない。限られた財源を投じるなら在宅サービス充実が先だ。 --札幌でまた、グループホームの火災が起きました。 ◆ 根本的な課題を抱えている。数は増えたが経営者や職員の質により差が開いている。ケアの水準を上げるためにも、介護報酬などで待遇改善を図れるかが課題だ。 --民主党はマニフェストで介護職員の賃金4万円アップをうたっているが、実現するのか。 ◆ 09年の介護報酬アップで9000円、介護職員処遇改善交付金で1万5000円が上がるはずで、あと1万6000円をどうするかだ。介護報酬で上げれば国民が払う保険料と自己負担にはねかえり、交付金でアップを図ると対象者が制限される。これから方法を検討したい。 毎日新聞 2010年3月23日 東京朝刊 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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