テーマ:日々自然観察(9772)
カテゴリ:四季折々の写日記
とくに花好きというわけではない。花を愛でる心が人一倍強いというわけでもない。でも、デジカメを入手してから撮り溜めたパソコンの中のフォトは、月ごとに花の写真が幅を利かせてきて、これはこれでまた迂闊に他人に覗かれては困るコレクションになりつつある(注:別のコレクションがあるとは言ってない)。もちろん男性が花の写真を撮ることは珍しくもなんともなく後ろめたいことでもないが、自らちょっと照れているところがある。なんせ、ほんの数年前は花なんて見向きもしなかったのだから。
なぜ花に注目するようになったかといえば、万葉集に始まる日本の文学は四季に密着した文化の上に成り立っており、そして四季は花に象徴されているんだなと気付いて(それまで気付いていなかった!?)、この発見により、末永く愛せる良いものを見つけるのには、日本に住み続ける限り、まず花を知らなくてはいけないと痛感したからである。きっかけなので理屈っぽいが。 注目しているうちに、写真写りの良さに喜んで、眺めているだけでいわゆる癒し効果のようなものを感じもし、やっぱり花は理屈抜きにいいもんだなと思いはじめた。 さて、「梅は百花の魁(さきがけ)」と言われると、雪中梅をイメージしてうむうむと頷いてしまうが、実際はそんなことはない。冬でもひっそりと咲いている花がある。目立つのがツバキ科。 さざんか さざんか 咲いた道 焚き火だ 焚き火だ 落葉焚き あーたろうか、あたろうよー 北風ぴぃぷぅ吹いている (♪『たき火』 作詞:巽 聖歌) 「ぴぃぷぅ」というフレーズが楽しくて、叫ぶに近いほど力をこめて唄っていた記憶がかすかにある。上の写真はサザンカではなくシンガシラ。サザンカは雌しべがオープンで、花弁の重なりが少なかった。(少なくとも私の見たものは) これに似ているのが寒ツバキ(カメリア)。私にはもう見分けられない。 シンガシラよりもいっそうバラっぽかったのが乙女椿。 この寒い冬のさなかのこの華やかさが、逆に寒々しい雰囲気を漂わせているようにも見える。 草花では、菜の花が一面の黄色になっていた。江戸時代は灯油の原料でもあったから、あちこちに菜の花畑があったとか。見渡す限りの菜種色の海に囲まれたらどんな気分になるのかな。 菜の花畠に 入日薄れ 見わたす山の端 霞ふかし 春風そよふく 空を見れば 夕月かかりて におい淡し 里わの火影も 森の色も 田中の小路を たどる人も 蛙のなくねも かねの音も さながら霞める 朧月夜 (♪『朧月夜』 作詞:高野辰之) しかし、まだまだ寒い。毎晩冷え込みが厳しい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.02.21 18:38:22
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