カテゴリ:自然を表現する文
百のうち北海道からは九つの山が選ばれています。
今回はトムラウシと十勝岳。次回に帆尻岳と後方羊蹄山の予定です。 (行頭'・'で始まる行が、『日本百名山』から抜書きした山の表現です) /\/\/\[トムラウシ]/\/\/\ トムラウシは北海道第二の高峰で2141m。トムラウシに戸村牛という字を当てることもあるようですが、元はアイヌの山の名で「水垢の多い川」の意味だそうです。 ・トムラウシにかかると石のゴロゴロした登りになり、やっと達したその頂上は、大きな岩の積み重なりであった。 ・山稜の方へ広い原を登っていくと、あたり一面、白、赤、黄、紫の高山植物の褥であった。あちこちに雪の溶けた池があり、その原が果てしなく拡がっている。この雄大、この開豁、こんなおおらかな風景は内地では求められない。 開豁(かいかつ)は「前が広く ひらけていて、眺めがよい様子」。 大阪南東部の山から淡路島や岡山まで十分に見渡せますから、気象条件さえよければ視界は相当遠方まで届くものですね。「快晴だったら富士山まで見える」というのは思いがけないところ(奈良の山とか)でもよく聞きます。空気が綺麗だとさらに見通しがきくことでしょう。一望して「内地では求められない」と言うところに、北海道の桁違いの雄大さが感じられます。 /\/\/\[十勝岳]/\/\/\ 2000m級の峰が連なる十勝連峰の主峰で標高は2077m。今も噴煙を上げている活火山です。内田良平氏の写真も、山頂一帯は草木一つない黒土ばかりの荒涼とした景観がひろがっています。よく緑の地球といいますが、緑は寄生している自然で、planet地球の本当の姿はこういうもの、文字通り地色ではないかと思います。 ・尾根といっても高原のように伸びやかである。 ・どちらの道を辿るにせよ、十勝は生きている火山という強い印象を与えられる。火口壁の残骸のボロボロの岩尾根や、一木一草もない黒ずんだ砂礫のザクザクした斜面や、噴火の猛威のあとがまだなまなましく残っている。 砂礫は「されき」または「しゃれき」と読み、砂と小石が混じったもの。こういう斜面は靴が横滑りしやすく、登るのも降りるのも倍疲れます。 関係ないですが、「十勝連峰」を「十勝連邦」と書く誤字がウェブ上で数箇所見受けられました。そんなところに国があったのか、あははと笑ってたら、本当に「十勝連邦共和国」とかもあるみたい。なはは、と笑うしかない。^^; お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.04.26 00:56:59
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