875606 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

misty247

misty247

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2006.09.25
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
 藤が見事だと聞く春日大社の横手から奥へと進めば、若草山の入り口についた。150円。ここは有料の山である。有料といえば二上山も200円だったと思うが、何度か登っているのに払った記憶がない。囲っているわけでもなく、どこで払うのか分からないからである。薄野が美しい曽爾高原も有料だったか。行ったことはないが。
 山に入れば、まず手入れの行き届いた芝生が一面に広がるのを見る。働き者の庭師は鹿である。脇の木段から登ると、土手に飛び交うトンボが空を一筋ずつ見えぬ秋色に塗り重ね、草地に踏み入ればバッタが地にも秋を縫い合わせんと無数に跳ねた。
 暑くも寒くもない心地よいときである。
 若草山は3段の階段状の山である。一の重、二の重、山頂を三の重と呼んでいる。一の重まで来た。ところどころ草地の中に、門松のように薄の穂が束になって立っている。ここからでも古の奈良の都が存分に見渡せる。
 三の重の山頂まで来ると、史跡鶯塚古墳があった。この辺りにも鹿がたくさんいた。

奈良_若草山の鹿

 写真では殆ど判別不能だが、中央右寄りの大きな三角屋根は東大寺大仏殿である。国立博物館や県庁の建物も目立っている。奈良公園の緑が眼下に広い。
 342mの高さだが深山とは違った爽快な気分が味わえる山である。夜景を眺めてみたいところだが閉門があるのでそれは無理だ。
 ここでは角の立派な牡鹿が何匹かいた。秋が深まると鹿の発情期になって、気の荒くなった牡鹿が角で人を突かないように、角は全部切ってしまうのだ。毎年その始まりは闘牛にも似たショーの形で公開されている。小学生かその頃、見に行った記憶がある。
 おっちゃんが投げ縄で逃げ惑う鹿を捕らえて、数人がかりで押さえ込み、ノコギリで角を根元からゴリゴリとやって、その場で切り落としてしまうのである。角を失って開放された鹿は、押さえ込まれて一時は死を観念させられるほど追い込まれたが、突然放たれて結局何だったのかと逃げながらも半ばきょとんとしたふうなのが印象的だった。
 角のところは痛くないのと親に聞いたような気がする。その答えは忘れてしまった。 <終>





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006.09.29 01:49:08
コメント(0) | コメントを書く


PR

Calendar

Profile

misty247

misty247

Freepage List

Keyword Search

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.