カテゴリ:自然を表現する文
/\/\/\[乗鞍岳]/\/\/\
乗鞍岳は穂高と御嶽の間にあり、標高は3026mです。 ・乗鞍は北アルプスに入れられているが、遠くから眺めると、北アルプスの連嶺とは独立した形で御嶽と並んで立っている。そして御嶽の重厚に対して、乗鞍には颯爽とした感じがある。 うるはしみ見し乗鞍は遠くして一目といへどながくほこらむ これは長塚節の歌だが、全く、乗鞍の姿を一ぺん見た人は、その山を忘れることが出来ないだろう。 長塚節(ながつか たかし)は正岡子規門下の歌人・小説家。3歳にして百人一首を暗誦していたとか。青空文庫に作品が多数収録されていて、その中『長塚節歌集 下』に上一首を含む「乘鞍岳を憶ふ」14首がありました。 ・戦後、頂上まで登山バスの通じたことは一つの驚異であった。街を歩く恰好で三千米の雲の上を散歩出来ようとは、誰が予想しただろう。しかし自動車道路がついたために、その道路から外れた所は却って寂れて、本当に山の好きな者に静かな場所を残してくれることになった。 地図で見ると「乗鞍スカイライン」という道が横断しています。マイカーは入れないそうです。 /\/\/\[御嶽]/\/\/\ 乗鞍岳の南に周囲から孤立して並ぶ峰々を総称した山の名前が「御嶽(おんたけ)」で、最高は剣ヶ峰の3063m、継母岳2867m、摩利支天山2959m、継子岳2859mからなります。 ・普通御嶽は日本アルプスの中に入れられるが、この山は別格である。そういうカテゴリーからはみ出している。北だの、南だのと、アルプスは混みあっているね、そんな仲間入りは御免だよ、といいたげに悠然と孤立している。 たしかにこのヴォリュームのある山は、それだけで一王国を形成している。一個の山として、これだけ図体の大きい存在も稀である。 死火山とされていましたが1979年に突如噴煙を上げました。焼岳をアルプスで唯一の活火山とここでも書き写して紹介しましたが、執筆後に変わったことになります。 ・すべて古くから畏敬されたものには、それに滲透すればするほど、別の新しい発見や鮮やかな驚きがあるものだが、御嶽の偉大さもそれに似ている。この山の無尽蔵ぶりは、まだ大部分がアンカットの厖大な書物のようなものである。その分厚な小口を見ながら、これからゆっくり読んでいく楽しい期待がある。どのページを切っても、他のどの本にも書いていないことが見つかるだろう。そんな山である。 北アルプスの稜線は、私の白山登山の思い出にあります。穂高、乗鞍、御嶽と三つの山塊が雲を距てて並んでいました。そのときは御嶽が一番濃く高く厳つく見えました。下の写真は白山の室堂付近から見えた御嶽です。 ▲白山から見た御嶽山 /\/\/\/\/\/\/\/\/\ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.01.18 02:08:49
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