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misty247

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2007.06.05
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カテゴリ:私の歩いた山と道
 長時間の山歩きをする場合は、正午に一度のランチを摂るスタイルではなく、一定時間毎に少しずつ補給するのが良いそうだ。汗で失われる塩分とエネルギーに変換しやすい糖質に富み、かつ痛みにくいものが良い。これら条件を満たし、食べやすく持ち運びしやすく、どこでも安く買えるもの、ということで最近の私の補給食は5連の薄皮アンパンになることが多い。
 水場で喉を潤しアンパン一つを食べた。沢音が耳に涼しい。

 駒鳥小屋から次に目指すユートピア小屋へ向かうには、地獄谷という広い河原を通る。これまでの緑に包まれた森林地帯と打って変わって広々とした谷道になった。標高以上の姿に映る大山東壁を向かう先に眺めながら、大小混じる岩の合間を走る清水を幾度も踏み渡り、或いは両手をついて岩に這い登り、時に一旦引き返して落差のない道を選り直し、谷筋の奥へと歩を進めた。


大山_地獄谷
▲深く広い地獄谷。東壁の景観よし。


 烏ヶ山の影を抜けると、夏日の下、白い岩の照り返しで体は暑い。歩いていると谷道が二股に分かれた。何の標もない。『はて?』
 よくわからないままに正面の道を進むと、これまた暫くして4mほどの直瀑に行く手を阻まれた。どこかに巻き道が?と周囲を観察したが、踏み跡もテープも見つからない。よく見ると滝の横にトラロープが、とドコぞの山の谷道みたいなこともなく、完全な行き止まりである。
 地図を出して『あっ!』となった。駒鳥小屋から少し先で登山コースは地獄谷から逸れていた。この広い谷道を最後まで詰めるものと勝手に思い込んでいたのだ。失敗。
 北側への分岐に注意しながら逆戻り。今度は無事に振子沢への分岐点を見つけた。

 森林地帯を抜け標高を上げていくと、周囲はやがて灌木帯になり、ついには草地に挟まれた見通しのよい谷道となった。一箇所、手押し車に乗せて運べるほどの雪の塊があった。他で雪を見なかったから、もしかしたらあれが大山の今年最後の雪だったのかも知れない。

 やがて道は谷から尾根へ直登するような斜度をとりだした。きつい登りの代償は東壁のスカイラインが間近に迫ることである。
 振子山の山腹に赤い花が目立つ。ダイセンミツバツツジであろうか。誘導灯のように並ぶイワカガミを足元に見て、さらに登る。稜線に出れば日本海が綺麗に見えるに違いない。 <つづく>


大山_東壁
▲イワカガミに導かれて高き所へ






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Last updated  2007.06.08 18:46:15
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