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misty247

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2007.07.21
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カテゴリ:私の歩いた山と道
 上田市丸子町を出たときは14時をまわっていたので、焼山沢登山口に着いたときは15時だった。美ヶ原まで6KMという案内標識を左に見て入山した。
 焼山沢は美ヶ原の北を走る道(R62)から登るコースである。山と渓谷社の本にこう紹介されていた。


北側からの焼山沢コースは本書の中でも最も優れた登山道といっていい。清冽な渓流、緑したたる樹林帯、落差の大きな不動滝(焼山滝)、苔に覆われた源流地など変化に富んだ、それなのに人影のない自然いっぱいのコースなのである。


 そうまで絶賛されている焼山沢登山道であるのに、百名山を網羅する山地図『山と高原地図 (旺文社)』では焼山沢に登山道のラインは引かれていない。なぜか? 思うにこれは、「いくら焼山沢が美しかろうが、渓流の美しさを誇る類似の沢コースは全国に多々ある。アスピーテ式火山の地形が作る広大な高原こそが美ヶ原であり、これを他所にした美ヶ原の美しさを紹介するのはいかがなものか。美ヶ原は美ヶ原らしく歩けよ」というメッセージの表れではないだろうか。
 だとしたら、王ガ頭から茶臼山を経て三峰山へ縦走だ。最も美ヶ原らしいコースといっていいだろう。銀嶺連ねる八ヶ岳を観て! ガイドブックの写真に見た八ヶ岳は素晴らしいの一語に尽きた。しかし今は盛夏、銀嶺は望めない。
 夏はやはり日差しを遮る木立が欲しい。陰のない伊吹山に登って日焼けして、腕の皮膚はボロボロだった。結局、何度も渓流で顔を洗える魅力に惹かれ焼山沢から登ることにしたのだ。
 能書きはさておき――。

 岩間に飛沫を散らす道、苔敷き詰めた緑の道、滝の轟きはまだ空耳かと登っていくと、「トガの親木」の案内板の立つ所に出た。樹齢推定約四百年、樹まわり約3.8m。トガは栂(ツガ)の異称。3分の寄り道で木を見ていく。樹林帯のなか巨きな幹が立っていた。葉は陽光を遮って緑濃く空に拡がり、地の周囲にはオシダ科のソテツが緑を噴き上げて、辺りは噴水のプロムナードさながらであった。 <つづく>

美ヶ原_トガの親木
▲トガの親木






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Last updated  2007.08.12 15:29:36
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