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なにを持って走るかは、当日の天候や体調も考慮にいれて最終決定しなければならないので、毎年の悩みである。
今年は、雨や防寒の用意を省けた。「下山用にスパッツ・防塵マスクを用意するとよい」とよく書かれてあるが、なくてもなんとかなる。あってもどうせ小石はシューズの中に入る。軽いから持っても負担にならないけど、重さよりかさの問題で、ひとまわり大きいサイズのポーチをつけるかどうかである。
私は、350ml缶がひとつ入るぐらいの容量をもつ小さなウエストポーチを着けて、そのなかに、
・財布(札\8000と車の鍵、浅草観音の御守り)
・500円硬貨3枚
・ポケットティッシュ3袋
・塩分チャージタブレット6個
を前の小さい方のポッケへ。大きい方のポッケに
・デジカメ
・パックのゼリー飲料(180ml)1つ
・同じくアルミパックのバームゼリー(100ml程)1つ
を持った。
スタート時にアンパン2個を食べた。私は餡子の腹もちが良いようで、これと体内に蓄えている脂肪、手持ちのゼリー飲料をあわせれば、少なくとも、4時間半におよぶの強度の運動を持続してもハンガーノックに陥らないだろう。
私の不安は食べ物より水分だ。汗かきなのである。飲料はエイドをあてにするつもりである。持ち物の500円硬貨3枚というのは、それでも渇きをおぼえた場合に、山小屋でさっと500mlの飲料を買うための用意である。実際この用意は役立って、ほとんどのエイドで補給してはいたが7合目あたりで喉の渇きを感じてアクエリアス500ml1本を買った。500円なので硬貨1枚で素早く買えた。
浅草観音の御守りはラン友が完走を願って持たせてくれたもの。
塩分チャージタブレットは痙攣対策である。エイドでは水ではなくポカリを取るようにしていたが、5合目から上になると水しかなかったような気がする。よってこれも役立った。1時間ごとに1個を目安に口に入れた。
パックのゼリーは体調が悪くなってリタイアしたときの回復用である。しかし、好調を確信できた場合は、ただの重りにしておかず、積極的に使ってエネルギー補給にあてるつもりだ。中途半端に体調が優れないときのみ、最後まで未使用となるだろう。幸い好調で8合目手前あたりで使った。
デジカメを持つのはやめようかとちょっと考えた。少しの軽量化と集中力の向上になる。
いつもデジカメを持つのは、このブログでの大会の紹介が一番の目的である。私が走り始めたころ、これはどんな大会なんだろうと検索したとき、どんな大会でも誰かがレポートを書いてくれていて、とてもありがたかった。なかでもコースの写真を載せてくれているレポートは、まさに百聞は一見にしかずで、興味深く拝読できた。その先達に倣い、私も参加大会を写真付きで紹介することにこだわっている。もちろん撮った写真は自分のよい思い出にもなっている。
TTのレースであってもデジカメを持って走りながら撮っているのは自分でもどうかと思うが、入賞を争うところから遠くにいる凡な走者である私が撮影によって数秒タイムロスしたところで何事も変わらない。それよりかは、数秒ロスがあったとしても、大会の内容をより密に伝えられる方を私は選びたい。
結局、デジカメは持っていくことにした。山頂にゴールできたら記念撮影もしたいし。しかし、デジカメを持つのを迷うほどに、今回は完走狙いに真剣なのである。
▲大きなリュックがトレードマークのばななさん
私が小さなポーチに大きな悩みを詰め込んで走っている前を、『な、なんじゃ、そりゃ!?』と誰もが目を引く格好で駆けるのは、『ランニングマガジン・クリール』でトレイル通信を連載されている吉本さん。大きなリュックがトレードマークのトレイル界では有名な方である。サイト「ヤマヤマ~」では沢山のトレラン・コンテンツが読める。
馬返しを1時間9分で通過。
1:07が完走率50%のボーダーラインという。大丈夫か? 不安に思ってもすでに精一杯。車のように『遅れ気味だからアクセルをもっと踏んで』とはいかない。でも、この暑さで雨の去年と同じなのでよしとしよう。
ここから山道。可能な限り小走り。少しでも小走り。窪みは中央突破。5合目までは、歩きの中に走りを混ぜるのではなく、走りの間に歩きを混ぜているつもりで。
5合目手前の道が狭くなるところで少し渋滞した。しかし去年の渋滞よりかはずっとましだった。
そうそう、必携の持ち物をひとつ。それは『焦りを感じるのはみんな同じ』と渋滞を平静にやり過ごせる心の余裕である。
富士吉田市へのお願い。
ここの道、もう少し広げられないでしょうか?
皆でアンケートに書こう!
▲5合目手前の渋滞
5合目を2時間11分(馬→5/1:01)で通過。
標高は2250m。つづらの砂礫道が延々と上まで続き、あたりは森林限界というより工事現場のようで、悲しいまでに殺風景である。富士が登る山ではなく眺める山だといわれるゆえんである。
一般登山者のなかには外国の方が多くみられた。私なら、海外から来る人に、こんなつまらない山道をすすめはしない。まぁ、富士山だからここを登るのもいいけど、ここだけ登って、日本の山はこんな感じなのかと思ってほしくない。先週、白山の素晴らしい道を歩いたあとだけに、強くそう思った。
ときおり頬に感じられる程度に風が吹いた。気温もさがってきたし、風はほってった肌に心地よかった。
これからが勝負。
全区間、そう言ってないかって?
いかにも。最初から最後まで気を緩められないってことだ。そのスピリッツを、課せられるのではなく、内から発するまでになったとき、完走が叶う……はず。 <つづく>
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Last updated
2010.07.27 20:31:34
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