テーマ:山登りは楽しい(12246)
カテゴリ:私の歩いた山と道
10月3日、中央アルプスの西側から、南駒ヶ岳と越百山(こすもやま)に登った。
名古屋から中央道に入り中津川ICで降りる。国道19号線を走って、JR線の須原という駅のある地で右へ逸れる。伊奈川ダムへと続く林道を奥まで走ったところが今朝沢(けさざわ)登山口で、50台近く置ける無料の駐車スペースがある。 関西からもっともアクセスのよいアルプスかもしれない。 登山口から林道を3kmほどいくと「福栃平(ふくとちだいら)」という場所で、ここが北沢尾根と遠見尾根の分岐点になる。山と高原地図(旺文社)では、北沢尾根は難路(破線)で示され、かつ数箇所に[危]と[迷]のマークが付されていたから、北沢尾根を登りルートにしての周回コースをプランした。 <カシミール3Dにて作成> もう日も短いので、夜明け前に出発した。ライトが不要になる5時半ぐらいに、林道から山道に移るぐらいを目指して。 5:40に単管で組まれた北沢尾根の取りつきに到着。南駒ヶ岳山頂まで5時間半と書かれてあった。 笹は刈り込まれて、朝露で膝下が濡れることはなかった。道も明瞭で途中迷う分岐もなく、堅牢な標識が1時間おきぐらいには表れて、安心させてくれた。笹次第なのかもしれないが、破線から実線に格上げされてもよい登山道だった。 高度をあげるとシャクナゲが目立つようになり、6:50、「標高1850m見晴台」と書かれた標識の立つ場所についた。周りの樹木が茂って、ここからの展望はなかった。よくあることだ。 もう少し登ると、木々の高さが低くなり、展望がきくようになった。右手側には、中央アルプスの主稜線が見えていた。しかしこの日の天候はすぐれず、遠方は曇り空に霞んで真っ白。それでも北西方向には、裾を引く御嶽山北側が見えていた。紅葉が思ったよりすすんでいて、紅い広葉樹が花のように目を引いた。 ▲後方の山影は御嶽山 少し伸びすぎて登山道を塞ぎつつある匐松を、掻き分けて進む匐松漕ぎの道になった。強引に押し分けて進んでいくと、ときどきまっすぐに枝が足に突き当たって、痛い目にあう。松葉の水滴がズボンに移って、やがてべったりと濡れてくる。やっかいな道である。 10時、2841mの南駒ヶ岳山頂に到着。 いつ雨に降られるかわからない天候だったので、ここで昼食。 そのあと稜線を南下して、越百山へと向かった。 ▲南駒ヶ岳から仙涯嶺へ この稜線で、越百山から空木岳へと向かう2パーティとすれ違った。天候がいまひとつだったせいか、結局この日出会ったのは、この2パーティのみ。秋の色合いに似合った、とても静かな山歩きだった。 東側は、流れる雲の合間に南アルプスが見え隠れしていて、奥に聳える富士がときどき見えた。流れる雲も、谷間に漂う雲も見あきず、曇りの山歩きの刻々と変化する景色は、静止画ではなく動画の注意力を引いた。 湿り気のある風に包まれるとき、下からみれば私は雲の中の人だ。 ▲曇りながらも見えた南アルプスの稜線と富士山 ▲南駒ヶ岳から仙涯嶺へ 13:20、2613mの越百山山頂に到着。 ここから稜線を離れて遠見尾根を下山。赤い屋根の目立つ越百小屋を通り抜けて、少し登り返したあとは、ひたすら下る。 樹林のなかの道なので展望はなく、その点では北沢尾根の方がよかった。ただし、こちらの尾根道には水場が二か所あるので、遠見尾根→北沢尾根と周るコースにすれば水を担ぎあげる負担を減らせるだろう。夏はその方が良いかもしれない。 おいしい水をたっぷり飲んだ。 16:30、福栃平まで下山。明るいうちに戻ってくれた。あとの1時間弱は林道歩きなので安心だ。 ここで雨がぱらぱらと降ってきた。こんな天候の日に、意外にも素晴らしい紅葉と展望を楽しめた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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