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misty247

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2012.10.19
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 コース脇に木製プレートが挿してあり、ランナーひとりひとりへのメッセージが書かれてあった。村岡らしいハートフルサービスのひとつ。
 「初村岡を楽しんで!」「はい♪」

 残り20キロで先が見えた、と安堵するも束の間、この20キロはいつもの20キロじゃないなと分かった。次の5キロまでがやけに長かった。体感的にはスタートからフルの距離を走るまでより、ラスト20キロの方が長かった。
 フルマラソンでもスタートして5キロまではあっという間なのに、40キロを超えてからの2.2キロのほうがずっと長く感じられたりする、それと同じか。一桁スケールが違うけど。

 時計が壊れたため時間・ペース不明で走っていたが、後日、写真の記録から部分的なラップタイムが分かった。あのときもカメラのタイムを見ればよかったのだ、とあとから気付いた。
 何時間もボケっとただ走っているんだから、それぐらいのこと気付けよ、と思われるかもしれないが、走っている最中はあまり頭がまわっていない。脚に酸素をまわすから、頭は酸素が足りなくて働かないのだろう。
 ダイビングをする者は、水中で思考力が鈍ることを教わる。実際に暗算する速度で検証もされている。おそらくランニングも同じ。既にランニング雑誌で検証されているかも。

 16時44分。スタートした村岡小学校のグラウンドに戻ってきた。雨の中、ゴールする各ランナーにテープを張ってくれていた。普通なら運営委員が『雨で大変だから、今回はもういいよ』とスタッフを気遣ってテープ張りはやめになってもおかしくないところである。そうならずテープがあるのは、運営委員もスタッフも、ランナーのためにやってあげたい、という気持ちがあるからに違いない。

 11時間44分でゴールした。初100、初村岡完走!
 荒天覚悟で開催を決めた運営本部の一大英断と、それに応えた全てのスタッフと町の方々に、ただ感謝。今回はもうそれに尽きる。

 前半45キロはキロ6分でいき、トータルでほぼキロ7分だったということは、後半は半分近くキロ8分だったということ。高低差グラフから見て取れる後半のきつさを差し引いても、キロ2分増は余計にかかりすぎだ。
 いままで富士登山競走だけを念頭においてトレーニングしてきたので、4時間半が限度の持久力しかないのだ。前半45キロを頑張った、というより最初の4時間半だけ頑張れた、という方が正しい。いま持てる持久力から「4時間半だけの」という制限を取っ払って、村岡100キロに耐えられる持久力をつけたい。目標はサブ11だ。そして村岡でサブ11を達成したらUTMFへ。

 気になることがひとつある。「初ウルトラのゴールは感動するよ~」と聞かされていた。でも、いつもとそう変わらなかった。『ゲートが見えた。あぁ、やっとゴールだ。写真を撮っているだろうから両手をあげよう。これだけは忘れず守っているんだ。よしっ、3m手前。ハイッ!』とゴールしたら、次は『おっ、完走タオルをかけてくれるのか。どうせなら若くて綺麗な娘がいいなぁ。どっちのほうへフラフラしていったらいいのかな。悟られないように自然にいかねば』 そしてその奥で、計測チップを外してくれるサービスがあって『おぉ、至れりつくせりだな。これも間違っても野郎ではなく、綺麗な娘がいいなぁ。どっちのほうへヨロヨロしていったらいいのかな。手の空いてる娘はどこに』というような流れになって、完走の喜びに浸る間がどこにもない。思考を手放して感情に身を委ねることができずにいる。心の奥底では完走できて当然だと自信を持ちすぎている。
 ゴールして、なぜ感動できないのか? 100キロの持久力なんかよりも、人生においてもっと大切な何かが、自分には欠けているのかもしれない。 <終>

20120930村岡4





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Last updated  2012.10.19 20:01:39
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