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2005/08/27(土)01:48

ボブ・ディラン自伝を買ってきた

書籍(13)

近くの本屋に行ってみたら、たまたま「ボブ・ディラン自伝」(菅野 ヘッケル訳 ソフトバンクパブリッシング)が置いてあったので どうせ高いだろうと思って立ち読みでもしようと思ったら、1800円 だったので、迷わず購入したのだった。 えらく音楽本にしては安い。さすがソフトバンクなどと思って パラパラ中身を見ていたら。安い理由が何となくわかった。 この本註がないのだ。 洋楽を扱った翻訳本の場合。大体訳注が付いている事が多い。 中には私の持っている「ミステリー・トレイン」など、訳注 やレコード紹介だけでかなりのページ数のある本なども存在 するのだけど、この本には見事に何もない。 そのうえこの本。驚くほど固有名詞が羅列される。 本当に多い。これほど固有名詞の多い自伝なんて読んだこと ない。(しかし『自伝』というより、本当にこの本は『Chronicles』 というタイトルがふさわしい)幻泉館さんの所でかなり詳しく 一部の固有名詞について解説してくれているの本当に助かります。 という事は、かなりのディランファンか、アメリカ文化に詳しい 人ではないと読みこなせないかといえば、決してそうでもない。 勿論その固有名詞についての知識がないと意味がよくわからない 部分もあるのだけど、内容自体はその時々の記録、エピソード 評論、思いつき、夢想、着想、などなどとにかくとりとめのない 記述。ただ散漫にならずに、まるでエッセーを読んでいるように 頭の中に入ってくる。とにかく面白い。 私は'80年代洋楽がメインなので、当然その時期が一番興味 深い。「オー・マーシー」('88)の時期について一章書いてある。 まだ全部読んでいないけど、このアルバムのギターはメイソン ラフナーだったんだね。この本読むまで恥ずかしながら知りません でした。このアルバムについては発売当時グリール・マーカス (この本にも登場している)が酷評したのが影響したのか 2、3曲しかいまだに聴いた事ないのだけど、確かにこのアルバム 以降ディランの歌い方は変化がない。 大体この本ブルース・リーだとか探偵マイク・ハマーまで登場する。 しかし訳注をつけたら本文なみの長さになっただろうな。 しかしちゃんと続編も日本で出るのかな。近頃音楽本なんて 本当に邦訳が出ない状況なので、これが少し心配だ。

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