あるサヴァン症候群の男のお話 70
昨日から我が家のお風呂がリフォーム中で入れません。そこで、近所の温泉に行ったら、暖まり方が段違い。おかげでぐっすり眠れました。今日も暖まってきましたから、今晩も熟睡できるかな。温泉は偉大だ。続きです。佐藤美奈子さんと神坂一郎君のカップル、一郎君は確かにおかしなところもありましたが、人もうらやむ仲の良い二人でもあったのです。付き合って2週間目、フェアレディーZで湘南デートをしたことがありました。この時、一郎君の横浜の独身寮から、美奈子さんの金町のマンションまで迎えに行って、房総方向ならともかく、湘南だとまた戻ってきたうえに通り過ぎ、例によって送って行くと更にまた戻ってになりますし、横浜は待ち合わせがしにくいので、川崎で、しかも、駅ではなく、市役所前待ち合わせでデートしたのです。美奈子さん、明日はデートだと眠れなくなって見事に寝過ごして、しかも川崎近辺の土地勘もありませんから、市役所の場所は教えてもらっていましたが、30分遅刻しました。一郎君は、人を待たせるのは嫌でしたから、デートする時は常に5分から15分前には着いて待っていました。この時は車でしたから、20分前には着いていましたから、1時間近く待ったことになります。でも彼、待たされることには大変寛容でしたから、慌てず騒がずじっと待って、笑顔で迎えましたから、美奈子さん、それだけで幸せな気分になりました。二人は、まず鎌倉に行きました。北鎌倉に駐車して、源氏山から銭洗い弁天やら鶴ケ丘八幡宮をぐるっと回ってきたのですが、楽しくハイキングデートしていましたから、そのあたりはごく普通の恋人たちでしたし、少なくとも美奈子さんにとっては、人生最高のデートだったのです。その後、茅ケ崎から大磯あたりまで海岸をドライブして、夜になりましたから洒落たレストランに入って食事をして帰ってきたのですが、美奈子さん、一郎君を試したくなって、大磯の海岸で、走って逃げたのです。まだ結ばれていない時でしたし、暗くなってきたからハグぐらいはしてくれるかなと期待していたのに微妙な距離を保ったままでしたから、そーっと距離を取ってから走って逃げてみたのですが、一郎君、一瞬遅れたものの、砂浜なのに凄いスピードで追いかけてきてあっという間につかまってしまいました。抱きしめられて安心した美奈子さんでしたが、一郎君にとっては、優佳さんの失敗は二度とはしない意味もあったのです。美奈子さん、一郎君はスポーツもできるという噂を聞いて、京大卒だから頭がいいのは当然だけど、スポーツまでできるのは嘘だと思っていたのですが、砂浜なのに普通のグラウンド並みのスピードで走ってきましたから、少なくとも走るのは凄く速いなと感心しつつ、捕まった時には抱きしめられた格好になって、幸せでした。笑えるのがその後で、レストランに入って向かって彼の顔を見つめていたら、突然鼻血が出て止まらなくなったのです。トイレに駆け込んで、トイレットペーパーを大量に消費して抑えたのですが、鼻血ブーなんて漫画があったことを思い出してしまうと、不審者に思われそうですが、トイレの中でしばらく笑いが止まりませんでした。一郎君は、突然トイレに駆け込んだ美奈子さんを心配していましたが、彼女が正直に、「鼻血が出てしばらく止まりませんでした。」と伝えると、心配しながらも笑っていました。例によって、金町まで送って一郎君が横浜に戻ったら午前1時でしたが、そんなところは、ごく普通の恋人ごっこもできた二人だったわけです。続く。画像は、トラ、シマちゃんたちの父親と思われる雄猫フクフクです。本当にふっくらと太っていますからフクフクと名付けたのですが、餌だけ食べにくるものの、子供たちと違ってつかまりませんから、餌付けだけしています。