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レムリアからの転生旅行者

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神坂俊一郎

神坂俊一郎

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Jun 6, 2020
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カテゴリ:人生について

緊急事態宣言は解消されたものの、この先出勤や仕事がどうなっていくのか、はっきりしない面もまだ多々あります。
それより、プライベートではとんでもない大事件が起こったり、いろいろありました。
それは、別編で触れています。
さて、続きです。

一郎君、19時集合と言われれば15分前には行くのですが、今回の集合場所、彼には全く縁のない大阪の迎賓館の異名をとる某高級ホテルでしたから、30分前に行って、ホテルの中を歩き回ってみました。
高級ブティックのような店や、高級そうなパン屋さんもあって、なかなか楽しいなと思いつつ、15分前にはそのウェイティングバーの前に移動しました。
某ラジオ番組で、ウェイティングバーなるものがあることは知っていましたが、実物を見るのは初めてでしたから、中に入らずにしばらく観察していましたら、背後で挨拶しているような声が聞こえました。
振り向くと、美紀子さんが、上品な紳士と挨拶しているところでした。
それは良かったのですが、一郎君、彼女の服装に唖然としました。
血迷ってドレスで来られても、何とか失礼のない程度の服装に、と用意はしてきたつもりだったのですが、そのまさかそのもので、結婚式でもこれほどの格好はしないのではないかと思う豪華な緑のイブニングドレス姿だったのです。
ただ、彼が本当に驚いたのは豪華なドレスではなく、彼女の肉体の方だったのです。
18年前の彼女は、健康的な美女でした。
それが、眼前の彼女は、見る影もなくやせ衰えていたのです。
一目瞭然、死の危険を感じさせる姿だったのです。
一郎君、必要と判断したら内心の動きを全く表情にも仕草にも出しませんが、彼女の父親が自分に頼んだ理由を理解しました。
これは恐らく、私でなければ対処不能だと。いや、私でもどこまで延命できるか、の危機だろうと。

美紀子さんが挨拶していたのは、何とこのホテルの先代の支配人で、一郎君にも紹介したのですが、彼女の素振りから大変親しい関係であることが想像できました。
となると、この高級ホテルを日常的に使っているわけで、彼女の仕事は一体何だろうと言う疑問も湧きました。
とりあえず、元支配人と別れて予約してあると言うウェイティングバーに向かうことになりましたが、電話の時と同じく妙に嬉しそうな美紀子さんとは対照的に、一郎君は、黙って考えていました。
どう接するべきかが第一でしたが、一郎君は、教育部門で10年間にわたってメンタルトレーニングからカウンセリングまで務めた経験がありましたから、逆にこう割り切りました。
臨機応変、出たとこ勝負だが、受け身に徹すると。
彼、拒食症のような心身症にも造詣が深かったので、「〇〇しなさい。」とか、「〇〇しちゃだめじゃないの。」とか、「〇〇するものじゃないの。」と言った命令や否定の決めつけの言葉を禁句にしました。
つまり、ひたすら聞き役に徹することにしたのです。
これは、自分の得意の話題に引き込んで行く普段の彼からは考えられないことだったのですが、とにかく美紀子さんのためにはそれが最善の策と判断し、徹底したのです。
そんな彼の内心を知ってか知らずか、美紀子さん、ハイになってしゃべりまくりました。
まず、彼女の最初の言葉が、「私、自分の家庭を破壊したの。」でしたから、家庭を何とか守ってきた自分の話は下手にできないと、一郎君、更に慎重になりました。
その後は、もういつ死んでも良いから怖いものなぞ何もないとばかり、カミングアウトを通り越して、彼女のカミングアウトし放題になったのです。
そんなこんなで、ウェイティングバーを45分で切り上げ、高層階の高級フレンチレストランに場を替えてからも、その後2時間にわたってひたすら彼女の話を聞き続けたのです。
とはいえ、彼女も一郎君のことを知りたがりましたから、妻と子供3人の話はせざるを得なくなりました。
何せ、相手は掛け値なしにIQ200オーバーの超天才ですから、下手なごまかしは効きません。
会話と言うよりも、言葉による真剣勝負のようなやりとりながら、美紀子さんは、知的好奇心を満たす相手としては絶好ですから、一郎君も彼女から知識を引き出すとともに、それに絡めて彼女の心の中に溜まっているものを吐き出させることで、彼女の生きる気力を呼び覚まそうと考えたわけです。
超天才相手に頭脳と知識だけでは分が悪いので、変則的に霊感やら幻視能力まで駆使して煙に巻きながら相手をしている内に彼女も落ち着いてきて、彼が今は亡き父に頼まれて会いに来たことに気付きました。
良かったのは、美紀子さんは常識だけの知識人ではなく、世の中不思議なこともいっぱいあることを理解していた真の知識人でしたから、むしろ一郎君のそんな側面を見ることができたことは彼女にとって喜びだったのです。
正直に、「私、余命一か月と言われているのよ。でも、神坂君が会いに来てくれたから、もう少し生きてみようかしら。」と白状したのは許せますが、その後に禁じ手を堂々と使うのも彼女流なのです。
嘘ではなかったのですが、「私は、あなたが好きだった。恋したのはあなただけ。憧れていたわ。」と続いたかと思えば、「あなたも、恋したのは私だけよ。」とまで言い出しました。
確かに、18年前の状況を考えるに、間違いとは言えなかったのですが、一郎君にとっての美紀子さんは、唯一無二のツインソウルでしたが、最高の友人ではあっても、恋人にも伴侶にもふさわしくない相手だったのです。
ですから、酔っ払った彼女に抱きつかれた時、快感ではありましたが、それ以上の欲望は湧かなかったのです。
それでも、美紀子さんの言葉は嘘ではないなと思えたのは、一郎君、深い関係になったのは妻となった美奈子さんだけでしたし、逆に彼女は最初から「妻になる女性」であって、恋人ではなかったからです。
どぎまぎしながら、一郎君も正直に返しました。
「私も、あなたが好きでしたよ。でも、結婚する運命にはなかった。あなたは、私のツインソウルですが、結ばれるソウルメイトではなく、私にとっての結ばれるソウルメイトは、今の妻だったわけです。」
すると、美紀子さん、納得しつつ厳しく返しました。
「名家の摩耶家の娘として、好きな相手と結婚できる状況でなかったのは理解しています。でも、私が恋したのはあなただけだし、あなたが恋したのは私だけよ。」
その後、哲学や宗教の話題も出たのですが、いずれも大変高度な知識に基づくものでしたから、一郎君としては、本当に真剣勝負の会話でした。
おまけとして、彼女が持っている一流ソムリエを凌ぐほどのワインに関する知識にも触れることができましたから、一郎君にとっても実り多い再会でした。
しかし、1本1万円のワインを含めて一人3万円の食事(当然一郎君が払いました。)は、普段質素倹約を旨とする一郎君にとっては、生涯最高の贅沢でした。
ただ、美紀子さん、ここでもまた堂々と言い切りました。
「今夜の食事、まともに注文したら一人10万では済まないわ。私の顔で、3万にしてくれたのよ。」
確かに、最初からメニューも見ないで注文しまくっていましたから、これも本当だなと一郎君納得しました。

食事を終え、マンションの前まで彼女を送ってから、一郎君、美奈子さんに電話しました。
そして、美紀子さんと3万円の食事をしたことを正直に話し、それ以上の埋め合わせをすると約束しました。
現実派の美奈子さんらしく、埋め合わせは高級な食事ではなく、6万円のピンクトルマリンの指輪になりました。

偶然だったのですが、2日後が美紀子さんの誕生日だったのです。
こうなると、何らかのプレゼントは必要だなと思いましたが、プレゼントは完全に想定外でした。
でも、逆に彼女には想定外でないと喜ばれないとも思いました。
そこで彼、自分がしていたトルマリンのブレスレットを封筒に入れて、彼女の部屋の郵便受けに入れてきました。
「ハッピーバースデー トゥ ユー 美しく年輪を重ねられんことを。」との言葉を添えて。
一郎君、そんなことをするような男ではないのですが、デートした時に彼女がそのブレスレットを欲しそうに見ていたことも知っていましたから、素直に差し出したのです。

翌朝、美紀子さん、大喜びしてお礼の電話をかけてきました。
このブレスレット、一郎君と美紀子さん、というよりも、美紀子さんの命を象徴するものとなったのです。

続く。

画像は、今我が家の庭で咲き誇っているキウイとブラックベリーとユズの花です。

今年は微妙に季節がずれており、この3種類しか咲いていないため、ミツバチやクマンバチが羽音を立てて蜜を吸いに来ています。












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Last updated  Aug 7, 2023 10:01:05 PM
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Yoko@ Re:ヤマトタケル異聞1(09/21) ずうずうしくリクエストをしたYokoです。 …
Yoko@ Re:ヤマトタケル?2(04/19) 21日のご返信に気が付かず、ご返信せずに…
神坂俊一郎@ Re[1]:ヤマトタケル?2(04/19) YOKOさんへ アメーバブログも確認したら全…
神坂俊一郎@ Re[1]:ヤマトタケル?2(04/19) YOKOさんへ 既に発見されたかも知れません…

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