愛と恋との中間あたりで

もっとずっと一緒にいられたら
といつも想う
どんなに一緒にいたって
満足なんかできやしないのに
そこでいつも少しだけ
黙ってしまう自分の弱さが哀しい
言葉を探してるあいだに
想いは十分に伝わってしまうから
私の寂しさも弱さも
あなたの優しさも困惑も
互いに苦しいほど感じられる
あとちょっとのところで
想いは言葉になる勇気を放棄せざるをえなくなる
言葉にできずに黙ってしまい
あとには小さな苦笑いが残される

いつも
無言であなたに想いを強要してしまって
ごめんなさい
言葉にしなくてはいけないときに
私は言葉を見失う
想いの強さゆえになおさらに

言葉にしないことは
時にあなたを私の心の土壌に無理矢理引き込むことになる
そしてぎりぎりまで追いつめて
私の想いを真上から被せて頷くことしかあなたに残さない
そんなつもりはなくても
とても卑怯な行為だよね

もっと
想いを言葉にすることを
躊躇わずにできたらいいのにと
いつも思うよ

あなたを想うこの心を
中へ中へと押し遣っても
伝わってしまうことに変わりはない
それならば
言葉にして軽くしてあげたいと
今では思う

いつも少しだけ
黙ってしまう自分の弱さが哀しい
言葉を探してるあいだに
想いは十分に伝わってしまうから
私の寂しさも弱さも
あなたの優しさも困惑も
互いに苦しいほど感じられる
あとちょっとのところで
想いは言葉になる勇気を放棄せざるをえなくなる
言葉にできずに黙ってしまい
あとには小さな苦笑いが残される

＊＊＊＊＊

あなたに近づく努力をしなくても
私はあなたと共にある気がする

＊＊＊＊＊

私の考えてることが
全部空気に沁みて
あの人に届けばいい

そうしたら
私がどんなふうにあの人を想っているかが
あの人に伝わるだろうから

こんなふうに好きでいることを知ったら
あの人はきっと
私をもっともっと好きになるはずなのに
もっともっと愛しく
大切に感じるにきまってる

＊＊＊＊＊

こんなにいい関係は
きっともうないから
私に決めちゃいなさいよ

そう云えたら
ちょっとはラクになるかしら

＊＊＊＊＊

そっぽを向いて眠るのは
睡眠を享受するため
精神的に満たされた行為のあとで
肉体的に満たされた行為のあとで
個の眠りは
愛情によって許されるべき
個の普遍的欲求

＊＊＊＊＊

この心が求め
この心が許し
この心が苦しみ
この心が愛し
この心が目覚め
この心が眠り
この心が涙し
この心が笑い
この心が探り
この心が触れ
この心が呼び
この心が頷き
この心が見つめ
この心が手放し
この心が歌い
この心が歓び
この心が満たされ
この心が濡れ
この心が乾き
この心が生き
この心が生まれ
この心が描き
この心がなぞり
この心が守り
この心が漂い
この心が嘆き
この心が溺れ
この心が騒ぎ
この心が充ち
この心が漕ぎ
この心が知り
この心が実り
この心が全て

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心が泡立つ恋を

苦しくて
考えるだけで
刹那くなる恋を

夜が長くて
このまま一生闇のなかに
身を置いていなくてはならないような
そんな錯覚を覚えるほどの恋を

触れたくて
いまにも勝手に動き出しそうな躰を
どうにか抑えて平静を装っている
苦しみに裂かれそうな恋を

＊＊＊＊＊

あなたの顔や
あなたの膝に
触れている私の手
あなたは
私の焦がれるほどの想いを知りながら
ＴＶのなかの声に
耳を傾けている
それがとても好き
片手間で私の心に触れたりしない
私は私で
あなたがＴＶの声に心も耳も傾けていることを
知りながら
わざと触れる
けしてそれ以上互いが混ざり合わない
瞬間に
私の心が全てあなただけを向いていること
私は微笑みほどの優しさで
あなたの存在を包み込む