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≪私のなかの野生≫。
タイトルに騙されてはいけない。 “親知らず”のことを、そう表現する友人がいる。 しかも「私は野生を1本だけ残したの」と自慢するのだ。 あまりにアホらしいのだが、 彼女らしい説得力なので、以降、私も自分の“親知らず”をそう呼んでいる。 ところで 「ネオリさんは歯が綺麗だよねー」 と云ってくれる人が多くて嬉しいが、 これは実はマガイ物の歯である。 その昔、矯正をしたので綺麗でなくては困る。 なんせ金がかかっているのだ。 芸能人にもなれず、玉の輿にも乗れず、ミス○○になるでなし…シクシク…。 (↑なりたかったのか?) 一体あのお金は…。 そしてあの痛みは…。 経験のある人はわかると思うが、矯正は痛い。痛いなんてモンじゃない。 しかしあの痛みを忘れられない以上(もう経験したくない)、 とうとう私にも≪野生≫に別れを告げなくてはならない時がやってきた。 顎が小さいわりに歯(=骨)が立派だから、ガタガタに永久歯が生えたわけで、 せっかく矯正したのに、ここで≪野生≫を野放しにすることは人道的、 いや、金銭的に許されることではない。 意を決して歯医者へGO!! ≪私のなかの野生≫は、どうやら本物だったらしい。 「こりゃだめだね」 歯医者さんのマスクにくぐもった声がした。 うっすらと眼を開け、視界に映ったものに愕然。 ト、トンカチーーーー? そして、ペンチだー?! おいおい、マジですか。 そんなに≪私のなかの野生≫は手に負えないのか? 確かに好き放題させてきたが…。 なんて思い出を辿っていると、 顎と云わず、全身に鈍い音が響いた。 痛い・・・。 痛すぎる・・・。 トンカチとカンヌキのようなペンチで親知らずを抜かれいてる私は、 もう≪野生≫どころの騒ぎではない。 ≪私のなかの野生≫だなんてほざいてゴメンなさいーーー!! もう云いませんから、許してーーーーー!!! ギャーーーーー ・・・・・・・・・ かくして、30分以上の時間をかけて ≪私のなかの野生≫を手放したのであった。 これでもう、私の野生は消えてしまったのね・・・。 牙を抜かれた豹か虎のようにして、 これからは静かに生きていくしか、私には道はないのね。 シクシク・・・。 泣きながら暮らしていた私に、 先日虫歯の治療で訪れた歯医者さんがひと言。 「あー、上の“親知らず”抜かないとダメだねー」 そうだった・・・。 抜いたのは歯並びが特に酷かった下の“親知らず”だけだった! どうりで・・・。 ***** 『尊敬の念をこめて』。 別に呪いの念をこめているわけではありません。 私の両親は教員です。 父は現在、小学校の先生ですが、以前は高校の音楽教員もしていたことがあります。 そして母は、声楽で舞台に立つ傍ら、ピアノの個人レッスンを行っていました。 二人とも「先生」です。 なので、この小説はノンフィクションではないにしろ、 日ごろ伝えられない ≪子から親≫への気持ちでもあります。 ***** 今日は、腹痛で悩まされた一日で、 けっこう元気のない声で仕事してました。 でも普段がガサツなので、 まあ可愛らしい感じだったかな♪ (↑自分で云うな!) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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