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以前、鼻を骨折したことを書いた。
小説コメントとして載せたのだが、 今日はその詳細である。 (↑なんだもうネタ切れか?) 明後日から待ちに待った修学旅行! という五月のある晴れた日常。 女子の体育の授業は、三年の一学期が始まって以来の ≪ハードル≫である。 きちんとした跳び方をマスターした運動の苦手な私としては、 高跳びについでようやく、≪ハードル≫競争が得意種目になりつつあった。 (↑体重が軽かった時なので…自分で書いてて何故か哀しひ) 「30分からテストするからそれまで練習しとけよー!」 と担任でもある体育の先生が叫ぶ。 ちなみに女性である。二児の母である。 学級目標を≪愛しあってるかーい≫に認め、 本来であれば「さようなら」である終礼の挨拶で、 先生「愛しあってる、かーい」 生徒「いえーーーーーーーーい」 と叫ばせてしまう、学校で一番ステキな先生。 たぶん札幌市内、いや日本で一番であろう。 話を戻す。 「アヤ、飛べるようになったか?」 先生に声をかけられ、 「はい♪ 完全マスターだから、見ててね」 (↑すでに調子に乗っている) 「おぅわかった」 私は親友と並んで、 (↑この先生のクラスになって親友ができた。今でも、親友である) スタートラインにつく。 ハードルの数は全部で10本。 別に大会に出場しているわけではないので、 スタート態勢はフツウに直立前傾である。 1本、2本、加速をつけながら、 基本姿勢を意識しつつ跳ぶ。 並んで跳んでいる親友を少しずつリードし始め、 あとひとつでゴール!!!!!! その瞬間である。 後ろ足になっている左足が、たぶん、バーに引っかかった。 (↑たぶんじゃないから、転ぶのである) そこからは全てがスローモーション。 「あ・・・・・」 両手を前方に伸ばしたままの視界に、 グラウンドの土が近づき、その一粒一粒までクローズアップ! そのまま顔から無事着陸、フィニッシュ! 「10点、10点、10点、10点、10点! ネオリ、 本大会初、史上初の最高得点で金メダルだーーーーー!! ニッポン優勝ーーーーーー!!!!!!」 まさに、史上初である。 念のため断っておくが、着地点では眼を閉じた。 そのくらい私にもできる。 自分のなかでの沈黙が終わり、 「いったーーー」 と直撃した鼻を押さえると血が出ていた。 しかしどうやら、いわゆる≪鼻血≫とは異なる場所から出ていた。 「?」 手を離した私の顔を見るなり、結局私に負けた親友が (↑まだ云うか) 「アヤ、鼻折れてるよ」 がびーーーーん。 ……云われるが速いか、 私の鼻が、ドラえもんのビッグライトを当てられたように、 グン、グン、グゥワン、グゥワワンと膨れ上がっていくのがわかった。 本当に、ビッグライトの映像そのものである。 これは冗談ではない。 こ、これが骨折というものなのか…痛い。痛すぎる。 その後、形成外科に連行されてレントゲンを撮った。 「あーほらココここ。ここ、複雑骨折ね。いやーぱっくり♪」 ぱっくり♪ ってあんた医者だろ。 なに呑気なこと云ってんだよ。 こっちは明後日から修学旅行に行けるかどうかの 瀬戸際に立たされてるんだ。もっとちゃんと説明してくれ! (↑これもどうかと思われる) 私「あのー」 医者「なに?」 私「明後日から修学旅行なんですが、行けますか」 半分泣き出しそうになりながら、痛みなんかどうでもよかった。 もう本当にそれだけで頭はいっぱいだったのである。 医者「え、行くの?」 もっと他に心配することがあるだろう、という表情だった。 (↑そりゃそうである) 結局、無事に修学旅行に参加したのであるが、 鼻を骨折したのだから、当然、 眼と鼻の周り半径10センチ以内は全て青あざでいっぱい。 添え木をする必要はなかったものの、 気休め程度の眼帯でその痛々しさを誤魔化せるはずはない。 アルバムはできれば見ないほうがいいのである。 ちなみに、形成外科から学校に戻った終礼時、 事件を嗅ぎつけた生徒たちが… 「ネオリのやつ、砲丸の玉、顔に落としたらしいぜ」 「鼻の骨折だけですんだらしい」 おいおい… それじゃ骨折じゃ済まんだろ、顔面陥没である。 (↑授業で砲丸をやっていたのは男子であった) 後日、 「アヤ、スーパーマンみたいだったよ」 と爆笑しながら云う親友に、 私は返答ができないのであった。 ***** 『テツジ』。 私は、 あなたとの距離をうまくとれなくなることが怖かった。 同じように接することはできないくせに、 何かが変わることも、 何も変わらないことも厭でたまらない。 これがこの小説の全てであり、 私の作品のなかに登場する女性の多くに共通する部分。 そうやって、 自分の変わらないところや 変わっていくところを つぶさに見つめ、感じることが 恋愛であり、愛すること。 ***** トラウマとなってハードルであったが、 高校の体育でもやはり登場…。 なんとか克服し、体育は3(五段階評価)でパス。 もう二度と、跳ぶ必要がないことを祈るばかりである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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