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ポンコツ兼業主婦の思いつくまま

コゾウ出産中~後編

「ワレワレハ、ユウコウノタメニヤッテキマシタ」



●宇宙人がやってきた
一方、真夜中の廊下でぽつんと1人待っていたダンナだが、ワタシより先にコゾウと対面。
「それがねぇ、真っ暗の廊下の向こうから煌々と灯りのついた保育器がやってくるのが
見えて、思わず『う、宇宙人だ!』と思ったよ」と後に語っておりました。
ワタシはそのころ麻酔の夢の中…。


うっすら麻酔が覚めると回復室のベッド。ダンナが「出てきたよ~。女の子。1360gだった」
と教えてくれた。う~ん、最終推定体重1600gを大きく下回ったなぁ、と思いながら
とりあえず生きて出てきてくれたことにホッとする。
…と、なんだか腰の下が生暖かい。「おねしょした?!」と思うまもなく、自分の脈に合わせて
ドボッドボッと下半身から出血しているのに気づく。みるみる間にベッドでお風呂に浸かっているような
感覚だ。わわわわ…看護士さんが慌てて医師を呼びに行く。ダンナはあっという間に外へ追いやられた。
しましまんず・池山、再び登場。(考えてみたらこの先生、寝てないよね。ホント大変な仕事だ)
出血は止まりつつあると判断したようだが、子宮内にたまっている出血を全部出してしまわないと
再開腹手術になってしまうのでちょっと頑張ってね、と言われ、何を頑張るのだ?と思うまもなく
今、切ったばかりの腹の上に馬乗りになってぎゅうぎゅう押したのだった…。

ええ、痛いですよ。はぁ。
イダイ~!!もぉええ~~~!!と絶叫したそうですから(ダンナ証言)。
しかし何でこんな時に大阪弁なんでしょうね、ワタシ。
結局、出血量は1500cc超。通常、1000ccを越えると輸血します。妊婦の場合、血液量が多いので
1500ccがリミット。ギリギリでしたね。
ワタシは貧血知らずの体質で、妊娠中も貧血だけは引っかかったことがなかったので、これは幸いしました。
それでもしばらくは手や顔の皮膚が黄色かったなぁ。あ、白目も。


●生後1日 体重1306g
術後はそんなバタバタもありつつ、NICUのコゾウはそんなこと知ったことかとグーグー寝ていたようです。
ワタシもさすがの出血量とその後の発熱で歩くことは難しく、車椅子に乗ってNICUへ面会に。
コゾウは鼻からチューブ(ミルク)、腕には点滴、足には酸素飽和度測定装置、胸には心電図モニター、
保育器内には酸素、とフル装備状態。抱っこしようにもチューブでこんがらがりそうな状態だったが
本人はちょこちょこモゾモゾして意外に元気そうだった。確かに身体はガリガリに痩せていて、
肩から背中にかけて毛がモウモウと生えていたりして、客観的に見れば「ヤバそう」な外観だったんだけど
「可愛えぇ~~」と思えるところがホルモン・マジック(笑)
のちにNICUママたちに聞くと「初めて会ったときは小さくてチューブだらけだし、痛々しくて
泣けて仕方がなかった」とみんな言ってたんだけど、このときのワタシは何故か「良かった、大丈夫だ!」と
意味もなく確信していた。何の根拠もなく。今、思い出してもちょっと不思議。。。

そしてこの日は術後一日目なのでまだ絶食…。もう何時間ワタシはごはんを食べてないんでしょうか(泣)。


●生後2日 体重1314g
コゾウ、経鼻チューブが取れ、ミルクを経口摂取開始。保育器内の酸素も中止。
ワタシ、術後の出血から来る子宮内膜炎症で発熱続く。あ、やっと重湯食べました(笑)
ダンナ、出生届・乳児医療証申請・未熟児医療受給申請に奔走。


●生後3日 体重1306g
コゾウ、ミルク増量10ml/回。
ワタシ、熱下がらず。
ダンナ、…何してたんだろう(記憶にない)


●生後4日 体重1308g
発熱しながらも搾乳を続けていた甲斐あり、やっと母乳が出始める。もちろん直接与えることは
出来ないので、哺乳瓶に絞ってためる。しかし乳腺開通は痛いね…助産士さんが捻りあげたときは
「何しやがんだ!!」と思ったわ。
入院している母たちは3時間おきに呼ばれて、授乳室で授乳する。しかしココはいろいろそれぞれの
事情がある患者さんが多く、ワタシのように子どもは保育器にいる人はみな搾乳している。
また、母の方に疾患があり母乳を与えられない人も多く、そういう人はミルクを与えていた。
普通に授乳している人がとても少ない。


●生後5日 体重1318g
コゾウ、点滴も中止。どんどん身軽になっている。哺乳量が18ml/回まで増え、搾乳が追いつかん!
今日は初・風呂だったらしい。元気そうでなにより。
ワタシは子宮内発育遅延(IUGR)の原因を探るための検査をさまざま受ける。しましまんず・池山の
説明によると、産後の胎盤を調べると半分以上が石灰化して壊死していたそうで、IUGRの直接の原因は
コレだったようだ。しかし「なぜ胎盤が壊死したのか」という疑問には答えがなく、それを調べるために
検査を受けることになった。各種片っ端から調べるため、採血されまくり…。


●生後6日 体重1370g
病室は4人部屋で、ワタシの隣のベッドの人は子宮ガン治療中だった(最初に陣痛室で唸ってたヒト(笑))。
前のベッドの人は不妊治療が実って双子を授かるも片一方が途中で亡くなり、そのままキープしていたが
(その方が胎内は無菌で安全なんだそうだ)、早産になり8カ月で出産に。もう1人はネフローゼの原疾患があり
投薬治療をしながらの妊娠・出産。みんな色々だ。
前に卵巣嚢腫で入院したときは、同年代の友達がたくさんできて、今でもとても親しくつきあっているのだけど
ほとんどが不妊治療中の人だった。その時も、いろいろ考えてしまったけど、
今回も「なんでも『当たり前』なことなんて、ない」とつくづく思う。毎日が幸運で偶然の連続なんだな。


●生後7日 体重1398g
コゾウも順調なせいか、検査の連発。心臓をはじめとする内臓・呼吸器の検査。未熟児網膜症の検査。
それから大事なのは染色体異常の有無を調べる検査。これは結果が出るまで時間がかかる。
なかなか気が休まるときはない。


●生後8日 体重1420g
ワタシだけ先に退院。コゾウはまだ退院のメドは立たない。保育器から出て、コットに移り、
体重が2000g越えたあたり…ということだが、それがいつになるのかさっぱり予想が付かない。
とにかくそれまでは自宅で3時間おきに搾乳し、冷凍保存して病院へ届ける日々が続く。
病院の売店で母乳バッグを買って帰る。この時かったのはカネソンの母乳パックだったが
母乳フリーザーパック160ml
ワタシはピジョンの方が封がしやすくてオススメ。ちょっとピジョンの方が高いけど…。
母乳パックといえば、搾乳は1日6回する(ワタシは夜は寝ました。夜も起きて搾乳指導する病院もある)。
母乳パックって一箱に20枚ぐらいしか入ってなくて、けっこう高い!長期戦になってくると
けっこう痛い出費だった…。


●生後9日 体重1452g
コゾウ、ミルク30ml/回。搾乳がギリギリ。少し量が絞れるようになってくると、追うように量が増える。
喜ばしいことだが…母は乳にあざができてます(そして指は腱鞘炎(泣))


●生後10日 体重1504g
親指の腱鞘炎、悪化(泣)。搾乳器を購入してみる。
ピジョンさく乳器手動タイプ
しかし全く搾れず…。期待しただけにちょっとショック。
後に聞くと、病院などではメデラ社の搾乳器を導入しているところが多く、希望者にはレンタルもあったりするらしい。
medela(メデラ) ミニ電動 搾乳器(ACアダプター付)
長期戦になりそうな方にはオススメかも。やはり手搾りには限界を感じる。


●生後11日 体重1572g
コゾウ、呼吸が不安定になる。保育器内の酸素再開。


●生後12日 体重1598g
NICU内での面会は基本的に両親しかできない。なので、実はおじいちゃんもおばあちゃんもコゾウを
生で見たことがないのだ。話と写真だけ。
で、NICUの中に入るには着替えと消毒が必要。まず最初のドアを開けて靴を履き替える。それから
かっぽう着のようなエプロンを付け、マスク、帽子着用。そして手洗いをする。これが手順が厳密に
決まっていて、洗う指の順番、流水で45秒流す。など、退院して3年たってもまだ体が覚えていたりする(笑)
それでやっとNICUへ入室。さらに保育器内へ手を入れるときは擦り込み式の消毒薬で手指を消毒。
オムツを替えて、おしりを拭き、ミルクを与える。そのたびに消毒。小さな赤ちゃんを守るためなんだけど
実際かなり面倒だし大変。看護士さんには頭が下がります。


●生後13日 体重1634g
呼吸が安定したので再び酸素中止。体重も1600台にのる。


●生後14日 体重1700g
コゾウ、生まれて2週間。身長43cm、頭囲31cm、胸囲23cmになりました。


●生後15日 体重1686g
コゾウ、保育器脱出!コットに出てきました。体温保持がまだ上手くできないので、帽子をかぶせられている。
ちょっと田舎のおじいちゃんみたい(笑)。あらためて他の赤ちゃんたちと一緒に並べてみると
あまりに小さいのでビックリ!今までNICUで保育器に入ってる赤ちゃんばかり見ていたので
そんなもんかと…(おいおい)。しかし生まれたての赤ちゃんって…でっかいねぇ~。


●生後16日 体重1720g
コットに出てくると肌着を着せられています。考えてみれば保育器に入っている間、ずっとオムツいっちょ
なのよね。女の子なのに…(笑)


●生後17日 体重1780g

●生後18日 体重1838g

●生後19日 体重1858g
初めての直接母乳。さてどうかな?と思ったものの、意外に迷わずぱっくり。本能だなぁ。
しかしほとんど飲めてはいない様子。


●生後20日 体重1930g
沐浴指導。通常は複数でするのかな?居残り入院の赤ちゃんは個別対応になるので、看護士さんと
マンツーマン。コゾウは気持ちよさそうにお湯の中をたゆたっておりました。


●生後21日 体重1940g
直接母乳。あいかわらずやる気はあるもののほとんど飲めていない。
あす退院決定!


●生後22日 体重2016g
2000g越えで退院!予想よりもはるかに早いスピード退院でした。年内はむずかしいかと思ってたよ。
しかし退院時に着せようと買ったカバーオールは新生児用にも関わらず、とんでもなく大きかった!
そして乗せて帰るチャイルドシートは『3kgから』。無理です!!とりあえずタオルなど詰めてみる。
…これって安全性落ちてるんじゃ…(汗)





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