|
カテゴリ:カテゴリ未分類
第412号 宮ぷー こころの架橋ぷろじぇくと
2010年9月24日現在 参加者人数3994人 「9/24 昨日の宮ぷー」 このメルマガを初めて読まれる方へ メルマガの生い立ちをこちらのページに書いていますので、ご参照ください。 http://ohanashi-daisuki.com/story/index.html 昨年の夏、まだ宮ぷーの身体がほとんどどこも動いていないころ、東京の国学院大学 の柴田先生と奥様(ななちゃんと私は呼んでいます)が宮ぷーの病室に来てください ました。柴田先生は、どんなに重い障害を持っておられるお子さんでも、中に豊かな 思いを持っておられるということをとても大切に考えられて、子供さんの思いを知る 方法についても、伝えておられる先生です。宮ぷーは柴田先生とななちゃんとお会い して半月もしないうちに、自分の思いを伝えることができるようになったので、私 は、宮ぷーが今思いを伝えることができるようになっているけれど、その大きな要因 の一つがお二人にお会いできたことだと思っています。その柴田先生がメールをくだ さいました。 ・・・・ 昨年、8月に宮田さんにお会いした柴田です。一昨日のできごとを報告したくてメー ルさせていただきます。東京の郊外に入院しているIさんにお会いしました。Iさん にお会いするのはこれで2度目です。1度目は6月のことでした。Iさんは40代の女性 で呼吸困難から低酸素脳症を起こしてしまい、まったく意思表示が困難になっていま した。私が関わっている19歳の女性AさんのおかあさんはIさんの従姉妹にあたり ます。Aさんは、援助によるスイッチ操作や手をふって50音表を音声でスキャンして いく方法で気持ちを伝えることができます。この方法はなかなか習得がむずかしいの ですが、幸いAさんの小学生の妹Nさんが、あっさりとできるようになって、Aさん の友だちの気持ちなども通訳できるようになっていました。そこでAさんのお母さん はその妹NさんをIさんのお見舞いに連れて行き、気持ちを聞いてみることにしたの です。すると、首尾よく気持ちが聞き出せたというのです。そして、私にも声がかか ることになりました。お会いしてみると確かに動くと言えるところはほとんどなく、 手をとって小さくふる以外には方法は見当たりませんでした。宮田さんとお会いした 時とほとんど同じです。そのとき、パソコンで聞き取った言葉は以下のようなもので した。 *** こんにちわいいやりかたですね いいたい おとうさんにありがとうと わたし ねたきりになってからまいにちふあんでしたが おとうさんがまいにちきて うけこたえをしてくれたので なんでひとりのわたしなのにこんなにさびしくないの だろうとしあわせにいつもみたされています ちいさいときからずっといいおとうさんだったけれど みんながこうしてあつまって くれてこんなにめぐまれていて なんだかゆめのようです くもんしてきましたがなかなかわかりませんでした きいてほしいことがあります じっとしているとぬいぐるみのいのちのようでつまらないので ときどきなんでもい いからちいさなものがたりでもきかせてください (本の種類は?) はい なんでもいいです にんげんだからじかんがこうしてながれていけば しあわせです しんじられません なぜききとれるのですか ねがいはちいさくてもほんとうのいいじかんかがすごせることです (散歩はどうですか?)あついのはにがてですが そとはすきですので こんどまた すずしくなったらおねがいします (テレビはつけたほうがいいですか?)てれびはきいているのでひつようです (昔から好きな笑点で今でもおもしろいですか?)はい はんのうがだせませんがわ らっています こどものときからみていたのでだいすきです つかれるのはつらいことがあるときです なかなかつたえられないのでゆめのようです ぐんじょういろのあかりがみえるよう ですきぼうがみえるようです とてもありがたいです だけどなやみはそのくろうにこたえられないことです いいかただから すまないきもちでいっぱいです *** すでにおかあさんは亡くなられていて、毎日お父さんが看病にお見えになっていらっ しゃいました。その献身的なお姿に私も深く胸をうたれました。この文章そんな日々 の思いが綴られたものでした。 今回の訪問では、聞き取ることよりも、何とかコミュニケーションの方法をお伝えす ることが目的で、パソコンは出さずに、手を振る中でかすかに読み取れる力があるこ とをお伝えすることに多く時間をさきました。Iさんの思いを聞き取りたいというお 父さんの強い思いに対して、なかなかうまく方法が伝えられない私は、申し訳なさで いっぱいでしたが、毎日少しずつ練習してみると言ってくださいました。 今回の会話の中で、何度かIさんは自分のような状況の人間に会ったことがあるかと お尋ねになりました。そして、そのやりとりの中で、宮田さんのこととこのプロジェ クトのことをお話ししました。すると、そういう方がいらっしゃることにとても勇気 づけられるということと、そのメルマガが読みたいとおっしゃったのです。お父さん はパソコンは苦手ということでしたので、携帯でメルマガの設定をすることにしまし た。 私も携帯からの操作は慣れていなかったのでもたつきましたが、無事、その場で配信 の会社からの返信メールが届きました。 まだ、その後のことは、うかがっておりませんが、私の設定にまちがいがなければ、 さっそく昨日から送られてきたメルマガをお父さんはIさんに読んでおられることと 思います。 どこまでリハビリが進んでIさんも自分でスイッチ操作ができるようになるのかな ど、私にはよくわかりません。しかし、確実に言えることは、Iさんが、宮田さんと 宮田さんをめぐる人々の輪の中で、新しい勇気と希望を得ていくことです。 Iさんがメルマガに登録したことを、メルマガを送ってくださる方に報告しましょう ねと尋ねたら、すぐにお願いしますと答えがかえってきました。いささか長文には なってしまいましたが、ご報告させていただきました。 柴田保之 ・・・ 昨年の夏のすがるようにして柴田先生を見つめていた宮ぷーのことがよみがえって きて、涙がとまりませんでした。柴田先生はメールの中でも小学生のNさんが習得さ れたという手振りという独特の方法で宮ぷーの思いを聞いてくださいました。まだ、 しょっちゅう眠くなって、目を閉じていたころでしたが、宮ぷーはお二人が来てくだ さった朝から夜まで、柴田先生から目を離そうとはしませんでした。そして、なんと か思いを知ってほしいと思っているのがわかりました。まだ、宮ぷーとそれほど長い 時間を過ごされない方だと、宮ぷーに意識があったり、思いがあるということすら、 気がつかれない方が大勢おられるだろうというような時期でした。けれど、先生は誰 もが思いを持っているということに少しの疑いも持っておられないのです。そして、 みんな思いを伝えたいと思っている。なんとか、その思いを知りたいと、心を寄り添 われて、編み出された方法のように私は思いました。柴田先生に、いただいたメール をメルマガに書かせてくださいとお願いしたところ下のようなメールをいただきまし た。 「山元先生 メールありがとうございました。メルマガの件ですが、のせていただい てかまいません。彼女に宮田さんのことを告げると、自分が一人ではないということ が感じられ、すごく勇気が出たようでした。つながることの大切さが心から感じられ ました。彼女がこのつながりの中で新しい力をもらうことを心から祈っています。よ ろしくお願いします」 宮ぷーもメールをとてもうれしそうに聞いていました。そして、「だれにもつたえた いおもいがあるよ」と言いました。ぽつりとつぶやいた宮ぷーの言葉。宮ぷーだから こそ、いっそう重みがある言葉のように思います。宮ぷーもそして私も、柴田先生や その方ともつながらせていただいて、私たちこそ勇気をいただきたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年09月24日 23時56分40秒
コメント(0) | コメントを書く |