2018/07/27(金)19:18
ある老母の話
昨日も、熱中症みたいな高齢女性Tさん(80)が、シルバーカーを押しながら
午後の受付(4時)が終わってから登場!!
Tさん、これまでも予約時間、予約日、守ったことが無い。
認知症なのか、勝手に自分の言いたいことだけを
ぶつぶつと繰り返す。
でも、「胸が苦しい」という言葉は、聞き逃せなかったスタッフ。
診察室から上がってしまった先生を呼び出す。
熱は37.5度。
とりあえず、点滴!
熱中症かもね、と。
ベッドに横になってもらうと、とんでもないことが発覚!!!
靴下を7枚ずつはいて、毛糸のレッグウォーマーをして
冬用の股引を2枚はいてました。
さらに、腹巻と腰ベルト。
股引以外は脱がして、はがして、
首やわきの下に保冷材を入れながら、点滴開始。
心電図もとるが、異常なし。
500CCの点滴が1本め終わるころ、36度台に。
そして尿意を訴え、トイレへ。
院長「尿が出たので、熱中症の心配は無くなった」
とりあえず、2本目につなぐ。
夕方五時過ぎ。
ご家族に連絡して迎えに来てもらおう、と話を聞くのだが、
同居している息子&嫁には、連絡しないでほしい。
隣町に住む娘に連絡してほしいと。
連絡すると、
娘さんは、仕事があるから、2時間後じゃないと、
迎えに行けません、と。
黙って家を出てきたことが息子や嫁に知られれば、
大事な財産を皆盗られるから、
どうか、息子には連絡しないで、と懇願された結果がこれ。
被害妄想なのか、本当の話なのか分からないのだけれど、
本人の意向を酌んだ結果、
隣町の遠い、娘さんが、怒って、ようやく到着。
80代のTさんは、いつだって、自由で、
こちらとの約束は守らないし、
守れないのか。
腰が痛い、腕が痛い、と当院(内科)に駆け込んでくるし、
そうかと思うえば、
駅向こうの中規模病院の整形外科や皮膚科にかかって
注射をしてもらってるとも言うし、
どこまでが、本当で、
どこからが、当院で診たらいいのか、分らなくて院長も困惑。
「そういえば、今まで一度も、ご家族が来ないね・・・」
シルバーカーを押して、自由に毎日、違う病院を回り
財産を取られなよう、
大型シルバーカーにきっと、大事なものを積み込み、
タクシーで、あちこち出歩くのが日課なのかしらと、
少し、気の毒にもなったり。
初めて登場した娘さんと院長は
どんな話をしたのかな。
とにかく、迷惑そうに怒りながら、
母親と帰って行きました。