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2005年01月16日
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カテゴリ:源氏物語
採択時に要求されたことは昨日の日記で述べた2点ですが、私は、さらに以下のことにも対応したいと考えています。

(3)注釈の一般化
現在の再編集版には、注釈、出典、校訂という3種類の似通ったデータがあります。
元々、古典の世界では、このような整理の仕方が一般的であり、渋谷教授も、それに倣って整理したため、このようになっているものと思いますが、再編集プログラムで扱う上では、この3者は一般化して同様に扱うことができそうです。
すなわち、注釈はフリーフォーマットで、どのようなことでも書けますが、出典と校訂は記述フォーマットと意味が決まっているという点が違うだけです。どちらも、本文中の一部のテキストと、注釈・出典・校訂などを記述したテキストとの対応表であるという点で同じものとして扱えます。

また、今、私は再編集版の今後の課題として「本文中で使用される「女」「宮」などの呼称が具体的に誰を指すのかを調べてポップアップ表示する」を挙げていますが、これも、本文中の一部のテキスト(呼称)と登場人物情報を記述したテキストとの対応表であるという点で同じものとして扱えそうです。他に違いがあるとすると、注釈・出典・校訂は1:1対応になることが多いのですが、これは基本的に多:1対応になるという点です。
しかし、これも本質的な違いではありません。注釈・出典・校訂を1:1対応に限定しているのは再編集版の制限事項です。意味的には1:1対応でも、2行以上にまたがる注釈・出典・校訂は2:1対応~多:1対応で扱う必要がありますが、再編集版ではこれを端折っています。たとえば、和歌に対する注釈は上の句と下の句の2行にまたがって注釈が付いていますが、現在はどちらか1行だけからしか注釈へのリンクを張っていません。この結果、リンク元の文字列と注釈の見出し文字列が一致しなくなるなどの弊害が生じています。これは、多:1対応を許可するように制限を解除すれば、解決できます。

そこで、私は、コメントという概念を定義して、この本文中の一部のテキストと何かの情報を記述したテキストとの対応表を一般化しようと考えています。(英語のcommentには、やや批判的なニュアンスも込められているそうですが、類語のnoteやannotationより私にはシックリくる感じがするので、「コメント」にします)
そして、誰かが新しい注釈をつけた場合(上記(2)関連)、その注釈が渋谷教授の注釈と渾然一体となって扱われるのではなく、まったく別物として扱うようにします。すなわち、現在の(渋谷教授による)現代語訳と与謝野晶子訳がまったく別物として扱われているのと同じように、「誰それによる注釈」として、(渋谷教授による)注釈とは区別して扱います。現在も注釈と出典は区別して扱われていますが、その差はあまり顕著ではありません。しかし、(渋谷教授による)注釈と「誰それによる注釈」の差はもっと顕著に現れるように工夫するつもりです。(これらの実現方法は、他の実現方法の説明と合わせて、別の機会に説明します)


(4)挿絵の拡充とマルチメディアデータへの対応
現在の再編集版にも江戸時代の絵入源氏物語からとった挿絵が入っています。
http://genji.nce.buttobi.net/?target=combined01.1.2.html#line1.2.1
元々は渋谷教授のサイト「源氏物語の世界」のローマ字版で使われていた挿絵です。
http://www.sainet.or.jp/~eshibuya/roman01.html#in12
同じ挿絵は、ユネスコの源氏物語の紹介サイトでも使われています。
http://webworld.unesco.org/genji/jp/part_1/1-1.shtml
こちらは挿絵がメインで、それに簡単な解説を付ける事で源氏物語のあらすじを紹介しています。挿絵が全部で238枚もあると、これだけでも、相当に読みでのある、分かりやすい読み物になっています。

私は、この挿絵についても、以下のような改善ができたらいいなと考えています。
  • 新たな挿絵の追加

  • 現在の挿絵のカラー化(塗り絵)

  • 挿絵の解説の追加



  • さらに、挿絵だけでなく、以下のようなマルチメディアデータにも対応できたらいいなと考えています。

  • 動画・音声データ
    何か楽器を演奏するシーンでは その楽器の音が、演奏曲目が分かっている場合には その曲が聞きたくなります。また、舞を踊っているシーンでは その舞が見たくなりますし、蛍が袋から一斉に放たれたシーンでは、その群舞する蛍を見たくなります。これらは一例ですが、このようなものを収録した動画・音声データが適切なところにあれば、源氏物語の鑑賞効果は飛躍的に高まるのではないでしょうか。
    映画やドラマに収録されるような高品位なものは望みません。特定の1シーンに対応しただけのような断片的なものであっても、あるいは、高校・大学等のサークルで素人が収録したようなものであっても、それが適切なところに挿入されていれば、源氏物語の鑑賞には大いに役立つだろうと思います。


  • 本文の朗読
    瀬戸内寂長さんの現代語訳が出版されてから、その現代語訳の朗読やオーディオドラマなどは意外に多く出回っているようです。しかし、本文の朗読はきわめて少ないようです。いまどき、古典の本文の朗読を聞くだけで内容が分かる人は、専門に研究している人を除くとほとんどいないだろうとは思いますが、私のような素人でも、活字化された本文を目で追いながら朗読を聴くと、以外に得るところがあります。
    私が渋谷教授主催の輪読会「むらさきの会」に初めて出席したとき、渋谷教授による朗読を聞かせていただくことができたのですが、私にとっては古典の朗読を聞くのは初めてだったため、意外に大きなカルチャーショックを受けました。そのときの感想は2004年9月16日の日記に書きましたので、参考にしてください。この頃から、再編集版に朗読を持ち込んだらどうだろうという思いが出てきました。


  • 古写本を写真に撮った画像データ
    京都大学電子図書館では源氏物語54帖中の52帖について源氏物語の古写本を写真に撮った画像データを一般公開してくれています。
    http://ddb.libnet.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/genji/gmfrcont.htm
    また、jooxさんが楽天広場のホームページで江戸時代初期(1650年)に刊行された源氏物語を写真に撮った画像データを一般公開してくれています。
    私には、これらは、まだ、ほとんど読めないのですが、それだけに、これらが読めるようになったらいいなと思うことがあります。
    幸い、源氏物語は鎌倉時代の藤原定家の写本をベースにしたものが多いので、底本が違っても、比較的良く一致することが多いそうです。
    実際、jooxさんのホームページの解説を渋谷教授が校訂した本文と付き合わせてみると、底本は違うのに非常によく一致しています。
    そこで、これらの画像データが、渋谷教授が校訂した本文ではどの部分に当たるのか、その対応がとられていると、私のような、これから勉強して読めるようになりたいと思う人には大変役立つと思います。
    現状では、京都大学のページより、jooxさんのページの方が、この目的には役立ちます。古写本から1ページずつ取り出して、その中の一節を読み下してくれるので、それを頼りに、そのページが渋谷教授の本文のどこに対応しているのかを割り出すことができるからです。
    しかし、京都大学には、せっかく、54帖中52帖分もの古写本のデータが揃っているので、以下のいずれかの対応が取れていると便利だろうなと思います。
    ・古写本の画像一枚分(見開き2ページ)が、渋谷教授の本文のどの部分に対応するか、または、
    ・渋谷教授が整理した目次の各章・段が、古写本のどの部分に対応するか。


    もちろん、以上のようなコンテンツ(挿絵、動画、音声、朗読、古写本)を私が一人で整備することは、能力的にも体力的にもきわめて困難です。しかし、(1)(2)と同じで、このようなコンテンツの整備はボランティアによる協力者を募って行い、私は、これらを可能にする仕掛けを整備するというのであれば可能性があります。

    私は、このうちの挿絵、動画、音声については、(3)で述べたコメントの考え方をさらに拡張することで対応できそうだと考えています。
    古写本の画像一枚ごとに本文に対応させる場合も、古写本の画像を挿絵に準じて扱うことで、同様に対応できそうです。

    反面、本文の朗読と、目次の各章・段ごとに古写本に対応させる場合は、少々難しい問題を含んでおり、まだ実現方法の見通しが立っていません。



    今回は、採択されたといっても金額が1.3M\と小さいため、本格的な開発作業を行うことは困難です。
    そこで、今回は、以下の中心に開発したいと考えています。

    (a)sourceforge.jpの活用
    sourceforge.jpに共同開発プロジェクトとして「源氏物語の鑑賞支援ツール」を登録しました。
    現在は、まだ、源氏物語の世界 再編集版の一括ダウンロード用のファイルをアップしているだけですが、近いうちに(1)で述べている共同開発環境として整備するつもりです。
    なお、共同開発環境としては、専用のWebアプリケーションを開発することが理想ですが、今回の採択条件では、それだけの費用を捻出できないので、本来なら専用Webアプリが行うことも、協力者がsourceforge.jpの機能を利用して手作業で行ってもらうことを考えています。

    (b)注釈の高度な一般化
    反面、(2)(3)および(4)のうち挿絵、動画、音声、古写本(画像一枚ごとに本文に対応させる場合)については、今回できるだけ対応したいと考えています。sourceforge.jpにも、再編集版の第三サイトのようなものを構築し、協力者がsourceforge.jpで手操作で情報をアップすれば、それが自動的に第三サイトに反映されるところまで持っていけたらいいなと考えています。その実現方法は、ある程度見えてきたので、他の実現方法の説明と合わせて、別の機会に説明したいと考えています。ただ、sourceforge.jpの容量制限(100MB)が大きな問題になるかも知れません。(現在、第二サイトは145MB)






  • 最終更新日  2005年01月17日 01時59分16秒
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