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2002.08.15
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 終戦の日。毎年この日には政治家が靖国神社へ参拝に訪れたり、高校野球では試合途中にも拘わらず正午を迎えると同時に黙祷を捧げる。戦没者追悼式典が日本武道館で行われ、天皇陛下が追悼の文を読み上げる。57回目の終戦の日がもう少しで終わろうとしている。果たして式典などで読み上げられる言葉は、本当の気持ちから出たものだろうか。あくまでも行事の一環として捉えたものなのだろうか。いつまでも解決しない戦争責任問題、それらを伝える教科書の表現の問題、戦争を知らない世代の拡大、戦争があった事は勿論、現在の総理大臣の名前すら満足に言えない人間の増加……世界では日本の行いをきちんと歴史の中で伝えている。それが正しくても間違っていても、歴史としてきちんと伝えている。ところが、その渦中の国においては戦争を風化させようとしている気がしてならない。平和に勝るものはないとはいえ、自国が招いた大きな事件及び事実を忘れてしまうというのは許されるべき事ではない。海外における日本人のマナーの悪さ、敗色濃厚、或いは終戦間際に玉砕があった場所への気軽なバカンス……もし仮に日本人が勤勉実直を正しく理解して忠実に守っていたとしたら、こういう不埒な行いはしただろうか。

 毎年行われる政治家及び閣僚の靖国神社参拝。これにしても毎年の様に物議を醸し出している。靖国に眠る戦争犯罪者たちを政治家が参拝するというのは、戦争が正しかったと認める事である……という解釈の是非を巡って、毎年の様に論議されている。もし仮に参拝する事が個人の自由だとして、戦争の背後に隠された様々な残虐行為、従軍慰安婦問題、それらに関わる賠償責任を政府がたらい回しにせず、きちんと隅々まで対処していたら、果たしてここまで物議を醸し出しただろうかと思う。
 遅々として進まない諸問題があるのに、毎年の様に政治家や閣僚個人の身勝手な考え方で靖国神社を参拝するから、物議が醸し出されるのではないだろうか。ここまで責任問題を有耶無耶にする国も他にはあるまい。況して先進国として名を馳せているだけに、その態度は時代が進化する度に如実に表れている。一昔前は最速でも「一日~半日単位」だったが、今の時代はインターネットという文明の利器により「秒単位」「世界規模」になってしまっている。それだけに影響力は大きく、今まで通りの気持ちで対応できなくなるのが明確である。果たして今後、政府はどの様な対処をするのだろうか。同じアジア圏でも中国などは恐ろしい勢いで発展を続けている。スポーツの世界でも「日本の御家芸」だったものに対してメダルが満足に取れなくなってきている。このままでは中国に主権を奪われかねない。第二位クラスなら夢があるが、植民地にでもなったら終わりである。

 余談だが、日本の政治家連中は本当に『草臥れた老人連中』が多い。真面な判断すらできそうにもない年齢にも拘わらず、甘い汁が吸いたいのか、重要なポストに居座っている。昔の経験だけを前面に押し出して、日本はまだ大丈夫だと言い続けている。あの塩川財務大臣にしても、徒名は「塩爺」である。爺さんに国の面倒をみてもらわなければならないというのは屈辱ではないのか? と思う。年功序列が企業などで次々廃止になり、若返りを図って次世代に対応しようという姿勢なのに、根幹の部分に棺桶に片足を突っ込んだ様な連中がいたら、いったい何のためのものなのか判らなくなってしまう。自分たちの法律を自分たちで作り出しているのだから、年功序列を廃止するべきではないのか。国民の気持ちを無視した法律を簡単に作れるのであれば、同様にそうした事もできるのではないか? とはいえ年功序列で『なあなあ』の関係では作ろうとする気持ちは沸かないだろう。政治家という職業に就いてしまえばこっちのものだという考えすら改まらないのだから。

 無条件降伏した日本に対して、連合国(主にアメリカ)は数々の条件を提示した。これが所謂「ポツダム宣言」というもの(ドイツのベルリン郊外のポツダムで宣言されたのが名前の由来)で、この中には数々の条件が盛り込まれていた。文英堂出版の「日本史B(1997年発行)」から抜粋すると、
①日本の軍国主義者・戦争指導勢力の除去
②日本に対する軍事占領
③日本の主権を本州・北海道・九州・四国と諸小島に限定
④軍隊の武装解除
⑤戦争犯罪人の処罰
⑥軍事産業の禁止
 などから成り立っている。
 それまでの行いからすれば当然の事である。ファシズムを横行させたり、そこに嘘を交えて国民を欺いたという責任は大きいし、沢山の尊い命を失わせた罪は計り知れないものがある。国内のみならず海外でも沢山の残虐行為を繰り返し、他国に対して歴史に深い傷を負わせた事もある。その反動として原爆の投下や全土に亙る爆撃があったり、半ば見殺しにされた沖縄が戦後暫くしても返還されなかったのである。況して沖縄は返還されたとはいえ、毎日の様に米軍の飛行機が上空を飛び交い、未だに戦争の傷を負い続けている。それに対して現在の政府ですら、満足な解決策を見いだしていない。どこまで沖縄を見殺しにする気かと思う。敗戦国だから呑まなければならない条件なのだろうが、もう日本に正式に返還されているのだから「日本国」として守るべきではないのか?

 長編映画でも有名な「極東国際軍事裁判(東京裁判)」において、戦争犯罪人が多数処罰された。最も中枢を担っていた東条英機らがA級戦犯として絞首刑になったり終身刑になったりした。東条英機は裁判中に自殺を図ったが、一命を取り留めさせたという事実がある。死を以て天皇に捧げるという姿勢が戦時中の日本の使命だった事を思っての自殺だったのだろうが、事実を明らかにし、徹底的に戦争犯罪の内状を洗い出す姿勢で赴いていた連合国としては、そういった敗戦国の間違った考えをもとに簡単に死なれては困るし、全てを語らせてから『死への時間』を過ごさせる事で、本当の恐ろしさを味わわせ、それを生前における最大の罰としたかったのだと思う。白黒はっきりさせる国柄でもあるから「灰色」は絶対に許さない姿勢だったといえよう。

 一方で、この東京裁判で起訴されなかった人間がいる。天皇と財閥関係者である。財閥関係者はその後の財閥解体の際に必要であり、その時に正式に処罰されるからだろうと思う。とはいえ未だに財閥の力は壮大なのだから、果たして徹底的に解体させたのか疑問に思う。本来であれば、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の独自の判断で日本が変化させられたと思うのだが、さすがのGHQでも鬼ではないから徹底的な変革をさせなかった。それはマッカーサーノート(草案)から出来上がった日本国憲法に表されていて、あくまでも日本独自の力で立ち直らせる方法を選んでいる。散々悪の行いをしてきたというのに、である。これは政府というよりは「勤勉実直」という国民の存在なくしては実現しなかったと思う。

 然し乍ら、先にも触れた様に「灰色を絶対に許さない」筈なのに、一人だけ灰色にしてしまったのである。それは天皇である。天皇は神ではなく人間である(神格を否定)という『天皇の人間宣言』を行ったのだが、それによって人間となっても罪を一切問われなかったのである。戦争の根幹の部分に位置していた筈なのに罪を逃れてしまったのである。
 この事を他人がどう捉えようと自由なのだが、現在までに至る数々の不祥事などでの政府及び企業の体質を見れば、出来る限り隠し通し、見つかっても何とかして「灰色」にしてしまおうという姿勢が、この人間宣言というものを背景にして引きずっている様にしか思えないのである。企業を例にすれば、社長や会長は言わば「天皇」と同じであり、部下が犠牲(詰め腹を切る)になる事で円く収めてしまおうという考えが未だに定着している。最近は告発というものが堂々とできる様になった事もあり、最終的には謝罪して責任を取る様になってきたが、それでも告発がなければ隠し通すだろうし、社長や会長が神々しく扱われる事にも変わりはない。確かに第一人者であるから立派な立場にいるのだが、大統領であれ任期が終われば普通の人になってしまうのである。況してスキャンダルがおきれば一発でアウトである。そうなれば何らかの形で罪を償わなければならない筈である。当然大統領でも罪は問われるし、確定すれば償わなければならない。全責任を負う立場にいるのだから当然である。特に海外の場合はマフィアがいるから、償う前に消される(殺される)可能性だってある。

 かといって天皇に死を以て償えというのではない。やはり「人間宣言」を自らした以上、何らかの形で罪を償うべきだったのである。どんなに偉い人でも、譬え『国の象徴』であろうとも、悪い事をすれば罪を償わなければならないという歴とした教えをしなければならなかったのだ。この点についてはマッカーサー元帥の読みの甘さがあったといえる。子供に「悪い事をしては駄目なんだ」と言っても、いずれその子が大きくなった時に、こうした『灰色の部分』を知る事になる。然しそれは道徳の時間に教わった事と反するものになる。そこに迷いと悩みが生じてしまう。解決できない問題となってしまう。それでは教育とは言えないし、その様な部分を知って人間は大きくなるものだという説明をされても納得できない。仮にそれを知って大きくなるのだと言うのであれば、自分が納得できない事があれば灰色にしてしまえという事を奨励している事に過ぎない。





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最終更新日  2002.08.16 11:05:18
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