人気のお笑いコンビ・中川家が活動休止に追い込まれたという。何でも、広島での仕事の後に訪れた飲食店で一般女性の頭を叩いたというのだが、ニュース記事によれば、知り合った女性たちと飲食を楽しんでいた最中にギャグを見せてほしいと言われ、そのギャグの中でとして頭を叩いたという(恐らくそのギャグというのは、明石家電視台でさんまから『ちょっとオバチャン、何か言うてあげて』と振られた時にするものだっと思う)。ところがそれが暴行だと受け取られてしまい、女性は被害届を警察に出し、礼二が広島署から任意で事情聴取を受け、事件として発覚してしまったのである。事の詳細は判らないけれども、意気投合していたというのであり、ギャグを見せてほしいといわれ、その中で頭を叩かれたくらいで事件に発展するのはおかしいと思う。例えば礼二が酒癖が悪く、椅子や物を投げ付けたりしたら話は別だが、基本的な合意の下で、然も相手側からの要求に応えただけで暴行だと印象づけられるのはどうも解せない。場所が広島とはいえ、今では中川家も全国区のタレント。彼らのギャグがどういうものか最低限判っていた筈である。そうでなければ相手側は絶対に声を掛けてこないし、今回の事件はなかったのだから。
吉本興業のタレント(及び漫才師・咄家など)は最近頻繁に叩かれる側に回っている。先日の明石家さんまの場合もそうだし(とはいえ、あれは相手側が仕掛けた宣伝作戦だったとも言われている)、今回もまた狙われた。売れっ子ともなれば、特に規制が厳しく写真雑誌が追い駆け回る現代では思うように遊べない環境にある。だが芸人もファンあってのもの。人気があってナンボのもの。ファンならずとも一般市民との距離は近づけておきたいのは当然であろう。然し逆の立場の人間が変に知恵を身につけてきたのである。ゴシップが金を産む時代になって久しいが、それを自身の飛躍の糧にする輩が増えてきた。それだけ芸能界云々の世界が広くて厳しいものだというのは判るが、人間が生きていく術は決してそれだけではない筈である。海外でもタレントは沢山いるが、妙に芸能界と一般社会の距離が短くなったのは日本くらいではないだろうか。不況の真っ只中にいて、明日さえも判らないというのに、未だに行政も媒体も真剣に動く気配がない。本来であれば国中を挙げて真剣に考えねばならないというのに、行政は自身の身固めに走り、媒体は数字のお化けを追いかけ回している。そんな事ばかりをしているから素人に変な知恵を付けさせてしまうのである。
何処かで歯止めをかけなければ間違いなく近いうちに暴走する。お互いが暴走すれば殺人事件にも成りかねない。そうなれば芸能界自体の存在が問われる事になるだろうし、一般人だけが弱者の様にとられてしまうかもしれない。確かに一般人に被害を及ぼすのは問題だとは思いたいが、全てが全て芸能人が悪いとも決めつけられない。唯でさえ一般社会は常識しらずが多くなっているのだから。だがこうした問題を機に媒体が大きな変革期を迎える事になれば、それはそれで少しぐらいは先行きを明るくするかもしれない。下らないタレント、紛いタレント、用済み、意味不明云々の類を一掃し、本来の姿に戻る事ができるかもしれない。小さな事からコツコツと、とはいうが、何処かが大きな変革期を迎えないと、今の日本は駄目かもしれない。
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