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2004.09.08
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 昨年の大リーグの覇者はフロリダ・マーリンズだった事はメジャーリーグファンなら知っているだろうし、ヤンキースの松井秀喜ファンも彼の目の前で覇者の歓喜する光景を一緒に見ている筈だ。新生・マーリンズが『本当の(意味での)ワールドチャンピオン』になった瞬間だった。
 一昨年、大リーグは高騰する選手の年俸による経営圧迫を解消する為に球団を削減したいと発表した。アメリカン、ナショナル両リーグからそれぞれ一球団ずつ削減される案で、アメリカン・リーグがミネソタ・ツインズで、ナショナル・リーグがフロリダ・マーリンズだったのである(同じナショナル・リーグのモントリオール・エクスポスが同様の状況で現在は大リーグ機構の傘下にあるが、マーリンズはそれ以前から話題になっていた)。これは現在の日本のプロ野球が抱える問題と殆ど同じだった。
 フロリダ・マーリンズは球団創立から10年くらいしか経ていないのだが、昨年を含めて二度のワールドチャンピオンに輝いている。しかしながら最初の時は「優勝を金で買った」と同様だった。他球団からスター(即ち高額)選手を続々と獲得して、圧倒的な強さで相手をねじ伏せたのだ。初めてフロリダに誕生した球団にチャンピオン・フラッグ及びリングをもたらしたかったのだろう。しかし結局はその年のオフから翌年の開幕までに高額選手を残らず放出し、若手だけの『更地』にしたのである。当然の事ながらチームは低迷し、観客も大幅に減少した。そんな中で訪れた「チーム削減」の話だったのだが、その逆境をバネに新生・マーリンズは世界一をもぎ取ったのだ。もう一方のミネソタ・ツインズは歴史の長い球団だが、削減の話が起きる前から地区優勝する活躍を続けているが、今季の地区優勝もまた間違いない位置にいる。

 では近鉄はどうだったか。近鉄は日本のプロ野球の中で唯一『日本一がない』のである。その球団が合併し、やがては経営からも撤退しようとしているのだ。球団経営を数十年という年月で経ているのに、チームが勝つ為の努力ができていない。例えば巨人と戦った日本シリーズ(某選手の巨人はロッテより弱い発言をきっかけに、3連勝していたのに4連敗して日本一を逃した)では、巨人の香田投手(現在は巨人のスカウト)の「縦の変化球」が全く打てず、シリーズの翌年に香田投手を(縦の変化克服の為に)トレードで獲得したのだが、そこから何も得られなかった。
 数年前のヤクルトとのシリーズでも左腕の石井一久(現ドジャース)を打ちあぐんだ。大リーグでは半年も経たずに丸裸にされている(日本プロ野球経験のあるトレーシー監督がいるからかろうじて活躍しているが)のに近鉄は打てなかった。『いてまえ打線』と銘打ちながら手も足も出なかった。

 二年前のオフには中村紀洋が大リーグのメッツに入団寸前までいったのに諦めてしまった。せっかく「脱いてまえ」して守る野球・勝つ野球を真剣に取り組む(切り替える)チャンスだったのにフイにしてしまった。近鉄は投手さえ手入れをすれば日本一になれるのに。今年は岩隈投手が活躍しているが、それでも下位に低迷している。
 チーム及び球団はファンの支えがあってこそ存在が成り立つ。そのファンの為にリーグ優勝、そして日本一になる努力をし続けるもの(或る意味でこれは責任だろう)。それができずに、経営基盤が危ういから撤退では球団はファンをナイガシロにし、責任放棄したと同じである。日本一にする気がなかったともいえる。近





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最終更新日  2004.09.09 08:01:18
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