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Mizumizuのライフスタイル・ブログ

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2008.07.05
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<きのうから続く>

『終電車』では、暗い占領時代を経て、パリが解放される様子も描かれる。だが、ある種のプロパガンダ映画のような「解放マンセー!」ではないところが、いかにもパリっ子のトリュフォーだ。

対独協力派から睨まれ、芝居は上演禁止になるわ、「イギリス軍の爆弾より有害」などと中傷されるわ(詳しくは4月29日のエントリー参照)で、逆に一部の市民からはレジスタンスの象徴のように祭り上げられていたジャン・マレーに対して、「忍耐だ、ジャン・マレー。我々はもうじき上陸する」とBBC放送で語りかけた英国軍。彼らの到来をパリ市民はわりあい冷静に見ていた。まるで祭りの出し物を見物するようなパリジャンたちの表情がいい。↓
イギリス軍の空爆

コクトーによれば、解放してやるといさんでやってきたイギリス軍は、予想以上に贅沢だった占領下のパリ市民の生活に驚いていたという。

パリ解放にともなう混乱も描かれる。無差別の銃撃戦が繰り広げられたパリの様子。↓
屋根の上から
屋根の上から攻撃を仕掛けてきた民兵の話は、ジャン・マレーの自伝にも出てくる(詳しくは5月1日のエントリー参照)。

銃撃戦に好奇心
そして、劇場の地下から出て、思わぬ銃撃戦に好奇心を駆り立てられるマリオンの夫。このあたりもマレーの自伝から着想を得たエピソードだろう。

危ないじゃない
「危ないじゃない!」とばかりにマリオンに袖を引っ張られる夫。やはりコクトーとマレーの逸話を彷彿させる。

また、ジャン・マレーとジャン・コクトーを徹底的に攻撃したアラン・ロブローが権勢を振るった「ジュ・スイ・パルトゥ」誌は、パリ解放にともなって社屋が閉鎖され、「ジュ・スイ・パルティー(私は逃亡した)」誌と皮肉られていた。それをもとにしたと思われるエピソードがこれ↓。
ロブローへの皮肉
ベルナールに殴られた対独協力派の大物批評家(「全世界」という新聞紙上で権勢を振るっていたという設定)が国外に逃亡している様子。

マリオンの劇場の演出家兼マネージャーで、ナチスとも対独協力派フランス人ともうまく付き合い、芝居の上演を続けることに腐心してきたジャン・ルーは気の毒な眼にあう。まずは国内軍に逮捕され…
ジャン・ルーの悲劇

ジャンルー再び逮捕
というハメに。このときのジャン・ルーの、「まったくも~、やってらんねぇよ」とでもいった仕草が笑いを誘う。まさに解放の混乱が生んだ悲喜劇。ちなみにこのパジャマ姿で逮捕されるというのは、脚本家兼映画監督のサシャ・ギトリがモデル。ギトリは後年『ベルサイユ語りなば』と『ナポレオン』でジャン・ピエール・オーモンとジャン・マレーをキャスティングしている。

でも、マリオンの劇場では、夫が演出家として表舞台に戻ってきたうえ、新作の芝居も大当たり。
拍手喝さい
拍手喝さいの観客。

夫と愛人
愛人に夫を連れてこさせるマリオン。夫と愛人の仲は別に表立って悪いわけでもなく…

なんとなく幸せなマリオン
左肩は愛人。右肩は夫。2人にはさまれて、なんとなく幸せなマリオン?。結局最後まで、どちらも選ばない(選べない)マリオンはたまらなく人間的、そして魅力的。まぁ、なるようにしかならないわな。今のマリオンには2人とも必要ということのよう。そして2人の男性にとってもマリオンは(今のところ)失いたくないパートナー。

これって、イタリア人妻と離婚しないマルチェロ・マストロヤンニと長く三角関係状態だったカトリーヌ・ドヌーヴへのトリュフォーからのエールだったのかも。

この映画が魅力的なのは、ナチスを断罪してるわけでもなく、レジスタンス活動を持ち上げているわけでもなく、あくまで「そういう時代」を生きた演劇人の情熱と愛を臨場感豊かに描いている点だ。正義の味方も完全なる悪人もいない。先の見えない世の中で、ときに一途でときにだらしない普通の人間が、自分の仕事に集中することで困難を克服し、前へ進もうとした。その姿が押し付けがましくない感動を誘う。とても大人の映画。

ロマンチックな恋愛映画でもなく、ナチス占領とパリ解放に伴う重く深刻な人間ドラマがあるわけでもないこの作品、配給元は「当たらない」と思っていた。ところがフタを開けてみれば大ヒット。セザール賞を総なめにし、カトリーヌ・ドヌーヴとジェラール・ド・パルデューに初めての主演女優賞・男優賞をもたらした。DVDにはその様子も特典映像として収められている。

<明日に続く>









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最終更新日  2008.07.06 18:40:26
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