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May 26, 2009
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<きのうから続く>
ロシアが生んだ20世紀を代表する男性バレエ・ダンサー、ルドルフ・ヌレエフとミハイル・バリシニコフ。

この2人の天才ダンサーが演じた『若者と死』(ジャン・コクトー原案、ローラン・プティ振付)が収録されたDVDは、日本でも出ている。


2007/04/01発売ローラン・プティ・ガラ/若者と死
ヌレエフ版は1967年のスタジオ撮影。ヌレエフは相手役にプティの妻でもあるジジ・ジャンメールを希望した。準備期間は1週間と非常に短かかった。というより、たまたま空いたヌレエフのスケジュールを埋めるのに、この作品の撮影を選んだと言ったほうが正確かもしれない。

ヌレエフ版では、若者が死んだあと部屋の壁が上がり、パリの夜景が現れるシーンは省略されている。ヌレエフ演じる若者が、絞首台となった柱で首を吊ったところで終わっている。


ホワイトナイツ 白夜(DVD) ◆20%OFF!
バリシニコフ版は映画『ホワイトナイツ』の冒頭にある。これは劇場で上演されている『若者と死』を編集したスタイルになっており、満員の客の入った大劇場での公演の様子をドキュメンタリー風に撮りながら、スタジオ撮影と組み合わせて、さまざまなカメラアングルを工夫した、非常に凝った演出になっている。

パリの夜景が現れるシーンもある。

私見だが、ヌレエフ版、バリシニコフ版、熊川版の3つの中で、もっともカメラワークが優れているのがバリシニコフ版だ。『ホワイトナイツ』の制作者による解説でも、この冒頭のバレエシーンの演出には細心かつ最大限の注意を払い、工夫を重ねたと言っている。映画の観客は、ときに映画の中の劇場の観客と同じ空間に座って一緒に舞台を眺め、ときに劇場の客席からでは望めない距離あるいは方向からバリシニコフの表情や動作を堪能することになる。

ただ、バレエ作品として見ると、途中一部カットされてしまっているのが残念だが、あくまで映画の中のバレエシーンなのだから、仕方がない。

バリシニコフの踊りを見ると、ヌレエフを相当に意識しているのが感じられる。バレエ・ダンサーの優劣がテクニックで決まるのであれば、バリシニコフは恐らく、ヌレエフを凌いで最高峰に位置づけられるダンサーだろう。ヌレエフが、回転動作でときどき軸がブレたり(←GOEマイナス1?・苦笑)、完全に回りきる前にフリーレッグを降ろしてしまったり(←ダウングレード?・苦笑)しているのに対し、バリシニコフはまるで精密機械のように動作の最初から最後までまったく軸がブレず、ピルエットでも常に完璧に回りきってから脚を下ろしている。また、跳躍技のあとの着地でも、空中で余裕をもって回りきって降りてくるから、微動だにしない。意識的に動作を一瞬ピタッと止めている。ヌレエフの踊りで、テクニック的に少し「気になる」部分を、あたかも意識的に完璧に修正して演じて見せたようですらある。全身にみなぎる緊張感も、ヌレエフにはないものだ。

だが、その完璧さが、逆に物語のドラマ性を弱めているかもしれない。ヌレエフ版『若者と死』は、実のところヌレエフの踊りとしては、跳躍技の高さも回転技の技術も今ひとつだ。ヌレエフといえば、まるで重力がなくなったかのように、ふわりとジャンプする――その高さと滞空時の静止画のような男性的なポーズの力強さと美しさが図抜けている――というイメージがあるが、『若者と死』はそうしたバレエではなし、小道具が並んでいる狭い舞台空間でリハの期間も短かったということもあるかもしれない。一言で言えば、バリシニコフほど「テクニック的にはリキが入っていない」のだ。

それでもヌレエフ版『若者と死』は、ヌレエフという男性がもつ自然な魅力が不思議ににじみ出てくる作品になっている。魅力というより、魔力といったほうが適切かもしれない。ダンサーとしてというよりも、あくまで1人の男性、1つの存在として、ヌレエフが醸し出す魔力だ。不思議なことに、見れば見るほど味わいが深くなる。こうした磁石のような魅力は、バリシニコフ版には薄い。

このバレエは、男性が上半身裸で演じる。バリシニコフは明らかに「見せる筋肉」を上半身につけている。ヌレエフにはそうした人工的なトレーニングの気配はみじんもない。生来のたくましさに均整のとれた筋肉をまとったダンサー。ヌレエフの筋肉は見せるために作ったものではなく、あくまで踊るために身についたものだ。身体の動きは非常にしなやか。ヌレエフという人は、特段イケメンではないが、顔の表情には、毒気をはらんだ媚態のようなものがある。それも教えられて身につけたものには思えない。ヌレエフという人が元来もっている、得体のしれない魔力のようなものが、身体全体、そして顔の表情から漂ってくる。

プティの語る「男性的で、クレイジーなところがあり、踊り手としては超絶技巧だが、自然でなくてはならない」という「若者」のイメージは、まさにヌレエフを指しているように思う。

熊川版の舞台『若者と死』が素晴らしかったのは昨日書いたとおりだが、残念ながら熊川版DVDには激しく落胆させられた。ヌレエフ&バリシニコフと比べるのが、そもそもおこがましいという人もいるかもしれないが、ダンサーとしてどうこう以前に、演出がひどすぎる。舞台『若者と死』はダンサーだけでなく、振付、音楽、舞台美術すべてが一体となって感動を誘った。バレエはまさしく総合芸術なのだ。舞台とDVDは違うとはいえ、熊川版DVD『若者と死』は、舞台ではほぼ完璧に表現されていた総合芸術を安手のトレンディドラマに変えてしまった。

バレエダンサーは俳優とは違う。単に女性とセクシーに絡んだり、彼女に振られて悲しんでる表情をしたりといったドラマの表現では、ダンサーは(イケメン)俳優にはかなわない。だが、ダンサーには俳優にはない魅力があるはずだ。第一にダンサーは姿勢がいい。立ち姿が何もしなくても美しいし、ポーズもバランスが取れていて、身体全体に緊張感がある。動きも無駄がなく、流れるよう。熊川版DVD『若者と死』は、変にワザとらしい表情を作った顔のアップを多用したり(しかもワンカットが長い)、スローモーションを入れたり、「スタイリッシュ」に撮ろうとして、返って熊川を三文役者にしてしまった。

最近、時代劇の立ち回りなどでもスローモーションが多用されるが、あれは要するに、近ごろの役者――特に経験の浅い若い役者――が「動けない」からだ。「動ける」ダンサー、しかも非常に機敏に流麗に動けるダンサーを使ってドラマを作るなら、俳優には真似できない身体を使ったドラマ性の演出を心がけるべきであって、熊川哲也の「顔芸」なんて、熊川ファンなら喜ぶかもしれないが、バレエファンが見て感銘を受けるようなものではない。

カットする部分も完全に間違っている。舞台では、部屋の壁が上がり、女性が死神となって再び現れ、若者が木偶人形のように、彼女について歩くシーンがある。そして、階段を上がり、パリの夜景を見下ろす位置に来たところで、死神がどこかをまっすぐに指差す。この部分は生の世界から死の世界への移行を意味している。熊川の舞台は非常に素晴らしかったのに、ただ歩くというモーションが冗長だと判断されたのか、DVDではほぼ全部カットされてしまった。パリの夜景は「死後の世界」の象徴なのに、ラストシーンでは空しか映っていない。「天空への旅立ち」だという新たな解釈なのかもしれないが、それではこの作品でパリの夜景がもっていた力強い象徴性が薄れてしまうし、そもそも「死=空へ」というイメージがチープだ。どうしてこんなバカげた「改悪」をするのか。

ヌレエフ版のほうは、若者が首を吊ったポーズで終わる。パリの情景が入っていないのは、準備期間が短く、セットを用意できなかったという現実的な問題があったのかもしれない。ヌレエフ版は、絞首台と若者以外は何もない白い空間でラストとなるのだが、空中にぶら下がったヌレエフの身体のラインが、足先まで非常に美しく、神々しくさえ見える。熊川版のような安い三文ドラマの終わりとは違う。どうしてこういう演出ができないのか。

プティが熊川に「若者」を踊る権利を許諾してくれたことは喜ばしいことだ。今後も熊川は舞台で『若者と死』を演じていくつもりだという。舞台は「総合芸術」として素晴らしいのでお奨めだが、DVDを見る限り、熊川というダンサーは、ヌレエフやバリシニコフとはスケールが違いすぎる。DVDの解説では、熊川の「若者」は表現力ではバリシニコフ以上のものがある、などと持ち上げているが、いくらなんでもそれは身びいきが過ぎるというもの。

ヌレエフの現役時代の話をすると、プティはヌレエフ+ジャンメールの『若者と死』の収録を終えたあとも、この作品をヌレエフに舞台で演じてほしいと思っていた。『若者と死』は、舞台装置も単純だ。最後のパリの夜景が現れる部分を省けば、テーブル1つ、椅子4脚、ベッド1台、それに絞首台になる柱があればいい。それなのにヌレエフが公演の演目に入れないので、なぜ踊らないのかとプティは何度もヌレエフに直接尋ねている。

ところが、プティが『若者と死』を、ヌレエフの後に現れたロシアのもう1つの輝ける才能に許諾すると、ヌレエフはプティにこんなことを言ってきた。

「『若者と死』の振りをミーシャ(バリシニコフ)にあげてしまったの? 僕は彼より前に踊ったことがあるのに。どうして僕の巡業用の作品にしてくれなかったの?」(新風舎『ヌレエフとの密なる時』ローラン・プティ著 新倉真由美訳)

この微妙に甘えた物言いの裏には、ヌレエフとプティの「特殊」な関係がある。

<明日へ続く>










Last updated  May 27, 2009 04:50:30 AM
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