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2009年06月20日
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分館といいながら、メトロポリタン美術館からは相当距離があるクロイスターズ。中世ヨーロッパの建築と美術品を収蔵した美術館。

地図はこちら

あまりに不便な場所にあるので、これまで1度も行ったことがなかったが、今回は根性を入れて行ってみた。

クロイスターとは回廊のことで、フランスの僧院から移築されたものが主。ヨーロッパでオリジナルの素晴らしい回廊はたくさん見ているし、それほど期待していなかったのだが、なんのなんの。

予想以上に素晴らしい美術館だった。

回廊は4つあるのだが、現地にそのままあったとしたら遠く離れていた回廊が1つにまとめられているのが面白い。建築年代も12世紀から15世紀と幅がある。ちょっと直しすぎかな、と思えるくらい綺麗に修復され、とても見やすい。

クロイスター1
まずは、最大の見所。キュクサの回廊。ピレネー山脈にある修道院(12世紀)から移築。初期ゴシック様式。中庭の緑も美しい。

クロイスター2
サン・ギエムの回廊。12世紀後半の回廊を再現したもの。断片のほとんどは南フランスの修道院から移送。ガラスの天井から差し込む柔らかな光に照らされた、「展示物としての回廊」は、新鮮だった。

クロイスター3
ボンヌフォンの回廊。13世紀後半から14世紀前半の回廊を再現。断片は主に、フランスのシトー派大僧院から移送。中央に泉を配した、中世僧院の典型的な中庭も再現。

トリーの回廊
トリーの回廊。フランス南西部の宗教建築から断片を集め、15世紀の回廊を再現したもの。色あざやかな支柱が特徴。ここはカフェになっているのだが、清潔好きなアメリカ人の経営とは思えないぐらい汚く、座る気になれず。メニューもまったくたいしたものがないので、利用しないほうが無難かと。ニューリーフカフェにしてよかったと胸を撫で下ろした。

回廊(クロイスター)の移築、再現だけでなく、フランスおよびフランドル地方の中世美術の粋を収蔵しているのが、この美術館の魅力。

まずは、一角獣の狩りのタペストリー。

とらわれの一角獣

タペストリーといえば、何と言ってもパリのクリュニー美術館の「貴婦人と一角獣」が白眉だが、クロイスター所蔵のブリュッセル産(1500年ごろ)のタペストリーも、なかなか見事。

写真の「捕らえられた一角獣」は、保存状態もよく、色も残っている。近くで見ると、「本当に織物なんだ」と基本的なところで感動する。

タペストリーについてはウィキペディアのこちらのページが詳しい。

それから、フランドル地方の画家、ロベール・カンパン(カンピン)作「メロードの祭壇画」(1425年)。
カンバン
テーマはご存知、「受胎告知」。外光の差し込む静謐な室内空間、精緻な布の質感は、北方(つまりフランドル地方)の宗教画の伝統。

日本で大人気のフェルメールも、こうしたフランドルの伝統を受け継ぐ画家であることが、こうした中世期の宗教画を見ると納得できると思う。

クロイスターズでは、「メロードの祭壇画」の展示室に、この聖母マリアのいる部屋の環境を再現したということだったのだが… よくわかりませんでした。

ほかには、中世写本美術の傑作の1つ、「ベリー公の美わしき時祷書」から数ページが展示されているのも特筆すべき点。中世装飾写本の最高傑作、「ベリー公のいとも豪華なる時祷書」はフランスのシャンティイのコンデ美術館所蔵だが、一般公開されていない。

その意味でも、「見せてくれてる」だけで太っ腹だと思う。欲を言えば、文字中心のページではなく、もっと「美わしき」挿絵の入ったページを見せてくれればさらに感激なのだが、傷みやすい美術品だし、仕方がないだろう。展示室は温度管理も徹底され、照明も極力落としてある。

「ベリー公のいとも豪華なる時祷書」については、ウィキペディアのこちらの項を参照。

時祷書そのものについては、こちらのサイトが詳しい

なかなか見ごたえのあるクロイスターズだが、入場料が20ドルととても高い。メトロポリタン美術館も20ドルで、同日に2つを見れば20ドルポッキリですむのだが、それは、あまりに大変だろうと思う。

メトロポリタンとクロイスターズを同日に見ようと思ったら、あの広大なメトロポリタンで見たいものを相当しぼって駆け足で見て、ちょっと複雑な地下鉄の乗り換えをこなし(タクシーで行ったら、おそらく20ドル以上かかるかと)、地下鉄駅からクロイスターズまでの徒歩15分の道をダッシュで走ってたどり着かないと、たぶん閉館時間(夏は5時、冬は4時と案外早い)に間に合わないと思う。

別の日に見るとなると、それぞれで20ドル。

実は、クロイスターズの入場料は規定されているワケではない(少なくとも、パンフレットにはそう書いてある)。ただ、チケット売り場では、「20ドル」と言われる(シニアは15ドル。アメリカ国民でなくても割引してくれる。これはNYのどの美術館も同じ)。

言葉は悪いが、負けずに値切ってもいいと思う(先方の言い値で払わなかった日本人の方のブログはこちら)。メトロポリタンに別の日に行った人なら、なおさら。いくらなんでも両方で40ドルはないでしょう。

ただ、Mizumizuが行ったときは、全員おとなしく(?)20ドル払っていた。Mizumizuも払った。見ごたえのある美術館であることは確かだが、でもやっぱり、実際に2つに40ドル払って見終わってみると、「それはいくらなんでも高すぎるのでは」と思う。

クロイスターズへは、行きは友人宅からタクシーで行ったのだが、帰りは、バスでタイムズスクエアまで帰ってきた。

初めは、地下鉄までバスで行けたら行こうと思って、クロイスターズのクロークで聞いたのだが、クロークにたまたまいた白人のおじいさんがものすごく親切で、

「バスに乗るなら、クォーター(25セント硬貨)がいるよ。ないなら、レジで両替してもらいなさい。で、地下鉄の駅まではバスで1駅だから」

と教えてくれた。クォーターがいることをすっかり失念していたMizumizu、しかも弟の残してくれたクォーターもこんなときにはもう使い切ってない。さっそくレジに戻り、両替してもらった。レジでも快くやってくれた。とても感じがよい。

クロークのおじいさんは、「たぶん、バスから地下鉄に追加料金なしで乗り換えられると思う」と言っていたのだが、バスに乗ってみたら、バス乗り換えだけしかできないと言われた。

バス2ドル、地下鉄2ドルなので、別に1駅でバスを降りて、地下鉄で別料金を払ってもたいしたことないのだが、バスなら1度乗り換えで追加料金なしで(つまり2ドルで)タイムズスクエアまで行くというので、バスにそのまま乗っていた。

しかし、バスというのは乗り換えが難しい。運転手の黒人のおねえさんは、丁寧に、

「XXXXで乗り換えて、その停留所で待って、104番のバスに乗ればタイムズスクエアのそばの42番ストリートに行くから」

というような話をしてくれるのだが、どこで乗り換えるかわからない。なかなか理解しないMizumizuのために、黒人のおねえさんは、ものすごく辛抱強く説明してくれるのだが、返ってまわりくどい話になって意味がわからなくなった(苦笑)。

1度乗り換えて42番ストリートまで行けば、そこはタイムズスクエアの近くだから、もう問題ない。要は乗り換え場所と乗り換えるバスの番号(これは104番らしい)だけわかれば大丈夫なんだけど。

「乗り換えるところで教えてくれる?」
と言ったら、
「ノー! できない」

へっ? なんで?

「私はその前に仕事を替わるから」

なんと次の運転手に仕事を引き継ぐらしい。

「次の運転手に、42番ストリートまで行きたいと話して、教えてもらって」

と言われたのだが、思いっきり不安そうな顔していたら、

「いいわ、私が次の運転手に話しておいてあげる」

と、どこまでも親切。

次のドライバーに「彼女たちタイムズスクエアに行きたいんだって」と話してくれ、次のドライバーも忘れることなく、乗換停留所で教えてくれた。もちろん、運転手から一番近い席に座って、ときどきガンを飛ばしたことは言うまでもない。教えてもらえると思って安心して後ろに座ったりすると、ドライバーのほうで忘れたり、声かけてくれても気づかなかったりすることがある。

停留所でも待っていた人が、「どこへ行きたいの? タイムズスクエア? なら地下鉄のが速いわよ。あ、切符がダメなんだ、そうか。じゃ104番のバスだから」と、さらに念押しで教えてくれる。

みんな、とても親切。東京じゃ、こうはいかない。

無事にバスに乗り換え、見覚えのあるタイムズスクエア近くに戻ってきた。2階建てバスのアッパータウン・ループだと45ドルするが、ブロードウェイを延々と南下する市バスは2ドル(苦笑)。もちろん、「2階」はないケド。

しかし、渋滞で、確かにかなり、相当時間がかかった。やっぱり2ドル増しでも、地下鉄利用のほうが時間のない旅行者にはお奨め。

クロイスターズについては、こちらのサイトもまとまっていてわかりやすい。















最終更新日  2009年06月23日 17時30分32秒
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