Mizumizuのライフスタイル・ブログ

2017/02/26(日)15:02

ノスタルジーと新鮮さ、三原舞依(前編)

フィギュアスケート(2016-2017)(4)

​【2月限定★大決算セール】ミネラルバランス 120粒サプリメント/サプリ/マルチミネラル/Jarrow Formulas/ジャロウフォームラズ/アメリカ​ 宮原選手の怪我で心配されたフィギュアスケート四大陸選手権の女子シングル。 終わってみれば、国内大会では3位だった初出場の17歳が優勝。 こき使いすぎで、大事な試合の前に大切な選手に怪我を負わせる(そして怪我はすべて本人のせい)のがお家芸化している、日本スケート連盟のお偉いさんもホッと胸をなでおろしただろう。 初出場で初優勝という快挙だが、背景にあるのはもはや決定的となったフィギアスケートシングルにおける「少女潮流」だ。 これについては過去にエントリーしたが、 http://plaza.rakuten.co.jp/mizumizu4329/diary/201504020000/ 平昌五輪に向けて、もうこの「潮流」に変化はないように見える。17歳の「少女」の四大陸初出場・初制覇は、まさにこの流れに掉さすもの。 Mizumizuの個人的な印象は、「久々に世界で戦えるレベルの女子選手で、しかもあぶなげのないジャンプを跳ぶ選手を見た」というもの。もっと個人的な感想を書かせていただくなら、「物凄く好きなタイプの選手で、演技を見てスカッとすると同時に、感動で胸がいっぱいになった」。 非常に個人的な感想には、それにたまたま共感できる人以外にはあまり大きな意味を持たないので、まずは「あぶなげのないジャンプを跳ぶ」ことの価値について書いておきたい。 今のフィギュアスケートが、ジャンプの「回り切り」に非常に重点を置いていることは繰り返し述べてきた。高難度ジャンプを「なんとか」降りたとしても、回転不足では減点が厳しく、あまり意味をもたない。逆にコケたとしても、回り切っての転倒だと見なされれば、それなりに高得点が得られる。それについての批判は何度も書いたので、ここでは繰り返さないが、良し悪しは別にして、今はそういうルールのもとで(ある程度は)厳格に採点がなされている。 三原選手の強みは、なんといってもエッジと回転不足に疑いのないジャンプ。特に、女子の場合は女王の条件ともいっていい、ルッツ、それに連続ジャンプのセカンドにもってくるトリプルトゥループの正確さ。 全日本で女王に輝いた宮原選手もルッツの「入り方」と「エッジ」は素晴らしい。ルッツは非常に難しいジャンプだが、何度跳んでもスムーズに、惚れ惚れするような流れからきれいにアウトエッジにのってルッツを跳んでくる。プレパレーションは完璧…なのだが、肝心のジャンプの高さと幅が… 宮原選手がルッツを連続ジャンプのファーストに使うと、Mizumizuはもうヒヤヒヤ。時にはテレビの画面からでも露骨に分かる回転不足のまま降りてきてしまうし、セカンド以降のジャンプは回っていているので大丈夫かなと思ったジャンプでも、スローで再生されると、最初のルッツがグリッているのが写し出され、「Oh! No!」と、ムンクの『叫び』みたいな顔になってしまうのだ。 三原選手の場合は、3ルッツ+3トゥループを完全に回り切って降りてくる。しかも、それを試合で非常に高い確率で決めてくる。セカンドの3トゥループをあれほど余裕をもって降りてくる選手は非常に珍しい。樋口選手も3ルッツ+3トゥループをフリーに2回入れるという「離れ業」のできる、非常に優れたジャンパーなのだが、セカンドの3トゥループがファーストジャンプに比べてやや苦しいこともあり、確率という面で不安がある。また樋口選手は、難度の高い連続ジャンプを決めても、他のシングルジャンプで失敗してしまうというパターンがあり、元来のジャンプの質の高さが生かしきれない恨みがある。 三原選手は、ルッツ+トゥループだけではなく、特に「苦手なジャンプ」がないようだ。いや、本人の中ではあるのかもしれないが、ループもサルコウもきれいだし、フリップのエッジも(今のところは)イチャモンがつかない。このようにすべてのジャンプをバランスよく跳べるというのが三原選手の驚異的な才能だ。 例えば、村上佳菜子選手。ダイナミックなトリプルトゥループ+トリプルトゥループは非常に評価が高かった。女子離れしていたし、二段階でグンッっと上がるようなディレイドジャンプは素晴らしかった。だが、年齢を重ねると回転不足を取られることが増えてしまった。またルッツのエッジは矯正できなかったし、ループも苦手。ループになると突然「よっこいしょ」の重そうなジャンプになってしまう。ソチのあと、日本の「エース」になると期待されていた逸材だが、成績が伸び悩んでしまったのは周知のとおり。今回の全日本では単独のループも外してきた。 今のルールでは、難しいジャンプに突出した才能をもっていても、バランスよくジャンプが跳べなければ、世界のトップを取るのは困難だ。ある意味、旧採点時代の良き伝統が戻ってきたともいえる。「バンクーバー特製2年間ルール」でゆがめられたジャンプの評価がソチを経て、かなり矯正されてきた。ソチ五輪で、キム・ヨナ選手がソトニコワ選手に勝てなかった「隠された最大の理由」は、単独ループを避けたせいだ。1つ3回転ジャンプを避けると、連続ジャンプのバリエーションも限られるから、積み上げられる点数も抑えられる。 三原選手にはこうした欠点がない。全日本、四大陸とも、連続ジャンプ、単独ジャンプ、すべてのジャンプに加点。 スゲー できませんよ、こんなこと。 (続き)

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