24002168 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

Mizumizuのライフスタイル・ブログ

Mizumizuのライフスタイル・ブログ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

バックナンバー

2023.12
2023.11
2023.10
2023.09

カテゴリ

カテゴリ未分類

(11)

Interior

(35)

Travel

(91)

Travel(ベトナム)

(41)

Travel(フランス)

(65)

Travel(ハワイ・NY)

(36)

Travel(タイ)

(82)

Travel (イタリア&シチリア)

(47)

Travel(チェコ)

(11)

Travel (インドネシア、バリ)

(18)

Travel(日本)

(38)

Travel(日本、九州)

(39)

Travel(日本、中国地方)

(30)

Gourmet (Asian)

(10)

Gourmet (Japanese)

(11)

Gourmet (European)

(23)

Gourmet (Sweets)

(71)

Gourmet (Curry)

(18)

Gourmet (Others)

(7)

Gourmet(荻窪)

(13)

Gourmet & Shop (西荻窪)

(8)

Gourmet(阿佐ヶ谷)

(3)

Gourmet & Shop (吉祥寺)

(6)

Recipe

(6)

Essay

(137)

Movie

(158)

Movie(フランソワ・トリュフォー)

(3)

Movie(ジャン・ピエール・メルヴィル)

(3)

Movie (アンドレ・ユヌベル)

(4)

Movie(フェデリコ・フェリーニ)

(10)

Movie(エットレ・スコラ)

(1)

Movie(ドミニク・サンダ)

(3)

Movie (ベルナルド・ベルトルッチ)

(1)

Movie(ルキーノ・ヴィスコンティ)

(4)

Movie(ジュード・ロウ)

(12)

Art (ジャン・コクトー&ジャン・マレー)

(12)

Art(オペラ・バレエ・ミュージカル関連)

(6)

Figure Skating

(26)

Figure Skating(2008-2009)

(90)

Figure Skating(2009-2010)

(49)

Figure Skating(2010-2011)

(71)

Figure Skating(2011-2012)

(1)

Figure Skating(2013-2014)

(21)

販売書籍のご案内

(1)

Figure Skating(2014-2015)

(28)

Figure Skating(2015-2016)

(8)

フィギュアスケート(2016-2017)

(4)

Travel(日本、関東)

(7)

フィギュアスケート(2017-2018)

(12)

Figure Skating(2018-2019)

(6)

Figure Skating(2020-2021)

(3)

Figure Skating(2021-2022)

(10)

(5)

Figure Skating (2023-

(4)

手塚治虫

(38)

日記/記事の投稿

楽天カード

購入履歴

お気に入りブログ

ゴロワのブログ GAULOISES1111さん
Tomy's room Tomy1113さん
2019.02.02
XML
カテゴリ:Essay
<昨日のエントリーから続く>

同級生の死というのは、実際にそれが来てしまうと、想像していた以上の寂寥感をもたらす。ご家族やさらに近しい人々の心情を想えば、「私も悲しんでいます」などとはおこがましくて言えないが、中学という若い時代、人生を四季にたとえるなら、春のただなか、あるいは夏へ向かう、みずみずしく元気な時代のイメージしか、ほぼない人の、それも病死となるとなおさらだ。

病魔は、いくら人間が気をつけていてもふいに襲ってくるものだ。それがたまたま「彼」であっただけの話で、「彼」は「私」だったかもしれない。「彼」に訪れた終焉は、思うより早く「私」のそばに来ているのだろう。得体の知れない影のようにひたひたと迫ってくる孤独感は、「もうあの人に会うことも、話すこともできないのだ」という信じがたく、受け入れがたい事実の悲しさ以上に、自らにも迫ってきた死への恐怖なのかもしれない。

このところ、私はしばしば山口の実家へ帰る。実家に転がっている古いモノたちは、ふいに忘れた過去の記憶をよみがえらせる。たとえば、古い楽譜。

中学の英語の授業の中で、ある歌を歌ったことをふいに思い出した。

Gone are the days when my heart was young and gay,
Gone are my friends from the cotton fields away,
Gone from the earth to a better land I know,
I hear their gentle voices calling Old Black Joe.

歌詞の書かれた楽譜を机の上に立てながら、皆で歌ったとき、私の隣りの席に座っていたのは、おそらく亡くなった彼だった。

I'm coming, I'm coming, for my head is bending low,
I hear their gentle voices calling Old Black Joe.


彼を含めて、先に逝ってしまった友人たちの顔を思い浮かべながら、この歌を口ずさむ、Joeのように年老いた自分の姿が、ひどく現実味を帯びて目に浮かんだ。この歌を習った頃には、まさか自分がOld Balck Joeになるなんて、思ってもいなかったのに。

実家では、亡父の遺した持ち物を、少しずつ整理している。もう父が亡くなって10年以上。いい加減に片付けなければ。「片付ける」とは、すなわち「捨てる」もしくは、「売る」ということだが。

父が買った初期のシンセサイザーがあった。中学の頃だ。またも、忘れていた思い出が蘇る。

シンセサイザーが家にあると級友に話したら、誰より強い反応を示したのが、亡くなった彼だったのだ。「シンセサイザー、くれよー」などと言ってきた。冗談にしては声が本気すぎた。そもそもシンセサイザーなるものの存在さえ知らない人がほとんどだった時代に、なぜそこまで彼が関心を持つのか、その時は理解できなかった。

彼が音楽好きで、自分でシンセサイザーを買って曲まで作っていたのを知ったのは、彼が闘病ブログを書き出してからだ。彼所有のエレキギターの数々にも驚かされた。機能まではブログの写真では分からないが、色やフォルムからして、「コレクション」と呼ぶにふさわしい、美しき現代の撥弦楽器。

そこでまた奇妙が符合が起こる。亡父は抱えて演奏するタイプの民族弦楽器を集めていた。インドのシタール、中国琵琶、沖縄の三線、ベトナムのダン・タム、ロシアのバラライカ… すべて現地で購入してきた。父の生前は、壁にかけて飾っていたこともあるこれらの美しい弦楽器は、半ば壊れてしまったものも含めて、今も実家にある。

亡くなった彼は、「ギターもね、なんであんなに集めちゃったんだろうと思う」と、私へのメールに書いてきたことがある。病気が悪くなってきた頃で、「かみさんは興味ないから、自分で処分しないと」と、気にしていた。

もしがんと共存できたら、古民家を買って改築して住みたいというのが彼の希望だったから、古民家にあの美しいエレキギターが飾られたらさぞやステキじゃないか、と実家に遺った民族弦楽器――撥弦楽器も擦弦楽器もあるが、私から見れば形からしてギターの仲間――のコレクションを思い浮かべながら思ったが、何も言えなかった。

私だって自分で買うほどの興味はないが、「遺された」弦楽器は捨てずにいる――そんな話の流れになってしまいそうだったから。

彼が亡くなったのは、2018年12月8日。彼がCDデビューしたのが、2019年1月23日。それから、四十九日。その3日後、1月29日は父の命日だ。山口の実家で朝メールを見ると、デビューした彼からメールが入っていた。

ダウンロード配信が始まったというお知らせだった。そして、アマゾンのデジタルミュージック、アルバム、キッズ・ファミリー部門で1位を獲得したという

さっそくサイトにアクセスし、聴いてみる。マスターの彼には、なにげに驚かされることが多いが、今回も、だった。

<続く>








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2019.02.03 00:27:39



© Rakuten Group, Inc.