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2019.02.03
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カテゴリ:Essay
<昨日のエントリーから続く>

パパの作りばなし [ 関周 ]


関周/パパの作りばなし 【CD】

マスターの彼は、ピアノやアコーディオンも弾くが、プロデューサー的な仕事もする。店には彼に伴奏してもらって歌を歌うのを目当てに来る人もいるが、彼がプロデュースしたライブを聴きに来る人も多い。

「クイーンエメラルダス」は、彼の店で定期的にライブしている。松本伊代のお姉さんが、実は歌唱力抜群だということを私が知ったのも彼の店だ。

だから、てっきり発売されたCDも、「歌手デビュー」といいつつも、彼自身のプロデュース色の強いものだろうと想像していた。

だが、まったく違った。3曲通すと、クラシックの室内楽を聴いているような心地よさに浸っている自分に気づく。演奏メンバーは明らかに正統派の手練れだ。電子的に「足した」音は一切しない。

1曲目は、ピアノに加えて、バイオリン、ビオラ、チェロ。弦の音の厚みが、ごくごく一般的な、けれどももしかしたら得難く幸せな、親と子の情景を語る歌詞にかぶってくる。

これ、作った人たち、タダ者じゃないでしょ。

マスター個人の技量だけで勝負してる、知る人「だけ」が知る街角の小さなライブハウスに入ったつもりが、迎えてくれたのは、さっきまで、それぞれ別々の専門のフィールドで演奏してたその道のプロたちだった――という驚きだ。

2曲目では、弦に加えて、スキルフルなソプラノサックスの音。3曲目では、一転してピアノとフルートのみ。フルートが人の吐息に聴こえる。それは昔、バッハのフルートソナタを聴いて感じた心地よさに通じる体験だった。

音合わせを何度も重ねてスキのないものをつくる…というのが、CD制作をする人たち、ましてや生演奏だけで音を入れる人たちが一様に目指す方向だという先入観が私にはあったのだが、見事に、心地よく、ひっくり返された。つまり、ある種の即興の良さ、のようなもの――が感じ取れるのだ。その「一期一会」感が、なんともイイ。

音にのってくる彼のちょっと素人っぽい歌声が、また不思議に新鮮だ。これが、声楽をみっちり学びました…なんていう声だったら、「へーー、うまいねー、ほーー、すごいねー」とひれ伏して、それで終わりかもしれない。

これなら自分にも、歌えるかもしれない、歌ってみようかな――そんな、付け入るスキのある歌唱。それでいて、彼が送ってきた人生だとか、音楽が作り出す世界に対する考え方だとか、そして、自分はこの歌を聴いてほしいのだという情熱も、さりげなく伝わってくる。

自己満足レベルからプロはだしのレベルまで、彼の店ではいろいろな人が歌を歌うが、そうした幾千の歌を聴くうちに培ってきた「何か」が彼の表現にはあるように思う。

作詞は伸我。初めて聞く名前だったが、まるで自分の心の中を覗かれたように、どきりとするフレーズを書く人だ。興味を持ったので、他の作品を探してみたら、「メタセコイアの枯れ葉」に、やはりどきりとさせられた。

♪あなたを失ったことより 現在(いま)を変える勇気が少しも残っていない それが悲しい

ここにも不思議な符号。私の実家のすぐそばには、壮麗なメタセコイアの並木を持つ公園があるのだ。

そして、また、あの3曲に戻る。繰り返し聴くうちに、彼の死をきっかけに、私の思考を暗く孤独な終焉へと引きずりこんでいたOld Balck Joeが、過去の歴史的名曲というあるべきポジションに帰っていってくれた。

そもそも、彼も、彼も、私も、Old Balck Joeではない。私たちは誰も綿花畑で苛酷な労働など強いられることはなかった。Old Balck Joe――あるいはBalckという言葉を好まずOld Old Joeと歌う人もいるが――の人生は、その哀しみと寂しさは、立場を超えて多くの人の共感を呼ぶとはいえ、それは私の人生ではない。

彼も、彼も、私も、音楽にまつわる楽しみを知っている。それはある程度、私たちの親たちが授けてくれたものだ。そして、それは幸運なことだ。

彼も、彼も、私も、同じ場所にいたのは高校卒業までだ。そのあとは、それぞれ違う場所で、違う生き方をしてきた。彼にも、彼にも、私にも、それぞれが知らない人と交わることで築き上げた世界がある。生きることでしか描けない円がある。彼と、彼と、私の描く円は、時に近づき、時に交わる。

彼が歌手として参加したこのCD。その制作に携わった人たち、彼の「円」の中にいる人たちを、その才能を、私は今回初めて知ることができた。

これからも、彼と、彼と、私と、それからまた別の彼や彼女たちの描いた円は、近づいたり、遠ざかったりするだろう。ひとりの彼は、すでにこの世から去ってしまったが、彼の描いた円は、やはり確かにこの世にある。

タイムリミットが迫る直前に、彼が彼に会いに行き、実際に会えた瞬間に、彼と彼の円が交わり、そこで他人にはうかがい知れない何かが受け渡されたかもしれない。

これが彼と、彼と、私の物語だ。ロンド(輪舞)と呼ぶほど劇的でも特別でもない。だが、この機に語らずにおけるほど、私にとって小さくもない。

これからも、あなたと、あなたと、あなたの円が近づき、思いがけず交わったとき、あなたは、あなたとは別の円の中にいる人たちの美しさ、素晴らしさを知るのかもしれない。

そのときに、円は縁になる。

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最終更新日  2019.03.14 11:37:43

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