経常黒字4年連続増、配当・旅行収支伸びる 17年度 【日本経済新聞】
2018.5.10 日本経済新聞 財務省が10日発表した2017年度の国際収支速報によると、日本が海外との貿易や金融取引でどれだけ稼いだかを示す経常収支は21兆7362億円の黒字となり、16年度比で3.4%増えた。 経常黒字額は14年度以降4年連続で前の年度を上回った。 世界景気の回復や円安を受け、企業が海外子会社から受け取る配当などの伸びが目立った。 経常収支の黒字幅は過去3番目の大きさだった。 16年度に引き続き20兆円の大台を超え、リーマン・ショック前の07年度(24兆3376億円の黒字)に迫る水準に回復しつつある。 17年度の経常黒字の増加は、企業の海外子会社の稼ぎなどを示す第1次所得収支の伸びの影響が大きい。 第1次所得収支は19兆9105億円で、16年度から6.3%増えた。 世界経済をけん引する米国やアジア、欧州などの成長率が上向き、日本企業の海外子会社の業績が好調。 子会社から得る配当金などが増えた。(中略) 訪日外国人の増加を背景に、旅行収支は過去最大の黒字になった 輸送や旅行、金融といった取引の収支を示すサービス収支は6029億円の赤字で、赤字幅は過去最小となった。 サービス収支のうち、旅行収支は過去最大の黒字(1兆9325億円)。 訪日外国人観光客数が16年度よりも約2割増え、外国人が日本で使うお金が増えた状況を反映した。 貿易収支の黒字額は4兆5818億円で、20.8%減少した。 原油価格が円ベースで2割超上昇し、輸入額が増えた。(引用ここまで) 暦年の2017年 日本の経常収支は21兆8742億円でした。 そして、会計年度の2017年 日本の経常収支は21兆7362億です。 暦年でも会計年度でも、あまり変わらないですね。 ちなみに過去5年間の会計年度の経常収支他の推移は以下の通りです。 2013年度⇒2014年度⇒2015年度⇒2016年度⇒2017年度■経常収支: +23,929⇒ +87,031⇒+182,720⇒+210,188⇒+217,362■貿易収支:-144,785⇒ -94,116⇒ -10,141 ⇒ +44,038 ⇒ +39,789■サービス収支:-34,330⇒ -27,728⇒ -13,140 ⇒ -13,813 ⇒ -6,029■第1次所得収支:+183,191⇒+200,488⇒+212,958⇒+187,261⇒+199,105 見て分かるとおり、日本の経常収支のほとんどを「第一次所得収支」が占めており、その金額は過去5年間でも、ほぼ横ばいです。 急に増えたり減ったりするものではないと言うことですね。リーマンショックの年でも13兆円近くの黒字ですので、この黒字が日本経済を下支えしているわけです。 大きく上下動しているのが貿易収支。 2013年度の14兆円以上の赤字というのは、過去最大の赤字です。 リーマンショックの年も、東日本大震災の年も、ここまで赤字が膨らんでいるわけでないのですが、2013年度は原油価格がピークを迎えており、その影響が大きかった模様です。 で、昨年から今年にかけて原油価格がまた急上昇しているため、このままだと2018年度の貿易収支は赤字になる可能性が高いです。 経常収支の黒字赤字で一喜一憂するなという意見もありますが、武力でどうにかなるアメリカやロシア、中国はともかく、憲法上武力を保有していない日本が、経常赤字で平気なわけがありません。 外的要素に影響されるのは仕方ないにしろ、安定して外資が流入する国であり続けることが、資源がなく人口減に悩まされている日本の生き残る道だと思います。