タバコ葉の正体
ちょっと煙草の話題を…タバコ属植物の葉がパイプ煙草の原材料になっていますが、そのタバコ属ですが、なんと!ナス、トマト、唐辛子等と同じナス科なのですよ。…とは言うものの、タバコ属って50種類以上もあるのです。この50種類以上もあるタバコ属ですが、原料煙草として栽培されているのは、ニコチアナ・タバカム(nicotiana tabacum)と、ニコチアナ・ルスチカ(Nicotiana rustica)の2種類のみなのです。花の色が異なる点が、この2つの大きな違いでしょう。ん~確かにナスの花に似てますね。で、一般的に喫煙されているのは、ニコチアナ・タバカムの葉のようで、シコチアナ・ルスチカの方は、気温が低くニコチアナ・タバカムを栽培できない地域で栽培されていて、局地的に消費されているだけのようです。ニコチアナ・タバカムの原産地は、南アフリカのボリビアを中心とした地域と考えられていて、野生種が自然交配を繰り返しながら原形が形成され、中央アメリカの原住民の間で喫煙に供されるようになったと言われています。葉タバコは、栽培される土地の気候風土や土壌によって微妙に変化してるようで、同じ種子でも栽培条件が全く違えば全く違った品種になってしまうようです。一般的にタバコの葉は、はじめは光沢のある緑色をしていて、成熟すると黄緑色になります。1本の幹に付く葉の数は品種によって異なりますが、20枚前後から多いもので30枚前後のようです。収穫は、葉の成熟する段階ごとに行われ、普通下の葉から順に上の方に向かって成熟するので、下の方から順に2,3枚ずつ収穫し、全ての葉を収穫するのに1ヶ月程かかります。また、葉の付く場所によっても葉型が異なり、香喫味の質や強さも大きく異なるので、1本の幹について葉にもそれぞれ品質はあります。味の特徴ですが、一般的に下位葉は丸味をおび、葉肉は薄く、香りも少なく、喫味も弱いようです。上位葉になるに従って狭長となり、葉肉は厚く、香りも濃く、喫味も強くなります。下位葉は繊維質で泥臭みまじりで、うまみも少ない。下位葉の上位にある中葉、中葉の上位にある本葉はもっとまとまった香味とされていますが、中葉より本葉の方が香味は強い。最上位の葉は天葉といって、樹脂臭があります。収穫した葉は乾燥を行います。タバコの乾燥は、単に水分を失わせる為だけのモノではありません。乾燥経過中に葉の酵素を働かせて種々の化学変化を起こし、葉タバコの用途に応じてそれぞれの特有の香味や色調に仕上げるのが目的なので、乾燥方法もタバコの種類によって必然的に異なります。乾燥方法には、大きく分けて火力乾燥と空気乾燥があります。火力乾燥は黄色種などではバーレー種、在来種などにも主に使われているようですが、最近ではバーレー種、在来種も風火力を利用した乾燥方法などがとられていて、乾燥方法も多様化してきているようです。 【森林書房 新版パイプ大全/日本パイプスモーカーズクラブ】より抜粋