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ハワイアンコナでコーヒーブレイク

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特発性拡張型心筋症(DCM)とは

心筋症
しんきんしょう cardiomyopathy

心筋を侵し心臓拡大,心臓肥大をきたす疾患の総称。

 その中で、原因不明のものを特発性心筋症idiopathic cardiomyopathy,診断がついた全身性疾患との関連が明らかなものを特殊な心筋疾患(従来,続発性心筋症といわれていた)と呼ぶ。
しかし後者は全身性疾患名を用いればよいので,多くの場合,心筋症という言葉は特発性心筋症を指していう。
 心筋症はは日本では比較的若年の20~40歳代に発症し,全心臓疾患の3~15%と必ずしもまれな疾患でないこと,原因不明とはいうものの家族性に発症したり,感冒様症状から発病してくる場合があること,さらに急死の原因になることなどから,注目されている疾患である。

[拡張型心筋症]  
拡張型(鬱血(うつけつ)型)心筋症 dilated cardiomyopathy(DCM と略す)

 心筋の変性,繊維化が起こり,心室筋の収縮不全が生ずるために心臓の拡大が著しく,ポンプ不全が特徴的である。その結果,肺に鬱血症状を呈する心不全状態を将来することが多い。

 原因がまだ解明されておらず、根治的な治療法がないため、現在、特定疾患の難病に指定されている。

[症状,診断その他] 

 異常な心電図変化で発見される場合が多く,不整脈もかなり高頻度にみられる。
 患者の訴えとしては動悸,呼吸困難,胸部圧迫感,疲れやすい,などが多い。
 確定診断は,他の心臓疾患がなく,心エコー図で壁肥厚や内腔の著しい拡大などの特徴的所見が発見されること,さらに心臓カテーテル法によって心筋生検を行い組織診断をすることによってえられる。

 拡張型心筋症においてはウイルス性心筋炎が原因ではないかという疑いがもたれており,その際,初感染が無症状だったり,軽く感冒様症状にとどまったり,同時に発症がきわめて緩徐であったりするため心筋炎と心筋症との関連を断定するのに困難なことが多い。
 しかしコクサッキー B ウイルス,インフルエンザウイルスなどとの関連が指摘されはじめている。

[予後,治療]  

 特発性心筋症は病型により予後は多様であり,ときに長期安静が必要となる。
 心筋症と診断された患者は,初期には心肥大,心電図異常等が指摘されるものの,日常生活に差しさわりのない程度に体を動かすことができる。
 長年そのまま経過する場合もあるが,そのほかに病状が悪化してしだいに労作に伴う呼吸困難あるいは不整脈に悩まされ,入院・退院を繰り返し死に至るものがある。死因として、通常,拡張型は鬱血性心不全をみることが多い。

 治療は,原因疾患を治療することが不可能なため対症的に行う。
 拡張型にはジギタリスなどの強心剤や利尿剤を用いる。
 拡張型心筋症の末期には心臓移植が唯一の治療法となることがある。

 しかし近年では、心臓を一部切り取り、左心室を小さくするバチスタ手術も効果を上げている。

 以前は生存率3年から5年と、極めて予後の悪い病気であったが、近年はβープロッカーの投薬などで、生存率も伸びている。             



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