スカイツリー、落雷を逆手に研究
タワー世界一の高さ634メートルを誇る東京スカイツリー(東京都墨田区)で、雷は心配の種の一つだ。年10回程度は落雷があるとみられ、関東各地で落雷があった18日にも落ちた。これを逆手にとって雷を計測し、データを集めようという研究が、22日の開業に先立って始まっている。 東京大学生産技術研究所の石井勝教授(高電圧工学)の研究室と電力中央研究所、東武タワースカイツリー社の共同研究。具体的には雷による電流の波形をとらえ、最大値と継続時間を計測しようとしている。電流でものが壊れる被害は、電流の大きさによる場合と、長い時間継続して流れることによる場合の2通りがあるからだ。 直径約20センチ、全長約31メートルで、塩化ビニールで包んだ「ロゴスキーコイル」と呼ぶ銅線のコイルを使用。昨年11月、高さ497メートル地点まで引き上げ、最上部にある「ゲイン塔」の根元を囲むように設置した。320メートル地点の記録用パソコンと接続し、3月には測定できるようになった。 東武タワー社の把握では、2月にスカイツリーが完成してから、落雷は18日以外に4月24日と今月10日にもあった。前の2回はコイルより下に落ちるなどしたためかデータは取れなかったが、18日は、初めて取れた模様だ。 出典:http://www.asahi.com/science/update/0518/TKY201205180517.html