統計数理研究所について
先週末、国文学研究資料館、極地研究所など文科省関係の研究所が並ぶ一角に、統計数理研究所が移動してきてオープン・ハウスと言う事で見学に行ってきた。昔は文部省直轄の研究所だったようだが、今は『大学共同利用機関法人情報・システム研究機構統計数理研究所』と長い名前がついた独立行政法人のようだ。案内チラシによれば◎ゲノム(遺伝子情報)解析⇒動物の進化の歴史を探索(マダガスカルの原猿類)◎大量データ解析⇒大気、海洋、津波などの解析やシュミレーション(奥尻島沖地震の津波)◎時空間モデルの解析⇒地震活動調査、地震予測(立川断層の解析、予測)◎医薬品、食品の安全性評価⇒高血圧症への降圧剤の効果◎リスク解析⇒環境リスク評価(東京湾の水質汚染など)、医薬品・食品の安全性(高血圧症への降圧剤効果)、銀行の追加融資行動と信用リスク◎社会調査のデータベース化⇒日本人の国民性調査などいろいろ難しい研究を進めているらしい。中でも 立川断層の危険度予測に関する研究は身近な話で興味があった。偶然だが、この研究所と東京地方裁判所の間には北西から南東に向かい断層面がある。地盤は互いに押し合い(斥力)、東側(裁判所側)の地盤が西側(統計数理研究所側)の乗り掛かろうとしている。立川断層面の地震(断層面の破壊)周期は1万年~1万5千年周期で、地震発生確率は私が恐らくギリギリ生きているかもしれない頃まで(今後30年以内)で、0.5~ 2.0%)どんな世の中になっているか全く予測もつかないが、今後300年以内で5.0~20.0%と推定されるそうだ。立川断層面の地震規模がズレ量⇒2~3m、マグニチュード7.4くらいと書かれると信憑性が増す。更に面白い統計調査結果が同じチラシにあった。日本人の国民性調査として、1953年(昭和28年)から5年毎に2008年(平成20年)まで統計調査を行い、日本人の考え方がこの半世紀の間に、どう変ってきたのか調査した。 Q,あなたにとって一番大切なものは?との問いに A,『家族』との答えが12%⇒46%へ 大幅増加。 Q,もう一度生まれ変るとしたら、どちらに生まれてきたいですか?との問いに A、昔は『女性』が『男性に』と答えたのに、55年後の今は、『女性に』との答えが飛躍的に増加している。昔は女は辛く、男志望が強かったのが、今は女が楽なのか?男が辛いのか?何れにしても男になることは余り期待されていないようだ。 館内ツアーでは大規模な統計数理計算、シュミレーション計算を行うためスーパー・コンピューターが用意されていた。一定温度(17~18℃?)に空調された地下室で稼働中のものは、分散型コンピユーターで高機能パソコン:360台分に相当し国内で10番目程度の能力を持つと説明があった。年間リース料が2億円弱で、更に冷房含め電力使用量が小さな町の使用量に匹敵するらしい。