NHK日曜美術館で 「 イサム・ノグチ 」 特集をやっていた。
イサムの創ったものはどれも、
削ぎ落とされた究極のかたちをしていて、
スピリチュアルで強く、そして石であっても暖かく、
とても心打たれます。
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イサム・ノグチ ISAMU NOGUCHI
1904 ~ 1988 ロサンゼルス生まれ
日本人の父とアメリカ人の母の血を持ち、
幼少期を茅ヶ崎で、少年期をアメリカにて過ごす。
石の彫刻家、家具・照明デザイナー、ランドスケープデザイナー
詳しくは
こちらから
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実現することのなかった広島の原爆追悼のモニュメント。
広島平和都市専門委員会の却下の理由は、
彼が原爆を落としたアメリカの人間であるからだったそうです。
この決定に彼は深い傷を負ったとか。
残された模型からは、深い祈りを持った鎮魂が感じられる。
残念なことです。
彼はまた、アメリカからは、
真珠湾攻撃をした日本の人間であるから、という理由で、
彫刻を排除されたことがあったそう。
明治という時代に、
二つの国の血を持って生まれてきた苦しみは相当なものであり、
彼はいつもそれに引き裂かれ、
自分の居場所を求めてもがいていたという。
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彼が亡くなる年に着手した札幌のモエレ沼公園が、
17年の時を隔てて今年ようやく完成したとのこと。
壮大なランドスケープ・プロジェクトです。
昔行った時にはまだ何にもできていない状態だった。
札幌郊外のすっごくヘンピな場所にあるのだけれど、
ぜひ行ってみたいと思ってる。
香川県、牟礼にある記念館へもいつか訪れたい。
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とても嬉しかったのが、
私が「 お月様 」 と呼んで長年愛し続けてている
「 AKARI 」 にまつわる、すてきなお話が聞けたこと。
彼は、幼少の僅かな時期にしか、
父親と生活を共にしなかったそうなのだが、
その、詩人であったイサムの父親の談話によると、
まだ2歳の幼かったイサムは、
障子にお月様が映ると安心して眠ったのだとか。
お月様が出ない夜には、
父親が行灯でお月様を模して寝かせたのだそう ...。
単に岐阜提灯からの発想だけではなかったのですね。
こんなおとぎ話があったなんて ... 涙
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今晩8時よりNHK教育TV再放送
以前の私のイサム・ノグチの日記