Millais Ophelia
水辺の草いきれ
めまい しそう
からみあう木の枝
とほく 鳥のさえずり
飛び立つ羽音
季節に統一感はないものの、
植物に携わる者としても、
見飽きることなく 。。。
描かれた花ひとつひとつに
秘められた言の葉を
重ねながら見るとよけいに。
なにを想って オフィーリアは
花環を束ねようとしたのだろう。
花には人の想いが宿る ・・・。
水 。。。。。。
これが草土の上だったら、
こんなにも揺さぶられない。
ハムレットに捨てられ、誤って父を殺されたショックから
狂ったオフィーリアの
水の流れのままに死を受容し、沈みゆく姿。
人は、最後にどこの箍(たが)が外れると壊れてしまうのだろう。
いっそ狂ってしまえたら・・・ という思いを
押しとどめる正気とはなんなのか。
狂ってしまったことによって
苦悩から解き放たれ、
水に身を任せているオフィーリア。
眼は静かに見開かれ、
涙すら伝わってはいない。
なにもわかってはいないのか。
全てわかって受容しているのか。
仰向けに天へ向けられた手の平は殉教者の手。
運命をただ静かに受け入れる手。
指先は、かすかにでも
愛しい人の手が差し伸べられるのを待っているのか。
歌口ずさむ唇 。。。
***
年代順の展示となっているので、
あっという間のオフィーリア登場。
22歳の時の作品とは !!!
ダ・ビンチ、20歳での受胎告知 といい、
天才そのもの。
モデルのシデルが10年後、33歳にて自死しているのも
絵の持つ迫真性を強めている。
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「 オフィーリア 」 が見られる ・・・ !
それだけを楽しみに行きましたが、
すばらしく見ごたえのある絵ばかりで、ため息 。。。
充実した展覧会で、堪能しました。
誰が見ても素直に、技量の高さに驚き、
素晴らしい ! 美しい ! と言える絵ばかり。
美男美女。
中世のドレスの美しさにも
女性なら心奪われる。
子供たちの絵もなんとも愛らしい。
スパニッシュな趣の少女や、
眠っている少女なんて、たまらない。
絵の具の持つ色彩の強さ、美しさも
ダイレクトに響いてきます。
そんな正統派の絵なのだけれど、
内面の心理状態が波打つように伝わってきて
揺さぶられる。
ミレイ展 IN bunkamuraミュージアム
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bunkamura にしては混みあっていましたが、
たっぷり時間をとって行ったので、
ゆったりと浸ることができました。
今展は、無料券や割引券をいただいたので、
また何度か足を運ぶことと思います。
bunkamuraは、普段19時まで、
金・土曜は21時まで開館しているので、
お忙しいかたにもオススメ !
2008・10・26 まで
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*グランマンマーレ IN ポニョ