先週初めに見てきた。
程よいボリューム、程よい混み加減で、
ゆったりクレーと向き合えた夜。
IN bunkamura ザ・ミュージアム
2009・3・22 まで
***
ピカソ、クレー、二人展のような印象を抱かせるコピーは
ちょっと ...。
後半はクレー展になっていて27点出てますけど、
ピカソは5,6点のみですし。
ピカソは去年散々見たのでべつにいいけれど (>-<)
『 ~と~の生きた時代展 』 と言うのなら、
バウハウスで共に教鞭を取った同志として、
『 クレーとカンディンスキーの生きた時代展 』 よね ?
美術展のコピーって、
時々、こういう集客目当てのフェイントが目に付く。
あまり気持ちのいいものじゃないよね。
好きになれないな ...。
男なら (?) 直球勝負してちょうだい (?!)
***
って、ブツブツ言ってしまったけれど、
気にいったもの何点か。
作品写真は ↑ リンクから。
ピカソでは 『 鏡の前の女 』
去年の
華麗なるピカソの女性遍歴展を見てから、
ひと目で誰をモデルにした絵なのか、
わかるようになっちゃったじゃないですか ―
マリー・テレーズをモデルにした絵は、
モデルの持つ素質なのでしょう、
のびやかな原始性があって、けっこう好き。
「 原始、女性は太陽だった 」 っていうような
埴輪などと共通する女性像を感じる。
スーチンの生物画 『 キジのある静物 』
どこか凄烈な痛々しさ。
スーチンはモディのかわいがった人だから、
つい肩入れして見ちゃう。
ミロ 『 リズミカルな人々 』
赤をまとった、やじろべえ
カンディンスキーの油彩3点
クレーとは違った意味で、
音楽といつも一体化している。
どれも素敵 !
ロベール・ドローネー 『 窓 』
すこしずつ強さを増す 春の光。
クレーに大きな影響を与えたことがよくわかる絵。
***
後半はクレー展。
クレーのものはやっぱりどれも好き。
線と色彩の分割、調和 。。。
音は空気の振動。
色は光の波長。
共に身体に直接に作用する。
眼や耳の不自由なかたにさえも。
音楽理論と色彩理論、原理は密接。
音楽家でもあったクレーの絵って、
音楽が内包されてる。
聴こえてくる、のではなく。
音楽を表現しているのでもなく。
絵が音楽そのもの ?
『 リズミカルな森のラクダ 』
クレーって、ネーミングのセンスも好き !
ラクダはどこにいるかなあ ?
って、子供と一緒に探したりするのも楽しそう ♪
連想ゲームが止まらない。
こどもの色音符 さくらんぼ 姫りんご
キャンディー マリンバの音 テクノが意外と似合いそう ~
あらあら、1曲できちゃった ^^
『 赤いチョッキ 』
ん ? 赤くないけど (笑)
古代洞窟壁画の象形文字みたい。
インドネシアの更紗模様みたい。
ユーモラスだけど、絶妙なバランス。
死の直前、この絶妙な線が、
色すらもそぎ落とされ、
究極のミニマムになって生まれたのが
天使 かな 。。。
クレーって、
かなしすぎず、
つらすぎず、
うれしすぎず、
はしゃぎすぎず、
あたりまえのまいにちのように、
ただ、あるがままにそこにある、
っていうかんじが
いいなあ。