モエレ山の住人

次女が東京に就職してから
居間に居るのは長女と三女となりました。
田舎に居たらダメだと勧めたのは私。
長女も三女も東京はイヤだと札幌に就職。

でも次女は東京に行きました。
だから、一人減ったのは致し方なしと思っていましたが、
本当に、減る日が来たのだなと。

やがて、居間には老夫婦しか居なくなる日が来る。
その始まりかと。





そう、チャペルの裏側で何が行われているのか初めて知りました。

牧師さんは米国人（だと思う）。
日本語は流暢。

「お父さん、娘さんに声を掛けて下さい。」
それで私は、
”お父さん、お母さんのために今までありがとう。”
と言いました。

照れ笑いをしていた娘は、その瞬間、ボロボロと泣きました。

もちろん係の人も居るので、
涙を拭いたり、化粧を直したり。

そして、「お母さん、ベールを降ろして下さい。」
かみさんがベールを降ろし、やがて婚約者がベールを上げる・・・・・・

そうなんだと知りました。

「ゆっくり歩いて下さい。来られている人に見せて下さい。」
それに関西人らしくギャグで応えながらも、胸はいっぱい。




開きました、扉。

娘の手を取りながらゆっくりと進む。
みんながこちらを見る中を、ゆっくりと花婿に向かって進む。
花婿と３人が揃って前を向く。
すべての始まりでした。

牧師さんが、粛々と進めていく。
何もかもが、もう止まらない。
ただ、じーっと見ている私。
ただただ時間に押し流されている様な感覚でした。

宣誓し、指輪を交換し、、、、、

式が終わった。

嬉しいのか何なのか自分でも分からない。


チャペルの外ではフラワーシャワー。
そして花嫁の投げたブーケは、
何と札幌から来てくれた小学校からの友人がキャッチ！！！！！

新しい出発が次の出発へ。